マンション管理士試験を終えて | 合格への道のり("3つの道"編)

合格への道のり("3つの道"編)

これまで宅地建物取引士試験、行政書士試験、司法書士試験、海事代理士試験及びマンション管理士試験に一発合格しました。2022年からは受験生、実務家(士業)及び講師の3つの道を歩みますので、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m。

皆さん、こんにちは。

リーダーズ総合研究所・講師の板野です。

 

26日(日)は「マンション管理士試験」を受験してきました。

以下に当日の実況中継と自己採点の結果などをまとめましたが、試験会場となった立教大学池袋キャンパスの最寄駅である池袋駅に到着すると小雨が降っており、肌寒い状況での受験となりました。

 

無事に試験を終えて帰宅した後、インターネット上で提供されている受験指導校の解答速報で自己採点した結果、45点(/50点満点)でした(速報版では受験指導校において問2・問50で解答が割れており自己採点結果を46点とポストしましたが、どうやら決着したようです)。

 

昨年度は出題ミス?が2問もあって合格最低点が初の40点となりましたが、例年の合格ラインは30点台後半だし、受験指導校の講評(LEC)では今年度の本試験は昨年度より難化したとのことですので合格圏内には入っているだろうと思います。

 

ただ、マークミスなどによる減点など、何があるかわかりませんので、これまでと同様、来年1月5日(金)の合格発表を大人しく待つことにしたいと思います。

 

さて、12月4日(月)は海事代理士(口述)試験

今の私には1日たりとも休息できる時間的余裕はありませんので、明日からまた気持ちを切り替えて頑張ります!

 

  実況中継

今回も貴重な受験体験をすることができましたので、忘れない内に実況中継として当日の動きを時系列でまとめておきます。

(午前)

 9:00頃      :起床、準備

  ※前日は深夜2時頃に就寝(前日までの勉強進捗は別記事を参照)

10:00過ぎ     :自宅を出発

10:30~11:30 :電車内で勉強

(勉強内容)

・「区分所有法条文ローラー講座」テキストの付箋を貼った箇所を中心に高速で読み込みを行った

 

(午後)

12:00       :立教大学池袋キャンパス11号館に到着

12:00~12:30 :試験会場に着席して勉強

(勉強内容)

・「区分所有法・標準管理規約徹底比較講座」テキストの付箋を貼った箇所中心に高速で読み込みを行った

 

(立教大学池袋キャンパス11号館B1階AB01教室【試験会場到着時】)

 

(令和5年度マンション管理士試験問題)

 

12:30~13:00 :注意事項の説明、問題用紙・解答用紙の配布

13:00~15:00 :試験開始

​(受験雑感)

・久々に午後開始の試験だったため、試験当日の朝はいつもより遅めに起床した
・試験問題の前半は問題文が長くなる傾向にあるので得意科目の問46から解き始めた

・次に設備系、民法・不動産登記法、会計、区分所有法に関する問題の順で解いていき、最後に標準管理規約に関する問題を解いた。

・14時の段階で2問を残して解答できた(問20・問21で2択症候群に陥ってしまい、ことごとく不正解の方を選んでしまったのは非常に残念・・・)

・14時10分までには全問題を解答できたので、10分ほど休憩して残り時間は解答が不安な問題を解き直し、マークミスなどがないかも含めて入念にチェック

・トイレに行って気分転換しようと思ったが、5人掛けの席の真ん中(試験中は3人掛け)で退席するのを躊躇した(司法書士試験の時と同様のコンディション)

・模擬試験や答練を一度も受験しなかったので自身の立ち位置(順位)がわからず、とりあえず40点(昨年度の合格最低点)以上を目指して勉強した

 

15:00      :試験終了、試験官が解答用紙を回収

18:45頃     :自己採点

 

  自己採点の結果

総括(45点/50点満点【正答率90%】

帰宅後、2つの受験指導校の解答速報で答え合わせしたところ、問2・問50で解答が割れていたが、内1つの受験指導校の解答速報で自己採点したところ、46点(/50点満点)

 

その後、各受験指導校の解答速報が出そろい、問2の解答も訂正されて、45点/50点満点(11月26日21時時点)。なお、過去5年間の合格率等は以下の通りとなっております。

(過去5年間の合格点/合格率)

令和4年度  :40点/11.5%(ボツ問2問有)

令和3年度  :38点/ 9.9%

令和2年度  :36点/ 8.6%

令和元年度  :37点/ 8.2%

平成30年度 :38点/ 7.9%

 

ちなみに、いくつかの受験指導校の講評動画を拝聴すると、今年度の合格点は36点前後になるとのことでした。やはり昨年度よりは全体的に難化していますね。

 

また、LEC講評動画によると、

①民法、区分法は、昨年度に比べて細かな知識に関する問題も増えており難易度は大幅にUP、

②実務・設備系の内、設備系法令は難易度UP(特に、都市計画法、建築基準法)、建築・設備は過去問対策で全問正解すべき(平易な)問題、

③規約・適正化法の内、規約はコメントまで読み込みが必要、適正化法は個数問題が4問も出題されており、難易度はUP、とのことです。

 

法令(29点/32点満点【正答率91%】)

(内訳)※1問1点として計算

①民法(問12~問17)             : 5点/ 6点満点

・過去問未出題(テキストにも詳述はなし)の詐害行為取消権(問13)や事務管理(問16)に関する問題、あるいは大問レベルで即時取得(問12)や使用貸借(問15)に関する問題が出題されたが、これまでの資格試験で学習した知識で正解できた

・一方、問17(不法行為の消滅時効等の期間に関する問題)が不正解だったのは要反省すべき

②区分所有法等(問1~問11・問19)      :11点/12点満点

・受験指導校で解答の割れた問2(個数問題)が不正解だった(受験指導校でも解答が割れており、不正解なのはやむを得ないか)

・問5は最判平27.9.18に関する問題であるが、マンション判例百選(事件番号25)に掲載があって判旨を通読して争点や結論を理解していたので簡単に解けた

なお、マンション管理士試験において判例知識の出題は珍しいが、平成25年度マンション管理士試験問13(最判平22.1.26を題材)で類似問題が出題されており、最新の判例は要チェック!

③標準管理規約(問25~問33)         : 8点/ 9点満点

・問32(管理規約の改正を要するものを解答する単純正誤問題)が不正解だったが、その主要因は標準管理規約の単なる読込み不足

④適正化法(問46~問50)           : 5点/ 5点満点

・5問中4問が個数問題であったが、得意科目の1つなので全問正解(解答に当たって全く迷いはなかったし、個数問題が多く出題されたのも想定の範囲内)

 

管理実務・会計(3点/3点満点【正答率100%】)

(内訳)※1問1点として計算

①不動産登記法(問18)        : 1点/ 1点満点

・滞納管理費をテーマとした民法、区分所有法、民事執行法及び不動産登記法に関する複合問題であり、司法書士試験を受験した時に学習した知識で正解

②会計(問34・問35)        : 2点/ 2点満点

・3級日商簿記検定試験(2016年取得済)の知識が大いに役立った。

・問34は仕訳に関する問題であるが、肢2の正誤判断で少し迷った(肢3が明らかな間違いだったので結果的には正解できたが、学習の詰めを欠いた・・・)

 

設備系(13点/15点満点【正答率87%】)

(内訳)※1問1点として計算

①建築・設備系法令(問20~問23)  : 2点/ 4点満点

・都市計画法、建築基準法に関する問題(各1問)で不正解

・問20(都市計画法について地区計画・地区整備計画に関する問題)は過去問未出問題でテキストにも詳述のない知識であり不正解はやむを得ないが、問21(建築基準法について建築確認等に関する問題)はテキストにも詳述されており正解するべき問題

②維持・管理(問24・問36~問39) : 5点/ 5点満点

③建築・設備(問40~問45)     : 6点/ 6点満点

・過去問からの出題も多く、比較的平易な問題が多かった(解答に当たって全く迷いはなかったし、LEC講評でも間違えても仕方ない問題は1~2問とのことだった)

 

  勉強内容

学習計画

 

昨年度は試験直前に司法書士士事務所での勤務が決まってマンション管理士試験の受験を回避した経験があるので一度は学習したものの、それから約1年経って大半の知識を忘れており、また一からの学習となりました。

 

そこで、LECの「合格講座」等を受講して学習対象を絞り込みましたが、法令や手続の流れなどを理解するために画像の実務書を適宜活用しました。

 

①前半(10月20日~31日)

9月末の海事代理士(筆記)試験直後から伯母の事業の関係やAFP提案書の作成などのため、ほとんど(マンション管理士試験の)勉強時間を確保することができず、LEC「合格講座」を受講できたのは10月20日になってからです。約10日間で全講座(28回)を受講する羽目になりました。

 

なお、30日は海事代理士(筆記)試験の合否結果を確認するために関東運輸局(横浜市)まで行ってきました。

 

②後半(11月1日~19日)

メイン科目の内、区分所有法、標準管理規約及び民法に重点を置いて学習し、毎夜少しずつ建築・設備のテキストを読みました。

 

伯母の事業に加え、12日の行政書士試験に向けて講師としての仕事などを熟しつつの勉強とならざるを得なかったで何度も中断も余儀なくされましたが、この時期に伯母の事業の承継問題を決着させたことが好材料となってラスト1週間は勉強だけに集中して取り組むことができました。

 

②直前1週間(11月20日~26日)

19日(日)までに講師としての仕事も一先ず片付いたので残り1週間は文字通りラストスパート。

 

前述の通り伯母の事業の方は妹が引き継ぐことで社内でも承認されたし、妻のサポートもあって勉強に専念できました。毎日朝8時くらいから深夜1〜2くらいまで適宜食事や入浴などの休憩を挟みながら1日の大半を勉強に充てました。

 

具体の学習法としては、"皿回し暗記術"を実践すべく、この期間で捨て科目を除く全科目を5回転以上できたので記憶を定着することができ、試験問題を約1時間で全問解くことができたのは大きな成果に繋がったと思います。

 

なお、過去に出題のあった一部科目(宅建業法、品確法及び標準管理委託契約書)は捨てる決意をしたものの、いずれの出題もなかったので結果的には良い判断だったと思います。

 

(総括)

11月に入ってからも仕事やプライベートでは何かと慌ただしかったので何度か勉強を中断せざるを得ませんでしたが、専業受験生であれば格別、私は現在、講師と事業家(の卵)を兼務しているので、その対応をするのは社会人として当然だし、こうしたハードルは社会人受験生であれば、誰しも抱えていることだろうと思います。

 

何よりも私は"この試験"を仕留めるために全力を傾けているのであってリベンジ受験など一切考えておりません。それが受験者としての覚悟だし、試験終了まで全力で取り組むことがサポートしてくれた家族への恩返しだと思っています。

 

世の中には良くまとまった(受験指導校の)教材やわかりやすく説明してくれる講師は多数いらっしゃいますが、合否を決するのは受験生自身の覚悟があるか否か。覚悟を持って勉強しなければ、それらは武器になり得ません。

 

受験には多くの犠牲を伴うので無理をせず合格したいと思うのが当然の心情だと思いますが、合格率が10%を下回るような難関試験ではある程度の犠牲を厭わず覚悟を持って勉強に取り組む姿勢。合格にはこうした受験態度が求められるし、それが"オトナの勉強"だろうと今では確信するようになりました。

 

最後になりましたが、最後まで応援してくれた家族や職場の皆さん、試験当日まで応援コメントやメッセージ、いいね!を下さった(Xも含めた)SNSのフォロワーさんにはありがとうございました。

 

この場をお借りして感謝申し上げます。