まず、税金会計についてなのだが、基本的に二つあってまずは当期支払うまたは還付を受ける税金の金額を算定し、そして会計上と税務上の一時差異に係る繰り延べ税金の金額である。会計上もっとも重要な論点は繰り延べ税金である。 この繰り延べ税金の計算方法について、これから述べて行きたいと思う。まず、ASC740に規定されている基本的なアプローチはliability methodである。この考え方の根本にあるのは、将来未払税金が増える場合または還付される税金が減る場合は繰延税金負債が増加し、将来未払税金が減るまたは還付される税金が増える場合は繰延税金資産が増えることになる。さて、ここで将来の金額を算定する必要があるのだが、実際どれくらいの金額が未払になり、還付になるのかという予測はとても難しい。よって一定の税率を掛ける方法をASC 740では許容している。なお、繰延税金資産については、回収可能性を検討する必要があり、回収可能性がないと判断された場合は評価性引当金を計上する必要がある。
さて、このliability methodなんだが、基本的にはBSに注目している。基本的に累計された将来一時差異や繰越欠損に対して、適用税率を乗じて計算するという方法である。そして計算結果は繰延税金資産または負債となり、前期と当期の差額はdeferred tax expenseとしてPLに計上される。基本的に下記の数式で計算される。
繰延税金の期末残高 - 期首残高 = deferred tax expense deferred tax expense + current tax expense = 当期の法人税等の金額である。非常に単純な数式ではあるが、ここに税率の変更、会計上と税務上で認識のズレが生じる取引が生じた場合、複雑になる。さらにここにOCIとかがからむと余計に複雑になる。このliability methodにおいては下記5つのステップを会社は基準に要求している。
1) 将来一時差異の洗い出しと繰越欠損金の算定
2) 適用税率を将来加算一時差異に乗じ、繰延税金負債の計算
3) 適用税率を将来減算一時差異と繰越欠損金に乗じ、繰延税金資産の計算
4) 将来に繰り越せる税額控除に適用税率を乗じ、繰延税金資産を計算する
5) 評価性引当金の計上(50%以上の確率で回収可能でない場合)