一人だと、4分の1カットがムダがない…


片麻痺発症以降は全般的に眠りが浅く、なんとなくショートスリーパーにも磨きがかかったようで、寝て起きても夢を見た記憶がほとんどない感覚で日々を過ごしていました。


もしくは、見たとしても起きてしばらくすると見た夢の記憶が跡形もなく霧散してしまう感じでした。


ところが昨夜の夢は、殊の外いまも記憶に残っています。


そうは言っても所詮、夢。


脈絡のあるストーリーは一切ありません。


強いて言うなら、鈴木清順監督の映画のような単なるビジュアルイメージの洪水。


最初のイメージは、尾道らしき街の空き家活用プロジェクトで作ったような飲み屋で中学の同級生と待ち合わせ、そこから駅まで戻る途中に雨に降られずぶ濡れになるシーン。


次は、そこから在来線に乗り福山駅に戻ってから同級生と飲み直そうとして、古い居酒屋に入るとそこの構造が複雑すぎてはぐれてしまい、自分がいるのが何階なのかすらわからなくなり迷子になるのです。


その酒場が、おそらく複数階ある木造建築なのですが、ガード下風でもあり、台湾の屋台のようでもあり、香港の九龍城砦のようでもあり、吉祥寺の伊勢やのようでもある感じ。ところどころにスポーツ選手のサイン色紙やバットなどの記念品、手形や絵画、写真なども飾られてあるようなカオスな雰囲気。


一番近いイメージは、3丁目に昔あった「やま小屋」という居酒屋かな? 現役世代のほとんど誰にもわからないと思うけど。


ましてや、その店で迷子のオレは通い慣れているのか、初めてなのかも自分でも判然としません。


ただただ徘徊状態。


お店のお姉さんにいくら現在地を尋ねても、そのやり取りすら頭のネジのハズレた会話にしかならず、まるで要領を得ず、さながら「ねじ式」の中の世界みたい。


そこに日野日出志のグロテスクとクリストファー・ドイルが撮影したウォン・カーウァイ作品の原色が混じり、銀残し現像さながらの雨上がりオープンセットにムッとするエキストラの人熱れと紫煙がたなびく、戦後の闇市か、再開発前の福山繊維ビルのごとき雑然とした昭和感にひたすら圧迫されます。

そんな懐かしさの中に、貧しさと旨味と腐臭とエロと残酷と人情が濃密に漂う空間で、行き場を失い彷徨うオレ。


ちなみに、夢の中ではオレは普通に歩いています。


まったく、この夢はどういう意味? オレの脳は大丈夫なのか? それとも、ベル星人の亜空間にでも放り込まれたのか?


そういうわけで、ありきたりですが、やはり最後に一言。


「医者はどこだ?」


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