子持ちはプリン体が多いのだけどね…


今日は、映画「ダウンタウン物語」の話だ。


オレのオヤジは四男三女の末っ子だったので、オレのイトコとなる人は大半が年上で、しかも女性がほとんど。オヤジのすぐ上の姉の娘にあたる人でもオレの8歳上。


彼女は、当時のここらへんの女子では珍しく、地元の高校を出た後、東京の短大を卒業し即Uターン帰郷して日本鋼管のOLになっていた。今は合併して同じ市内になったけれど、当時の彼女の実家は郡部の特定郵便局だったので、ウチの駅から北へバスで1時間近くかかる上に本数が少ない、終バスも早いってことで、月に何度かの早出当番の出勤日は最も駅チカに住む叔父の家であるオレんちに泊まってから勤め先に通っていた。


オレのオヤジの姉、彼女の母である伯母の嫁ぎ先である実家は、蔵と築山のある庭付きの旧家の屋敷だったぐらいだから、当時でも彼女を東京の私立女子短大に通わせる財力の余裕があったんだと思う。


そんな東京帰りの従姉は、母である伯母とともに地元の女学生だった頃から折につけ母のいない幼いオレを目にかけ街へ連れ出した。やれ初めて福山駅前にハンバーガー屋が出来た(たしか72か73年の天満屋横のロッテリア。当時のオレの肺活量では濃厚なシェイクがいくらストローを吸っても溶けるまで飲めなかった…)だの、サンマルコにピザを食べに行こうだの。


そして、彼女が勤め始めると、オレは単独で誘われるようになり、決まってその前後に映画がセットされるのだ。オレが就学前の最初の頃は当時のオレに合わせたのかガメラとか怪獣映画だったけど、早熟読書家のオレがほとんど問題なく字幕が読めるよう(3年生?)になると、専ら洋画だった。


そんな作品の中でも、いま思えば「小さな恋のメロディ」は、正直その後のオレのトラウマにもなっているので子供に見せる選択肢としていささか内容が大人向けすぎやしないかと思わなくもないけど、当時の若い娘さんに教育的視点などではそのチョイスを誰も責められないよね?


何にしたってオレは、年上女性とのデート気分で毎回浮かれていた。その流れでジンジャーエールやら、伸びるナチュラルチーズ、ドリアにタバスコの味を覚えたんだよな。


そんな従姉と観た中で印象深いのが「アラン・ドロンのゾロ」と「ダウンタウン物語」の2本。


前者は言わずもがな彼女がアラン・ドロンを見たかったという理由でわかりやすいけれど、後者は「小さな恋のメロディー」から引き続いてのアラン・パーカー関連作品。…なんてことがわかるのは、今になったからであって、当時はまわりも彼女もオレ自身もそれがわかるほどには決して賢くはない。


この映画、オレは最高に面白かった。


妖艶でファム・ファタールな情婦を演じる同い年のジョディ・フォスターにマジで恋してしまうかと思ったほどだ。


内容? あまり言いたくない、書きたくない。


子供がいたってマジメにギャング映画を演じてるだけの話よ。決してギャングを演じてるわけではないけれど…。


子供にしか通じないギャグの解説をしようとして「子供がなんでウンコちんちんで笑うのか」とか、子供の笑いのツボを大人がいくら真顔で力説したって、そこにはあまり意味がないでしょ? 


オレは最初に見てから一度も再見してないけど、今の世間擦れした自分が、面白がれたあの頃のように素直に観ることができるかは正直なところ自信がない。


ただ当時のオレは、その世界観に没入するほど面白がっていたのは間違いない。


コレは、何とかDVDを入手して答え合わせするしかないかな?


本気の意味の蛇足でさらに言うと、オレは、さんざ連れ回してくれたこの三女の娘の従姉に確かに今も感謝はしているのだけど、実は、会う機会の少ない松山市在住の次女の娘の5歳上の従姉の方に、小学生なりにかなり本気で惚れてた。


なんで? 美人さんだったからだよ。


愛媛って、関西弁寄りの瀬戸内言語なんだよね? そりゃあ、あの方言で普通に話してくれるだけでも腰が砕けて骨抜きになるくらい可愛かったさ。


もう半世紀は会ってないけどな。怖くて会えないよ、今さら。


それにしても、イトコって法律上では結婚できるんだよな…なんて、中学上がる前に真剣に考えるほどには惚れてたな。ここにこうやって書くまで今まで誰にも言ったことはないけれどね。



https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%A6%E3%83%B3%E7%89%A9%E8%AA%9E_(%E6%98%A0%E7%94%BB)