鰆の道明寺蒸し


今日も年寄りの冷や水、オレの上京間もない頃の昔話を少し。


オレが上京してから始まったものを以下に列記してみます。


●テレビ東京の「TOKIOロックTV」


70年代後半からポップス、ロック問わず音楽に合わせたPV(プロモーションビデオ)という映像を作るのがルーティン化され、それまで小林克也の「ベストヒットUSA」ぐらいしかなかった洋楽専門番組がMTVが開局される前夜のイケイケムードにも後押しされ、次々と生まれた曲と映像を紹介する形態の音楽番組群の、オレの中ではこれがその走りだったように思っている。司会は本田恭章とか、ショコタンの亡父、中川勝彦だった記憶が。


上京早々いつもの無茶な見切り発車で秋葉原で録画ビデオデッキを入手していたオレは「MJの『スリラー』を来週国内初のノーカット放映と番組内で予告されたもんで、翌週、学生寮の部屋で室内アンテナ接続の小さなテレビの前で正座してそれを待ち構えていたのも今は面映く懐かしい記憶。


まあ、この番組以降、プール・バーやカフェ・バーのブームやらもあって、とりあえずアメリカンな内装にМTVの映像を流しとけって飲食店が日本中に増えたし、ボーリング場とかのアミューズメント施設でもPV映像垂れ流しが定番化される。ただし、まだどこもブラウン管テレビだけどね。


●「オールナイトフジ」


まだフジテレビが新宿河田町にあった頃の伝説的深夜番組。女子大生をメインにした大量の素人をバラエティに登場させる手法と、とんねるずのハチャメチャな番組の仕切りはここから始まった。女子大生のブランド化と、夜の麻布や六本木にやたら素人が遊びに行くようになったのもここから。スタッフのちゃん付け呼びや業界用語を駆使した会話とか、ああいう仲間の内輪ウケノリは今もあまり好きではない。ザギンでグーフーとか、ちゃんねえとかツェーマンとか実際に話せる話せないは別として、オレも未だに夜に人と集まった際の挨拶で無意識に「おはようございます」と言ってしまうけどさ。


●「夕やけニャンニャン」


前述のとんねるずの勢いと、今度は女子高生でバラエティをということで始まったのかな? オレは基本的に男女問わずガキが苦手で、まったく興味なしだったので、実は何も語れない。ただ、オレの中でわりといい詞を書く単なる一人の作詞家のイメージだった秋元康がこの番組以降、徐々に業界内で伝説的な存在と立ち位置に昇りつめていくそのプロセスはリアルタイムでスゴいものがあったのも事実。


さて、ここでやっと今日のタイトルの話になるんですが、ヒルズができるはるか以前、40年近く前の六本木は、ある意味、夜は陸の孤島で、省になる前の防衛庁があったり、各国大使館も最寄りに多くあった関係で通りを歩く外国人率も高く、今以上に大人の雰囲気のある街だった。(いま歩いてるのは不良ガイジンばかりだと聞いてる…)


リアルに詳しかったり実際に遊んでたのは、世代的にはオレより10歳上ぐらいがメインな印象かな?


折しもオレが成人する頃にちょうど風営法が改正され、日付が変わると時おりディスコ(まだ世間的にはクラブとは言ってなかった…)に警察の手入れがあり、それほど黒服スタッフの男性ドレスコードチェックも厳しくなかった時代でもあったので、決して美味くはないけどとにかく当時は安く(確か男子は入るのに2千円。女子はタダ。甘くて飲みやすいけど悪酔いする酒が)好きなだけ飲めて(冷めた唐揚げとかも)食えてひたすら朝まで踊れるからと、黒人米兵とそのぶら下がりの山田詠美モドキに混じって(黒人のリズム感、やっぱしハンパねえとか思いながら)遊んでた田舎者のオレらも、その真夜中の孤島の路上に不意に放り出されるわけよ。


あのときは途方に暮れたなあ。貧乏学生にはタクシー使える金もないしさ。開いてる店もないし知らないし。ひたすら電車が動くところまで歩いたっけか?


そんなダサダサな地方出身学生だった時代から数年後。外国の街歩きやら今で言う現地のB級グルメ的な記事を扱う雑誌の編集仕事を始めていたオレは、その関係から当時の会社の折々の仕事の打ち上げでいろいろなモノを食べさせてもらっていた。


オレの料理に関する雑駁な知識の大半は、実はその頃の経験とかがベースになっている。


そのいろいろ食べた中で未だにもっとも印象深いのが、六本木にあったスウェーデンセンターで食べたバイキング料理の元祖と言われるスモーガスボード。


確か、スウェーデン車サーブのショールームも同じところにあった記憶もある。サーブってそもそも軍用機メーカーなんだよなとか、その質実剛健な家具みたいなデザインの車にも惹かれたが、眺めてるだけでミリオタ的にも興奮した。ビゲンとかの元がコレかと。


で、スモーガスボードなんだけど、それこそ北欧のサーモンやらすげえ美味いの! 確か、キャビアもそこで初めて食べた。残念ながらウォッカは出なかったけどね。


後は、初めてのアップルコンポート! カスタードクリームソースを掛けて食べたんだけど、結婚するなら、こんなの作ってくれる北欧美人がいいと心底思った。その美人が料理上手とは限らないけどさ。


まあ、それくらいトロケたわけよ。


そんな大人の六本木で現役でブイブイ言わせてたのは、モノクロ映画作品で悪魔的なまでに美しい、若かりし頃の加賀まりこだとオレは思ってるんだよな。


あの可愛さは当時のスチール写真を見るだけで腰が抜けるぞ。未見の方はネットの海の中で探して、ぜひ見てみそ!






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