巷間よく言われるのは「鳶が鷹を生む」と「蛙の子は蛙」という2つの対称的な言葉。
何れにしろその意味する視点は、詰まるところ犯罪性向に限らず、性格や気質、能力から、人生観や社会との距離感といった価値観も親から子へ遺伝するってか? ってとこ。
よくよく考えれば、オレの好きな夢野久作の「ドグラ・マグラ」だって、突き詰めればテーマは「過去の強烈な経験や記憶は子孫へ遺伝するのか?」だからね。
ロンブローゾの骨相学から唱えられた「生来犯罪人説」は今世紀では非科学的と一旦否定されるも、遺伝子という膨大な人体データベースの登場によって、新たに「ネオロンブローゾ学説」なるものも生まれてきたようで、性格や気質、精神病質を決定づけるのは、果たして生来の遺伝か、後天的な成育環境か? もしくはどちらも影響するならば、そのどちらが優位なのか?
想像しやすい可愛い例を挙げれば、芸達者な愛犬がいたとして、その犬の能力は子に遺伝するのか?
50代早々に亡くなった旧友からかなり前に聞いた話。
彼の家は代々商人の家系だったらしいが、旧友本人は、祖父が自死した翌々日に生まれたらしい。その祖父は生業である家業にはあまり身が入らず仕事とは別に画家を目指していて、どちらかというと家業より道楽に熱中する趣味人として生きていたとのこと。
そして旧友が子供の頃から絵に親しむたび、そして後に結局、仕事として画を描く仕事を目指すことを家族へ意思表明した際にも、祖父を知る年長の親族の誰もから「お前はお祖父さんの生まれ変わり」と言われたらしい。
そんな、そのへんにわりとよくある話と、犯罪性だけでなく芸能やスポーツにおける異能と遺伝の関係は未だにオレの興味を唆る。
だからってオレは、ノーマン・ベイツの血の連鎖(終いには主演俳優が自ら監督するまでその役柄に魅入られてしまっていたのか…?)をイッキ見(さすがに4は見てない)するだけでなく、反体制のシンボル的な映画監督、若松孝二(中上健次さん同様、新宿各所でニアミスはしてるが最後まで会えずじまい…)の初期代表作にまでガツガツ手を出さなくてもと思わなくもないけど思わず観てしまったんだな…。初めて観るパートカラーの映画。
そして、このアナーキーなシリーズがヒットした時代背景とその理由についても深く思いを巡らすと、当時の日本人の多くがそこまで自分の中に流れる血脈に何かしら不安なり呪いの要素を感じていたのかもと、些か暗澹たる気持ちにならざるを得ない。
ただ、死刑史とか残虐行為に関連する歴史資料に学生の頃からわざわざ当たっていた自分の知見から見れば、確かに日本人だってもちろん残酷なことは昔からしていたけれど、距離を取って押し並べてフラットに他国と比較すれば、どちらかといえば、その規模も濃度も可愛いものかもしれないという印象をオレは持ったりする。もちろん苛烈の如何に関わらず、被害者にとってはたまったもんじゃないけど、あくまで皮膚感覚的な比較の話ではね。
これってやはりお上のお達しで一時期肉食を禁忌としてた影響なのかしらねえ?
全般的に淡泊なもんですよ。言い方を変えれば、文学的でお上品かもしれない。
かと言ってオレは、喜んで街道の通りすがりに人の首を竹鋸で喜んで挽いたりはしないけどね。
オレはフィクションの特殊メイクの血まみれ内臓ドロドロは好きでも、本物の血とか手術シーンはまるで直視できないヘタレなタイプなもんで…。
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/friend/mis/mis_03.html#:~:text=%E7%97%85%E6%B0%97%E3%81%9D%E3%81%AE%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%AF%E9%81%BA%E4%BC%9D%E3%81%97%E3%81%BE,%E3%81%82%E3%81%A3%E3%81%A6%E8%B5%B7%E3%81%93%E3%82%8B%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
