year2067.7.Mare Finaleepisode | ふくの福の音ブログ  

ふくの福の音ブログ  

主に、モーニング娘。について書いてます。
譜久村聖(みずき)さん推しです

スポーツはバスケ部でしたMLBも好きです

また、社会問題についても書くことがあります
宜しくお願い致します。

year2067.Finaleepisode  原作ふく


東京政府直轄・東京研究所 

 

エムが自身の研究室を片付けている


手早くキャリアバックに入れていく



室内入口のランプが点灯し音が鳴る


エムがモニターを覗き込むと、マレが立っている


「お疲れ様です、マレです」



「入りたまえ」エムが間もなく返す



マレがカードを読み込ませ、エムの部屋に入室する 


「片付けてたんですか?」



「こちら、先週の分子の研究報告書なんでお願いします」



「君がMr.ガウに提出したまえ」


「私はもう今日でここを去るのだからね、ガウには話は通してある」


エムはデスクに向いたままだ



「今日まではエムさんここの研究員ですよね?仕事放棄は明細に影響でますよ」

マレが得意げに言う



「・・そこに置いてくれ」

エムはテーブルを指差す



「では宜しくお願いします!

エムさんは、ロキ族の秘薬の研究ってアメリカでもやっていくんですか?」



「それは教えられないな、君に筒抜けならないようにしなくてはならないからね」


「え〜」不満な顔をするマレ



「来月からこのデスクを使ってくれ、悪いようにはしていない」



「ありがとうございます、使わせて頂きます」



マレが右側の棚に目をやると、若い男と若い男が女性を挟み、写っている写真を見つける


「エムさん?若っか」


女性の右に、若き頃のエムが


左は・・・、もしかしてマグマ?



「大学の時だ、桐生カイというのさ」

エムはマレの方に向き直る



「えっ、マグマって本名だと思ってました」



「ふっ、天才が(笑)冗談だろう?」



「いやマジです」



「真ん中の女性は・・?」



「虹のムコウかな」

エムが少し顔を曇らせる



「あ、すいません」

マレは咄嗟に謝る

 


「大学の時の同僚だ」



マレは名前を知りたいが察する


「エムさんと、マグマ、女性の方って仲の良い関係だったんですね」



エムが、懐かしむように話し出す


「ナツは私の友人で、マグマとも友人だった」


「二人の良き理解者だった、共に夢を共有した友だったさ」



「競い合い、共に笑い、時には悲しみを共有した」



「大学のある夏、三人で出かけた先で、桐生が私に、ナツを取ったらおまえだろうと容赦しないぞと言ってね、


桐生は私がナツと関係があるんじゃないかと真面目に思ったらしい、何を言ってんだと喧嘩になってね、


ナツが丸く収めてくれたんだ、ふっ、今では笑い話さ」



マレは、こんなに自分の過去を話すエムを不思議に思った



「へえ、青春じゃないですかぁ、いいな〜


私はここに就職ですけど、そんな青春できるかなぁ」

マレが目を細めて羨しがる



「君にも、仲間がいるのなら大切にした方が良いんじゃないのか」

エムは噛みしめるようにいう



「・・はい、ありがとうございます」


マレは不意を突かれたような顔をしたが、エムの言葉を素直に飲み込む

 



室内入口のランプが点灯

ポニーがカードを読み込ませ入室する


「エム、、あら!マレ来てたのお疲れ」



「ポニーさんお疲れ様です」


「あ、ポニーさん、エムさん大学の時の恋バナしてくれたんです♪」


マレが嬉しくて興奮している



「あ〜、なに、エム珍しいじゃない、ナツのこと?」

ポニーは知っている様子だ



「ふっ、ただの思い出話さ」

眼鏡のブリッジを中指で触りながらエムが言い返す



「え、なになにポニーさん、ナツっていう女性と知り合いですか?」


マレが二人の顔を見合わせながら驚く



「まあ、知り合いじゃないけど、ナツはマグマと付き合ってたんだよね〜」


ポニーは初めてマレに話すと初めて知る事に興味津々のマレ

「ふ〜ん」



「ところで、マレ、先月ニューヨークで異星人が何者かに殺害された件、どう思う?」 

エムがマレに問いかける



マレは恋バナの続きを知りたいが、押し込み、推理を話し出す


「は、はいそうですね、ニューヨークのは・・


FBIの捜査上、被害者の銃痕にはどの国の銃にも扱われてないことがわかりましたよね、


捜査の中、異星人が扱う銃が使用されたと判明、しかし、人物は異星人ではないと考えます


マレは話を続ける


ニューヨーク郊外の2番地では防犯カメラはたった1台、しかも、被害者の異星人は防犯カメラの死角で倒れていた


周りに足跡など証拠が一切ありませんし、異星人より高い精度の暗殺です、



この高い暗殺をできる技術は限られていますし、


被害者である異星人が南アフリカのマグマの研究所を出入りしていたことが判明した事からも、犯人はマグマ関連だと思います」


「ふむ、知られてはいけないものか・・、マグマはジンに暗殺を仕向けたのかもしれないね」

腕組みをし考えるエム



「マレ、政府の動きはあるの?」

ポニーがマレに確認するように言う



「はい、FBIをサポートするため、チェルさんらチームが派遣されるそうです」



「まあ、気をつけるんだね、私がいなくなっても、私なりに支援は約束しよう」

エムが助言する



マレはエムに気持ちを込めて感謝を伝える


「ありがとうございます、プロフェッサーエム♪

明後日30日は、皆で空港でお礼させてください、オーマさんもお礼したいそうです♪


良かったですね、エムさんでもモテるんだ(笑)」

からかい、ニヤニヤするマレ



「私も自分の事のように嬉しいよー♪」

ポニーもからかうように言う



「ふっ、(苦笑)空港に押しかけては困る、静かに行かせてくれ」


エムは困惑したようだが、内心嬉しそうだ



「残念〜、アタシも行くから賑やかになるよ〜♪」

ポニーがドヤ顔をする



「まあ、静かに行きますので(笑)じゃ、今までお世話になりました


じゃ、ポニーさんも、お疲れ様でした」

マレはポニーに丁寧に頭を下げる



「うんお疲れ様、また来月宜しくね、新人さん♪」

ポニーは笑顔で応える




マレはエムの研究室を後にする


不思議と自然に涙が両目から零れる


取っつきにくい人であったが、エムが様々なことを教えてくれたのは事実だ


心のどこかに師としての感情があったかもしれない



「あ〜あ、寂しいものね、あんたのお弟子さんいい娘だよ」

ポニーはため息をつきながらぼやく


「おや、何が弟子なんだか」



「マレは、あんたを慕ってたところもあるのよ〜」

置かれた報告書に目をやりながらポニーは言う



「ふっ、それは君にもじゃないか」

エムは真顔で言い返す



「ふふ、言うねえ♪」

笑みを浮かべながらポニーは言う




マレは、ガリの部屋に行き、報告書をエムに預けてきたことを伝える



「おう、かまわねえよ、わざわざありがとなマレ!」

ガリは笑顔で頷く



「いえ、どうしてもエムさんに読んでもらいたくて・・すみません」

マレは軽く頭を下げる



「いんや、俺もエムに通してもらいたかったんだよガハハ!で、挨拶してきたか?」


「はい・・」目を気にするマレ


ガリがマレの目が少し赤らんでるのに気づくが    

それに触れることなくガリは労う



「ハハ、エムも良い教え子持ったもんだ、おし、報告書、エムにもらっとくからな、じゃ、お疲れさん!」



マレは右目を少しこするしぐさをした後、ガリに感謝を伝える


「はい、ガリさん、ありがとうございます、お疲れ様でした」

 


研究所を後にすると、ユミの妹クミから電話がかかってくる


クミは、高校卒業後、ロキ族に戻らず海外を旅するという


ヨリとはもう別れているが、自由きままに生きていきたいそうだ



「マレちゃんの便利アプリすんごい使えるの!ありがとう♪これで金銭変換とか翻訳なんでもできるし〜♪」


クミはとても嬉しそうだ



「ありがとう♪、なんか寂しくなるなぁ、クミちゃんいると楽しいのに」


名残惜しそうにマレは言う



それに、クミが明るく返す


「大丈夫!いつでもマレのアプリから連絡できるからさ、心配しないで♪」



マレはクミに感謝を伝える


「クミちゃん本当にありがとう!いっぱい写真送ってね、うん、うん、じゃねー♪」



「よし・・」


マレはAIタクシーをスマホアプリから呼び出し、東京高速道路を使い、神奈川・茅ヶ崎に向かう


彼に会いたいからだ



その途中、MorningMusume67のチャンから電話がかかってくる


「あ、マレちゃん、今オッケー?」さ



「うん、今自分のタクシーだから大丈夫だよ」

マレは流れるように言う



「そうありがと♪

突然だけど、本当はね、マレちゃんにMorningMusumeのメンバーに入ってほしかったんだ


マレちゃんと一緒にライブしたかった」


チャンはマレに本音を言い出す



「うん、あの時はごめんね」

マレが相槌を打ち、謝る



「ううん、マレちゃんにはマレちゃんの夢があるんだし、私にも夢ができたの」



「わあどんな夢?」

チャンに夢ができたことが嬉しいマレ



「うん、ワールドツアー!皆でワールドツアーをするの!」

チャンの声が弾む



「そうなんだ!

今年はカリンちゃんとユイちゃんが加入するし、


ノアさんとセシルさんも加入してパワーアップするから、  


今年のモーニング、期待してるからね!応援してる!」


マレも嬉しそうに声が弾む



「うん、ありがとう!パンダさんパワーマックスでがんばる♪」


電話の向こうでパンダさんポーズをするチャン


二人の会話は弾んでいく



「うん、じゃ、チャンちゃんらしく頑張ってね。

また来月そっちいくから、うん、私も頑張るから

うん、アッハハ(笑)、はーい、またね〜♪」

マレは通話を切りスマホをポケットに入れる




しばらくして、横浜・サザンビーチ茅ヶ崎に着く


少し風が冷たい  


波は静かでヤドカリがこちらを見ている


誰も人がいなく、マレは浜辺に一人歩む


目を閉じ・・


大きな波しぶきと共に、


モササウルスのアレックスが出現する



「Hayモッサー、longtime no see.」

マレは静かに言う



「久しぶりだな」

アレックスが日本語で返してきた



「喋れるようになったんだ、日本語で大丈夫?」

マレは驚いた顔をする



「ふん、問題ない」




「ほんと、久しぶりだよね、ワシントン以来。どこに行ってたの?」

マレが心配そうにいう



「遠くには行っていない、ここは気に入った、うるさいやつらもいないからな」

アレックスは高揚感を味じわうように話す



「私、東京の研究所に入ることになったの、そこで自分の研究をしたい、エムさんの研究も引き継ぐし、あなたかのこと、もっと知りたい」



「俺のことはどうでも良いはずだ、マグマと手を組んでいるやつらがまだいる、この世界はただではない、周りの世界を見てみろ」

アレックスの目が鋭くなる



「分かってる、国連事務総長のアルバカはグリエルの不正で得た観光収入に手を回していることが分かったの、


国連まで真っ黒よ、しかも、アメリカの新しい大統領サカモトが欲深くて、アフリカの資源マネーを狙ってる、


南アフリカのクワン大統領と折り合いがつかないし、


大連だって、インドと取り引きして周辺国に圧力をかけている


アレックスの言う通り、世界はただじゃないよね」


アレックスの鋭い視線を感じ、目を逸らすマレ



「人間は欲深く、他人をすぐ傷つける、だから俺は信用しない、マレはなぜ人間を信用するのだ?」

アレックスの目は鋭いままだ



「マレ、マレって言った?マレって言ったー!ふふふ♪モッサー♪」


マレがアレックスの頬に抱きつく



「おい、離せ」アレックスの目が優しくなる



「ごめん(笑)顔びしょびしょ(笑)」

マレは手で顔を拭う



「私はね、この世界の悪を科学で倒したい。勿論、人の役に立ちたいし、幸せを届けたいの」



「モッサーはさ、マグマを恨んでるよね?勝手にコメモンド埋められて

、実験の道具にまでされて、そんなことされたら、誰だって不信になるよね



でも、私はあなたを信用してる、あなたは私を受け入れてくれたもの、だから、私もあなたを受け入れるの


私は、モッサーの仲間でいたい」



「ふん、仲間、か、仲間とは興味深い、ではマレはこれからどうするのだ?」

アレックスは問いかける



「マグマのゲートを探る、まだ見つかってないの」



アレックスが助言をする


「俺がいたマグマの研究所地下の水槽で、ゲートらしき話を口にしていたのを聞いた覚えはある」



「本当?どこなの?エムさんたちが探してもなかったって・・」

マレは首を傾げる



「それは俺も分からん、もう一度探してみろ」



「うん、分かったそうしてみる、ありがとうモッサー」



「・・一ついいか?」

アレックスは頼みたいことがある様子



「え?」



「俺はアレックスと呼べ、マグマたちはそう呼ぶ」



マレは嬉しそうに頷き


「うん、分かった、アレックス!」



アレックスが人の気配に気づく


「・・見られているぞ、ここまでだな、俺はここを出る」



「わ!、やば、、ありがとアレックス、私、頑張るから!」



「また会おう」

アレックスが海へ向き歩んでいく

 


その背中をマレは名残惜しそうに見つめる



その時、レンが浜を走りながらマレに声を掛ける


「マレ姉!」

駐車スペースに東京製バイクを停めてきたようだ



「お〜、お姉様をお迎え、なんて良い弟なんでしょう♪」



「バイクで来たんだ、東京製アプリで位置確認したら、ここだって分かってさ

で、マレ姉、誰と話してたんだよ?怖いよしかも濡れてるし



「え?モッサ、アレックス見えないの!」

マレはレンの言うことに驚く



「アレ?クス?なに男?」

レンは耳を疑うように聞き返す

 


「モササウルスのアレックス!」



「あ〜、うん、ま、疲れてんだな天才も、うん、天才も人間だからさ!」


レンが納得したように言う



「疲れてねえよー、私を誰だと思ってんの、天才科学者マレよ♪」

マレがレンの腕に肘を当てる



「いて、マレ姉なんか変だよ?」

レンは怪訝な顔をする



「私はいつものマレ姉さんだよ〜ほら帰るぞ」

マレが足早に先に歩いていく



「あ、分かったもしかしてタケルくんと結婚の約束すんの?」

タケルが変な納得をするようにいう



「ちがうし〜(笑)、レンこそリコちゃん東京に置いてきてどうするの?」

マレは少し呆れたようにいう



「え、横浜なら母さんにいつでも会えるし、学校近いと卒業式も来れるだろ?リコにはちゃんと会う事約束したよ」

レンは母親と近いことが嬉しいようだ

 


「あら、ほんとできた弟ね♪」

腕組みをし、ニコッとするマレ



「それはどうも、マレ姉、俺のバイクに乗りなよ」


二人は肩を寄せて歩いていく。



辺は陽によって照り


波が静かに囁いている