片麻痺になると、これまで普通に意識せずともできた動作がなかなかできなくなります。
たとえば、首を回す運動。
この動作以前に、肩を動かさず首だけで右や左に首を回して振り向くことすら今のオレには難しくなっています。特にオレの場合は左半身の片麻痺なので、右はまだしも、左後方に振り向くことはとても大変。
そういう症状に対するリハビリとしての訓練方法は、初めから一気に滑らかな動作を目指すのではなく、コマ落としアニメーションのように動作を段階で分けて、少しずつ近距離の経由地点を目指しながらトライしてみる方法。
たとえば首を回す動作なら、全部で360度の回転動作を45度ずつの8回の動作に分けて行うようにします。
また、振り向く動作なら、いきなり後ろを見ようとするのではなく、まず向く方の自分の肩を眼で見てから、その向こうが見えるかトライするみたいなことですね。
そういう健常者には何気ないことでも片麻痺者には難しいことがあるので、オレの場合は左斜め後ろからいきなり声をかけられると、ひたすら狼狽します。なにせ、そっちの方にすばやくは振り向けないから。
これをやられると、ただただ心臓バクバク、言動もギクシャク。もちろん、顔には出さないようにはしますけどね。
そんな肉体的な不都合は脳出血発症の後遺症と理解もでき受けとめることも可能なのですが、オレが近い将来としてその何倍も不安に思い、恐れているのが、実は脳の劣化。
まわりに要介護高齢者がたくさんいる環境に日常的にいると、オレもあんなことをしてないか? 今してなくても近いうちにするんじゃないか? と、スタッフさんと何気なく会話することすら自信がなくなり怖くなります。
愚かな若者を見ては「いつか来た道」と、年寄りを見ては「いつかは行く道」と思えと世間ではよく言われますが、オレは積極的にはそちら方面にはあまり行きたくないなあ。
それにしてもボケ方も千差万別、いろいろなパターンがありますね。感覚的には女性の方が元来が社会的な生き物だからなのか、自分の主張を出す方が比較的に多いような気がするし、男性は何事にも意欲を見せず自分の内側にこもるタイプか、やたらと攻撃的になるタイプかの両極端な傾向にある方が多いような気がします。
何にせよオレは、意味のわからないことを言い始めていないか? 感情にまかせて不当な要求をしていないのか?
日毎、自分の正気が疑われて、怖くてたまらない。しかも、こんな精神状態のクセに働こうとしてるんだもんなあ…。
往々にしてオレは、衆人環視の公的な場やこういうネット上では大言壮語、傲岸不遜な論破王体質になりがちですが、少し離れて日常的に見れば極めて意志薄弱でココロが虚弱体質な引っ込み思案になりがちなのですよ。
こんなどっちつかずな宙ぶらりんの気持ちでいるなら、いっそ誰かが合理的な判断の下に「お前はもうボケ始めてるんだから、これからはなるべく目立たずおとなしく生きて、ひっそり死ぬのが世の中のタメだよ」とでも言ってくんないかなあ? とさえ、考えることもしばしばです。社会的に何かやらないといけないとされることが手近にないと、人間はどう生きたらいいかさえ簡単にわからなくなるもんですね…。宮崎さんの映画でも観に行くべきなのかな…。
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