かくも人生は甘いってか?


今回観たこの作品は、昨年の初夏にこのブログでオレがレビューした「コーダあいのうた」のオリジナルにあたるフランス映画。


そう、いくつかの部門でアカデミー候補となった「コーダあいのうた」は、この映画の英語版としてリメイクされたものなのです。


この2作で話の大枠の部分では大きな違いはない。


唯一、主人公の女のコの家業が、リメイクでは漁師なのが、オリジナルでは酪農を含む農家であることと、両親と同じ聾唖者な男兄弟が、オリジナルでは弟なのが、リメイクでは兄になっていることくらいかな? コレは、いわゆる下ネタがらみの、いわゆる教育的配慮というヤツかもしんない。


全体的な印象としては、リメイクの方が観客を引き込む種々の小技が利いてて、作品の完成度としては手堅い気がしますが、主人公の、家庭からの旅立ちというテーマにシンプルにフォーカスされている点から観ている方にストレートに伝わりやすい分だけ、個人的にはオリジナルの方に軍配が上がるかな? どちらもいい映画なので、最後は個々の好みによる僅差になるでしょう。


それにしても、オリジナルに対して何よりオレが強く感じたのは、イタリアにしろスペインにしろ、舞台となるこのフランスにしろ、ラテン系の人たちって、障害者、健常者の区別なく、誰もが基本的に人生における人間の快楽にも肯定的で、生きてるならそれを楽しまなくてどうする? ぐらいの勢いなこと。


だからこそのあっけらかんとした下ネタも満載。


「治療のためとはいえ3週間も我慢できるか!?」と医者に怒りだすお父さんのセリフに説得力を持たせる可愛いお母さんの存在も魅力的。


聾唖者にまつわる話なので、物語のベースとして、音や音楽も重要な要素であるからこそ、効果的な無音のシーンの使い方もとても上手い!


落ち込んだり、誰しも人生を悲観的に捉えがちな時に観ると気分がリセットできて、明日への再起動の効き目がありそうな作品です。


何にせよ、この作品をオレのブログに対するコメントで教えてくれた方と、その出会いに、持ち得る最上級の言葉で感謝いたします。


オレ一人だと英語版だけで終わり、おそらくオリジナルにはたどり着けなかったはず。


こういう気づきの機会って、ホント宝物よね? 今だけは全面的にネット社会にバンザイ!


ブログ始めて1年強。続けてきて本当によかったと思わせてくれて本当にありがとうございました。


今後とも何卒よろしくお願いいたします。


https://eiga.com/movie/82203/