てのひらにうけて全き熟柿かな 木下夕爾季語は「熟柿」で晩秋。「全き」が絶妙。言葉本来の意味とは反対に、今にも皮が破れてしまいそうな危うさを表している。その危うい感じは、「てのひらにうけて」という平仮名表記と、「て」の反復にも負っている。いかにも慎重に掌上に載せているというニュアンスだ。