季語は「枯野」。
歳時記では三冬。
作品内の季節は仲冬か晩冬か。暖かさはないので、少なくとも初冬ではないだろう。
「行きゆきて」だから、旅をしている作者を想像するのがふさわしい。
「心おくるる」は、単調な枯野の風景の中を黙々と進むうちに、いつしか無心に歩を運んでいたのだろう。
「枯野かな」の「かな」には、ふと我に帰ったというニュアンスとともに、暗に人生を枯野に喩えているような響きがある。
作者の旅愁と孤愁とが惻々と伝わってくる作品。