先日久しぶりに、絵に描いたように『顔を真っ赤にして怒っている』人に遭遇しました。実は私も怒られている側の一人だったのですが、なんと不謹慎にも、その怒りまくる様子に釘付けになってしまい、怒られている内容がサッパリ頭に入ってきませんでした・・・(笑)アカンやろ。

こういうところが本当に私の反省すべきところなのですが、自分も起きている事象の渦中にいるはずなのに、一歩外側からその様子を俯瞰で見てしまうのです。例えば、コンサートとかに行っても、ステージ上の人に集中するのではなく、ステージに集中して盛り上がっている観客の方が気になってしまうのです。自分でも、この特徴は長所にも短所にもなり得ると、かなり昔から自覚しています。

 

さてそんなわけで、怒りまくる人の様子をじーっと見ていたわけです。怒っていたのは大変お綺麗な女性なのですが、はじめのうちは理路整然と落ち着いて怒っている印象でした。ところが怒り続けていくうちに、だんだん声のトーンが高くなり音量も大きくなり形相もますます怖くなっていきました。最後には、まさに鬼の形相で声を荒らげている状態になり、終いにゃ何か捨てゼリフを言ってプイッと去って行ってしまったのです。

 

『怒り』という感情は第二感情なので、何か別の感情がその前提にあります。その元となる感情は「不安」「寂しい」「悲しい」等様々です。彼女の元の感情が何だったのかはわかりませんが、その元の感情から「怒り」の感情が生まれ、その感情を言葉にして表現し続けているうちに、自分の中で怒りが怒りを呼びどんどん増幅していったのです。

私が大昔に働いてた会社でも、ほぼ毎日不機嫌なお局さんのような先輩の女性社員がいました。彼女は何かの原因で不機嫌になり、不機嫌な言動を繰り返すことでどんどん不機嫌になっていきました。結局その先輩は体を壊してしまいました。

 

物事には原因と結果があるので、原因となる何かしらの出来事や事象から私たちは様々な感情を抱きます。

最初は、嫌なことがあった→不機嫌になる→不機嫌な顔、発言、行動をする→さらに不機嫌になる→さらに不機嫌な顔、発言、行動をする→ますます不機嫌になる→ますます不機嫌な顔、発言、行動をする→もっともっと不機嫌になる・・・・エンドレス・・・

つまり「怒り」「不機嫌」という感情の状態は、原因となる何かの事象の結果なのですが、それ自体も原因になって新たな怒りや不機嫌を結果として生んでいくのです。

 

ということは「楽しい」「嬉しい」「ご機嫌」という状態も原因にも結果にもなり得るわけです。特に何か楽しいことや嬉しいことがあったわけでもないのに、楽しい表情、発言、行動をするとそれが原因となって、さらに楽しいという結果を生んでいくということです。

これが、私が言っている『気持ちより先に形から先に入っちゃえば?』ということの本当の意味なのです。楽しい気持ちになるための出来事が起きるのを待つよりも、形から入ってそれを原因にしちゃえばいいじゃん、ってことです。

 

 

 

何かのスキルを習得したい時、仕事で成果を上げたい時、まずは形から入ってその後で「動機は○○でした」とか「自分がこれをやる目的は○○です」という気持ちがわかることも多いです。そしてさらに高みを目指して新たな目標ができていく。

そもそも経営者が会社を創業した理由や目的なんて、後付けのことが多いですしそれで良いと思います。そこからさらに成長していく目的が見つかっていく。

 

 

 

 

どうしたって感じてしまう感情を否定する必要はありませんし、それをしてしまうとしんどくなります。その感情はしっかり認めた上で、自分の望ましい感情や状態を選択していける方が自分の望む結果を手に入れることができるでしょう。

 

 

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