先日『武勇伝武勇伝♪』という大変懐かしいコントを思い出す出来事がありました。このコントだけでなく『武勇伝』自体を、懐かしさを通り越して遥か彼方に忘れ去っていたのですが、思い出したのです。

それはこの令和の時代に自らの武勇伝を、しかも何度も同じ話をするという過去の遺物のような人に出会ったからなのです。

 

とある場所で出会った50代後半の男性。最近職場を変わったそうなのですが、聞いてみると新しい職場であまりうまくいっていないようなのです。だからなのかどうなのか、彼は以前の職場での武勇伝を延々と話すのです。内容は、何かを成し遂げて会社で成果を上げた。というのではなく「自分が正しいと思うことの為に、弱者の為に、反体制として会議で皆の前で社長や幹部連中に怒鳴って噛みついたった!」・・・という、まるで安田講堂にでもいるかのような内容なのです。これを延々と話す・・・想像しただけで地獄絵図です。

 

しかし問題は、この話の内容がどうこうということではありません。以前の会社を辞めたのも今の会社でうまくいかないのも、正義感が強くて曲がったことが許せない「自分不器用っす」という高倉健様気取りだからでも、上原投手のような雑草魂だからでもなく、単にこの男性が典型的なコミュニケーション下手だからなのではないか・・・と予想できるいうことなのです。ところが厄介なのは、最初の印象はそこそこ悪くないということ。声や喋り方は柔らかくて、表情も基本笑顔で穏やか。ですから、初めて会った人は(私も含め)たいてい好印象を持ちます。ところが、少し話していると『はは〜ん・・・職場でうまくいかないのも納得』と思ってしまいました。

 

それは・・・彼は、とにかく相手の話す気力を失わせる天才だったのです。

その理由は、彼の会話三段活用にありました。

 

1)人の話を最後まで聞かず、話している途中で話し出す。

   ↓そして

2)頼まれてもいないのにアドバイスをし始める。

   ↓結局

3)自分の武勇伝でマウントする。

 

という、矢印を自分に向ける、教科書通りの完璧なコミュニケーション遮断術をすっかり身に付けていたのです。

 

 

 

私は子供時代、他者とコミュニケーションが取れずに友達がいませんでした。ですから、どうしたらコミュニケーションが取れるようになるのか、そんなことばかり考えています。

当時は、こんな要素を持っている人がコミュニケーションが上手な人だと思っていたのです。私には無い3つの要素。

・社交的で人見知りしない

・明るくて元気

・おしゃべり上手

しかし約20年間今の仕事をしてきて、本当の意味でのコミュニケーションがわかってからは、この3つの要素はコミュニケーションを取るうえではマストな条件ではないことがわかりました。有っても無くてもどちらでもいい要素。件の男性はこの要素を3つとも兼ね備えていました。

 

他者とコミュニケーションを取りたくないなぁとか、相手の話す気力を失わせてやりたいと思ったら、ぜひこの方法を実践してみてください。

  ↓

相手の話を遮りアドバイスをしてからの武勇伝でマウント!

 

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菱田さつき オフィシャルホームページ

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