中川宋淵は禅僧にして俳人。
禅は山本玄峯に、俳句は飯田蛇笏に学んだ。
本句は作者24歳、蛇笏に入門した頃のもの。
「火口」は富士山火口のこと。
閉山後の秋の富士山に独り登り、修業していて成った作品。
もっとも、そういう背景を知らなくても鑑賞できる作品だ。
「秋晴」の「晴」に心を止めて読めば、「砂の音」に寂しさや暗さはなく、「法悦」という言葉に近いニュアンスのあることがわかる。