私たちは普段、自らの意思で言葉を選んで使っています。自分の本意や人柄とは関係なく、どんな言葉遣いをするかによって人は判断されてしまいます。しかし、どんな言葉を選ぶかは大人になれば自己責任です。
私たちの思考は、誰に制限されることもなく宇宙無限大に自由自在です。しかしそれを言葉にする時には、相手がどう感じるかを想像した方がいいですし、その発言がこの場にどんな影響を与えるかを気にした方が、コミュニケーションとしてはスムーズです。言葉そのものよりも使うタイミングと選択ですね。
さて、先日とある経営者の方とお話していて、人の名前の呼び方についての話題になりました。その方は30代前半の男性です。周りは歳上が多い環境だそうで、歳上の特に女性の名前をどう呼んだらいいのかわからない・・・とのことでした。
例えば職場の場合、マナーの教科書どおりでいけば、性別年齢関係なく全ての人を名字に「さん」付けです。しかし、それではやはりどうしても距離を感じてしまう。そうでしょうそうでしょう、そこがどんな場なのかによって変えれば良いと私は思います。
お客様や外部の方の前では、名字に「さん」付けや役職を付けて呼ぶべきですが、身内だけならば名前やニックネームで呼んで全然良いと思います。しかしそれは『相手との距離感を適切に測れる』という前提のもとにです。相手がどう感じるのか、また年齢、性格、階層、などによって変えられる方が良いですね。
彼は、仕事関係ではない知り合いの歳上女性をどう呼んだら良いのかわからないと悩んでいたので、名字(ラストネーム)ではなく名前(ファーストネーム)に「さん」付けで、とアドバイスしておきました。もちろん仕事関係の方や初対面の方には名字にさん付けなのですが、知り合いならば、彼の年齢やキャラクターならその呼び方が親しみがあって良いと思ったからです。
名前の呼び方によって、人と人との心の距離は近づいたり離れたりします。何年も付き合いがあるのにいつまでも名字に「さん」付けで呼ばれるのも他人行儀で堅苦しかったり、いきなり初対面で呼び捨てではビックリしてしまいます。
やはり忘れてはならないことは、相手に敬意をはらうことです。自分は親しみを表現したつもりでも、相手はバカにされたとか見下されたと感じてしまうかもしれません。
そんな観点から、私が使わないようにしている呼称があります。その一部をご紹介。
・『おばあちゃま』『おじいちゃま』
例えば、プロの司会者としても、結婚披露宴などで新郎新婦の御祖父様・御祖母様のことをこのようには呼びません。
・『うちの子』
経営者やそれに準ずる立場の方が、自分の会社の社員さんに対して、また何かの団体や組織で後輩や歳下の方に対して言います。
これは以前私も言っていた時代がありますが、現在はやめています。
・『妹分』『弟分』
会社以外の団体や組織で先輩や歳上の方が後輩や歳下の方に対して言います。
これはあくまでも私個人の意見と感じ方ですので、使っている方を否定もしません。
なんとなく私と近い感性の方がいらっしゃったなら、ニュアンス的におわかりいただけるかもしれませんし、誰にもおわかりいただけないかもしれません。
コミュニケーションスキルとしては、お相手とどんな距離を作りたいのかによって、名前の呼び方を変えられると良いと思います。また「自分はこう呼ばれたいです!」と言ってしまうのも自ら距離を縮める方法の一つだと思います。
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