2014.7.6 予防歯科 @仙台 | 千原の勉強記録  湘南鎌倉歯科・矯正歯科

千原の勉強記録  湘南鎌倉歯科・矯正歯科

このブログはチハラの独断と偏見を元に勉強した事を記録したものです。
自分が振り返った時に思い出せるように「ノート」として綴っております。
ですので、意味不明な内容が多々あると思いますが、チハラの「ノートしたこと」だと思ってみてください。

2014.7.6 松風
「齲蝕予防の新しい考え方」ー明確な目標を持ったアプローチとはー
講師:福本敏 東北大学大学院歯学部

■自己紹介
 ・生まれは山口県、育ちは岡山県、大学は長崎大学、その後小児歯科
  名古屋大学大学院生化学分野→長崎→米国国立衛生研究所→九州大学
 ・米国国立衛生研究所の歯科部門ではフッ化物応用について
  常時4万人の研究者がいる。丁度その時に911テロがあった。
 ・お酒、釣り好き。
  
  
■齲蝕予防
1)ブラッシング:一番よくやっているのが日本
2)間食指導
3)フッ化物の応用
4)シーラント応用   
「食事調査」や「齲蝕活動試験」を併用しながら

■考えてみて下さい
1)なぜ乳歯は必要なのか?
 10年かけて永久歯をつくる。150年くらいは持つ。下顎乳前歯は歯根完成が1歳少し。→短時間でつくるからそれほど丈夫なわけではない。 
現在約10%の子供に永久歯先天欠損がある。 →20~30歳で残ってる乳歯は使い物にならない。
 丈夫な永久歯を作る為には「つなぎの歯」が必要。その為には

動物ではキリンなどは一度生えてくるとそのまま生え変わらない。
長持ちしない歯→20年くらいしか寿命がもたない。
象は後からまた歯が生えてくる→長生きする。
動物では歯が生え変わる生き物程長生きできている。

2)なぜエナメル質は必要なのか?
 モース硬度10:ダイヤモンド、硬度7:エナメル質 
 6より硬いものがナイフで傷つけることができない。
 6以下ならナイフでなんとか傷つけることができる。
 5は象牙質、大理石や金は3~4。 2が石膏。

National geogrphic
 動物がエナメル質の歯冠を発達させるのは、誤って砂の混ざった土を口に入れた時に歯が摩耗してしまうのを防ぐためである。
 →草を食べる→石が混ざったりすると露髄する→感染する→死亡する。

■ネアンデルタール人はアスピリン効果を知っていた!?
 化石をみると、上顎の歯の隣接面をみると「爪楊枝」を使っていたような痕が見られた。
 →歯周病の痛みを和らげていた?? 

爪楊枝→柳の有効成分。→サリチル酸→アセチル化→アセチルサリチル酸→アスピリン。


■顕微鏡の発明と微生物(細菌)の発見
 ・レーベンフック:顕微鏡開発し、最初に見た物が「歯のよごれ」を観察した
 
 ミュータンス菌:最近では母乳に含まれる乳糖を分解し酸を産生する口腔内細菌の存在が見つかる。 →母乳も「齲蝕」の原因となりうる。 電子顕微鏡写真。

 乳糖を分解する菌:ビフィズス菌

■体の各部分の微生物の濃度
 歯垢: 大腸の内容物、、、、と同じくらい濃い微生物濃度
 唾液:
 胃→空腸、回腸 →盲腸、直腸

■子供の口の中(乳歯)
大に小臼歯の歯胚が石灰化してくるのは4歳前後。 レントゲンで判断するなら第二大臼歯と比較する。第二大臼歯が欠如するのは稀。第二大臼歯歯胚が形成されているのにまだ見えない場合はほとんどが先天欠損。

■子供の虫歯の数の地域格差
 平成20年→平成23年度。 全国平均1.20
 全国平均から考えると三重県が2本。それをどうとらえるか? 虫歯が多いと思うか。
 10代→20代6本→30代11本→40歳15本 →70歳24本
 つまり8020を達成させる為には12歳児で1本以下でないと不可能。

・3歳児で齲蝕歯が1本ある2本ある3本あるグループ比較
  1本でもあると、、大抵は上顎AA→臼歯部が増えてくる。前歯から拡がる
  2本3本でもあまり変わらない。1本でもあると×。
  つまり3歳では齲蝕をゼロにするのが目標。

・仙台市では3歳児のカリエスフリープロジェクトを考えている。→3歳までに齲蝕ゼロにする歯科プログラム。 1歳半検診、2歳半検診。 →1歳半検診でもう齲蝕もある子もいる。 小児科では6~7ヶ月検診をしている。なので、6~7ヶ月検診で歯科も一緒に行って行く。
http://www.city.sendai.jp/kenkou/kenkouzoushin/ikiiki/manual/3kariesu85.pdf


■歯の本数と食べられる食品の関係
 ・20本を境目にして食品を食べれる食べれないの分岐点となる。
 →3歳児までにゼロ。12歳児に1本以下、

■口から食物を食べるということ
 食事の際に起こる感覚。 特殊感覚:味、匂い  体性感覚:触感
 食事は脳を活性化する。食事中の感覚は脳の活動を刺激する。ポジトロンCT

 大脳のかたちと構造。  ペンフィールドの図。
 食事をすると脳の1/3を使う→老化防止
 歯医者で認知症でボケたという話は聞かない。職業別認知症だと小学校の先生が一番多い。

・エネルギー摂取:75% 
 (エネルギー消費:54%。活動代謝:13%、食事性熱生産:8%)
 →口だけで8%!! →軟らかい食事ばかりだとエネルギー消費が減少する
 
■硬い食べ物と軟らかい食べ物 実験 
 マウス:軟らかいものだけ食べていると太っていく。

 良く噛むことのすすめ。30回咀嚼→エネルギー消費を増やして摂取量を減少させる。

・噛むことによる学習能力の比較。 迷路をもちいた実験。
 固形食、粉末食に分けて比較。 →学習能力が全然違う。
 →子供達に勉強させる時にはガムを食べさせると学習効果が良いことも分かる。
 もしくは「口を使って声を出す」ことも効果的

マウスピース→均等に接触する→脳が均等に働く。

■齲蝕罹患率(平成22年学校保健統計調査)
     幼稚園  小学校   中学校   高校
宮城県 57.6  63.4  62.9  69.3
全国値 46.1  59.6  50.6  60.0
 ※小学校→中学校で齲蝕になっていた乳歯が抜けるので「一時的に減少」したようにみえる

■どう治療するか??? 
 毎週毎週仕事を休んで子供を連れてくる。。。。。今の社会状況だと「連れて行きたくても連れて行けない」環境が多い。

■肥満出現率
 ・齲蝕の多い地域が肥満が多い。 
  齲蝕→噛めない→軟らかい→エネルギー消費⬇→太る。
  また甘いものを食べている子芽多い。

■小児の発育指数: ローレル指数、カウプ指数。

■末っ子の場合甘いものを摂取する機会が早くて多い。
 食事カードによる調査。食事カードから推察。そして問題点抽出
 例)コーラ、500mlではなく2L →誰が買っているのか?
 言うのは簡単、指導してもそれを実行するのは難しい。
 買い置きするのであれば500mlにするなど。

■虫歯の本数と関連するのは「間食回数」
 食べる量と齲蝕の数は相関しないが、「回数」をしっかりと決める。

■飲み物に含まれる砂糖量

■血液量3~5l、 炭酸1本飲む。50gの糖が入る→急激に血糖値が上がる。膵臓が働いて血糖値を下げる。→繰り返すと糖尿になる
体重10kgで800ml、20kgで1200ml(小学校前の子供)
ペッドボトル1本を飲むと××。
今現在の10人に1人が糖尿病の子供がいる。
WHOが砂糖摂取量の新指針を出した。

いろはす。みかん味 http://www.cocacola.co.jp/brands/i-lohas/i-lohas02
原材料名 : ナチュラルミネラルウォーター、糖類(果糖、砂糖)、塩化Na、ウンシュウミカンエキス、酸味料、香料、塩化K、乳酸Ca、酸化防止剤(ビタミンC)
種類 : 清涼飲料水 発売年月 : 2014.03 エネルギー : 17kcal/100ml

1~2年生はあくまで「習慣づけ」脳と手の発達がまだ甘い
3年生からはしっかりと指導する。
秤を置いてブラッシング圧を計測し、本人に確認してもらう。

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■レジンVSアイオノマー
・全国29大学ではGICが7割、レジンが4割。
 レジン→環境ホルモン因子?

環境ホルモン
漁師が魚を捕るとメスしか取れない、どうしてだろう?? 調査したら化学物質が原因だった。→子孫を残せない。昔問題になったのが缶コーヒー。缶コーヒーの内部のフィルムに化学物質が混入されていた。 →そして「シーラント」が注目された。

■フッ素。
 ナトリウム塩:NaClO:食塩 NaF:フッ化ナトリウム
 酸:HCl;塩酸 HF:フッ化水素

 参考:http://www.thinker-japan.com/husso.html

■シーラント
 厚労省HPよりhttp://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-011.html

一人当たり平均本数:乳歯0.12本(8本中)、
12歳までの齲蝕はかなり抑制されてきた。しかし20~30歳までに齲蝕が急増する。
20~30は昔も今も変わらない。アメリカも一緒。20~30歳で大きな実質欠損を伴った齲蝕ではないのだが、咬合面のC1程度が増えてきた。
→フッ素は平滑面には有効だが、隣接面や咬合面には別。→シーラント重視。
欧米では大々的にシーラント充填を行っている。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/62-17c23-1.pdf

■GIC
 粉(フルオロアルミノシリケートグラス)に酸(ポリアクリル酸)を混ぜる→青い粉の表面が酸で溶け固まる。溶けた部分からフッ素が除法される →フッ素を除法すると物性が段々と弱くなっていく。 シリカの粉は硬い。 じゃあ黄色い部分を壊れないようにパッキングできれば!?
→Pre-Reacted Glass-ionomer(PRG)技術とS-PRGフィラーが出た。
 多機能性硝子を粉砕する。そこに酸化シリカの膜をコーティングする。それからポリアクリルさん水溶液でコーティングする。 
http://www.giomer.jp/contents/giomer3.html
放出後も材料特性を維持


■Srによる耐酸性の向上
 ハイドロキシアパタイト →CaがCaSrに置換されると1兆~1000景倍の耐酸性
  OHがFに変わると100から10景倍の耐酸性。 Mg,Co3だと逆に弱くなる。
 海外ではSr入りの歯磨剤が販売されている。
http://us.sensodyne.com/

■ビューティーシーラント
 プライマーにホスホン酸系モノマー(エナメル質接着)、カルボン酸系モノマー(象牙質)、
 ペーストにS-PRGフィラー(F,Al,Na,BO,Sr)を配合。 水洗、エッチング不要。
 プライマー処理:なじみを良くする。従来型のは流れなかった。
 →液体状のレジンを流していた。→液体状なので機械的強度が低い。

■充填前の歯面清掃→Fが入っていないもので行う。Fが入っている歯面に対しては付きにくい。

■脱落率:
 乳歯:3ヶ月~9ヶ月に脱落することが多い。その後は脱落率は低くなる。
   考察として:シーラントする必要がるのか?歯面清掃に色々な物を使用していた。
 小さい頃からのF応用している子はすでにFが取り込まれているので脱落率が高い。

■PRGバリアコート
  ブラッシングで3ヶ月でとれてしまう。→口腔清掃状態が良い所。
  →ブラッシングが届かない部位は残る。形成不全などにGood!!
 また、QLF分析によると、塗布していない部分にも脱灰抑制試験での効果はでている。
 →隣接面の付近に塗布することによって効果は得られる。

S-PRGフィラー含有歯磨剤:1.0μm/5-10%が良い。

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■歯髄幹細胞
  交換期乳歯の歯髄細胞を利用。組織幹細胞は有用だが、受分な細胞数が得られない

  iPS細胞を作製する際の効率が皮膚を使用するより20倍良い。
 1)乳歯は20本存在する
 2)遺伝子変異が少ない(加齢、紫外線、放射線)
 3)被侵襲的に取れる。

 歯髄細胞→歯髄幹細胞にアクションを与えて歯髄幹細胞にできないか??
 iPSが4つの遺伝子。なら同じようにそれを探す。 →できた。今迄1%しか利用できなかったのが、すべてを幹細胞に変化できるようになった。

歯髄細胞から骨髄細胞を作製:HAは消えない。歯髄幹細胞から骨髄細胞(HAは消えた)。 →骨髄移植。白血病への応用


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1。液体のメリット:隣接面に入るの。ゲルの場合はフロスを使用する。口腔内保持が4分間がマックスの効果。 味の問題があったりする場合もある。

2。バリアコート塗布後のF塗布は非常にGood!! 萌出しきったものを再び再吸収してくれる。F入り歯磨剤を使用、Fジェル塗布した時にRechargeされる。

3。ビューティーフローについて。リン酸エッチング→脱落率は抑制される。しかし、シーラント剤が一生そこに留まっていていい物なのか? 誰も分からない。 ある程度持ち、摩耗したほうがよいのでは?というコンセプトがある。
一時大学がすべてGI系シーラントになった時があった。1回除法しきった物が少しだけ残ってしまう。