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第六句集『山の木』所収。
『山の木』には1971年夏から1975年まで(龍太51歳から55歳まで)の作品が収められている。
1971年(龍太51歳)作。
季語は「冬去る」で晩冬。
「鶸」は晩秋の季語でもあるが、ここではその黄色い羽色とふっくらした体が、春の日溜まりを連想させる。
「繊(ほそ)き」は鶸の声の繊細さであり、春めく日差しの繊細さであり、生まれつつある、あるいは生まれたばかりの春それ自体の繊細さだろう。
「方へ」は“向こう側へ”“彼方へ”のニュアンス。
「冬去る」でも「冬去りぬ」でもなく、「冬去りし」と完全な過去形になっているので、去りゆく冬への感慨より、到来した春への喜びの方が大きいようだ。

(Wikipediaより/マヒワのオス)

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