皆さん、こんにちは。
リーダーズ総合研究所・講師の板野です。
海事代理士試験まで残り10日を切りました。
昨年度実績として、出願者数(受験者数)や合格者数、合格率などを確認すると非常に合格率の高い試験であることがわかります。
しかも、筆記試験の合格基準は、行政書士試験と同様、原則として20法令の総得点240点の60%以上の得点をあげた者となっていますが、年々受験生のレベルが高くなっているのか、昨年度は60.79%でした。
海事代理士試験は超直前期に突入して残り10日を切りましたが、過去問を解くと、特に記憶力が要求される試験であることがわかります。例えば、
何人も、( )に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。
という憲法の条文問題について、( )内に入る語句の候補としては海外や国外なども考えられるところ、正解は「外国」です。本試験の現場では六法を参照できないので、正確にしかも迅速に解答欄に記載する必要があります。
あるいは、以下の正誤判断をする問題において、下線部は「行政権」として誤っていることを見抜けないといけません。
内閣は、立法権の行使について、国会に対し連帯して責任を負う。
このように、海事代理士試験は記憶の精度を高めておく必要がありますので、残された時間は記憶を重視した勉強に取り組むこととします。
なお、この考えは他の資格試験でも同じことが言えますので、受験生の皆さんは今一度、記憶の重要性について認識していただくとともに、しっかり記憶学習に取り組んでいただきたいと思います(「記憶の重要性」については、過去に対談シリーズでも取り上げた重要テーマですので、以下の動画を参照して下さい)。
第3フェーズの学習戦略
(1)学習対象の絞り込み
第2フェーズはプライベートでトラブルが続いて計画通りに勉強を進めることができず5日もオーバーしてしまいましたが、このままダラダラと続けていくと超直前期の勉強としては不適当なので、16日(土)で打ち切って、第3フェーズへ移行します。
そして、第3フェーズでは上述の通り記憶にウェートを置いた勉強としますが、そのためには学習対象を絞り込む必要があります。そこで、令和5年度の出題予想を兼ねている「筆記試験対策演習講義(伊藤塾)」で取り上げた問題に絞って条文を記憶することにしました。しかも、皿回し暗記術を実践するため、4日で1周する計画としています。
なお、主要4科目については、「筆記試験・口述試験対策インプット講義(伊藤塾)」も併せて受講します。
(2)第3フェーズの学習計画
9月17日(日)
(午前)
☑憲法【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
・平成28年度以降の過去問を解く
⇒ 10問中2~3問程度、下記のような判例に関する正誤判断問題が出題される。
「森林法の立法目的は森林の細分化を防止することによって森林経営の安定化を図り、もって国民経済の発展に資することであり、共有林の分割請求制限は合理性と必要性のいずれをも肯定することはできず、違憲である。(最判昭62.4.22、森林法違憲判決)」
⇒ あるいは、過去に一度(平成30年度)、条文解釈問題も出題されている(「憲法第8版(芦部信善著)」P.260)
「憲法第29条第3項にいう「公共のために用ひる」というのは、私有財産権を個人の私の利益のためにとりあげないという保障であるから、特定の個人が私有財産収用の受益者となる場合、そのような私有財産収用には公共性があるとはいえない。」
(午後)
☑船舶職員及び小型船舶操縦者法【済】
・筆記試験・口述試験対策インプット講義を受講(約3時間)
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
・海事法規の解説(神戸大学海事科学研究科海事法規研究会編著)を通読
・13日のオンライン質問会(伊藤塾)において、海技試験の受験資格の1つである乗船履歴について理解に役立つサイトの案内を受けたので、学習計画に組込
(夜)
☑商法(第3編「海商」のみ対象)【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
☑国土交通省設置法【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
(隙間時間)
☑民法【済】
・条文集(総則)の読み込み
9月18日(月)
(午前)
☑国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律(国際港湾施設に係る部分を除く)【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
・記憶が曖昧な条文
(船舶保安統括者)
第7条 国際航海日本船舶の所有者は、当該国際航海日本船舶に係る保安の確保に関する業務を統括管理させるため、当該国際航海日本船舶の乗組員以外の者であって、船舶の保安の確保に関する知識及び能力について国土交通省令で定める要件を備えるもののうちから、国土交通省令で定めるところにより、船舶保安統括者を選任しなければならない。
2~5(略)
⇒ 法律名から連想する!
(船舶保安記録簿)
第10条 国際航海日本船舶の所有者は、国土交通省令で定めるところにより、船舶保安記録簿を当該国際航海日本船舶内に備え付けなければならない。
⇒ 船舶保安管理簿と間違いないように!
(臨時船舶保安証書)
第17条 国際航海日本船舶の所有者は、当該国際航海日本船舶について所有者の変更があったことその他の国土交通省令で定める事由により有効な船舶保安証書の交付を受けていない当該国際航海日本船舶を臨時に国際航海に従事させようとするときは、当該国際航海日本船舶に係る船舶警報通報装置等の設置、船舶指標対応措置の実施、船舶保安統括者の選任、船舶保安管理者の選任、操練の実施、船舶保安記録簿の備付け並びに第11条第4項の承認を受けるべき船舶保安規程の写しの備置き及びその適確な実施について国土交通大臣の行う臨時航行検査を受けなければならない。
⇒ 臨時運行検査、臨時航海検査などと間違いように!
☑領海等における外国船舶の航行に関する法律【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
・記憶が曖昧な条文
目的条文(1条)は別途、下記の「目的条文比較」で他の法令と比較しながら記憶
(定義)
第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
三 外国船舶 船舶法(明治32年法律第46号)第1条に規定する日本船舶以外の船舶(軍艦及び各国政府が所有し又は運航する船舶であって非商業的目的のみに使用されるものを除く。)をいう。
⇒ 営利目的と間違えないように!
☑船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
・記憶が曖昧な条文
(定義)
第2条(略)
2~5(略)
6 この法律において「有害物質一覧表」とは、船舶に使用されている材料又は設置されている設備に含まれる有害物質(略)の種類及び量が国土交通省令で定めるところにより記載された図書をいう。
(午後)
☑船舶安全法【済】
・筆記試験・口述試験対策インプット講義を受講(約2時間)
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
・「船舶安全法の解説-法と船舶検査の制度-(有馬光孝編著)」を通読
(夜)
☑19時20分からZOOM ミーティング(山田斉明先生)
☑海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
⇨ 対談シリーズ第10弾(会社法(株式)出題予想)資料を作成
(隙間時間)
☑民法
・条文集(物権)の読み込み
9月19日(火)
(午前・午後)
☑内航海運業法
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
☑海上運送法
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
☑港湾運送事業法
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
☑船舶法
・筆記試験・口述試験対策インプット講義を受講(約2時間)
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
(夜)
☑船員職業安定法
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
(隙間時間)
☑民法
・条文集(債権)の読み込み
⇨ 対談シリーズ第10弾(会社法(株式)出題予想)資料を作成及び9弾(会社法(株式会社の設立)出題予想)資料を修正
9月20日(水)
(午前)
☑港則法【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
☑海上交通安全法【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
☑造船法【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
☑船舶のトン数の測度に関する法律【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
(午後)
☑内航海運業法【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)※+記憶
☑海上運送法【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)※+記憶
・記憶が曖昧な条文
(船舶運航計画の届出)
第6条 一般旅客定期航路事業の許可を受けた者は、船舶運航計画(指定区間に係るものを除く。)を定め、国土交通省令の定める手続により、運航を開始する日までに、国土交通大臣に届け出なければならない。
☑港湾運送事業法【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)※+記憶
※内航海運業法、海上運送法及び港湾運送事業法は時間を置いて2回繰り返した
☑商法(第3編「海商」のみ対象)【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
(入浴中)
☑目的条文の暗記【済】
・航行の安全 ⇒ 船舶職員及び小型船舶操縦者法
・輸送の安全 ⇒ 海上運送法、内航海運業法
・船舶交通の安全 ⇒ 港則法、海上安全法
cf.海上運送法
(許可基準)
第4条 国土交通大臣は、一般旅客定期航路事業の許可をしようとするときは、次の基準に適合するかどうかを審査して、これをしなければならない。
五 当該事業の開始によつて船舶交通の安全に支障を生ずるおそれのないものであること。
(夜)
☑海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
⇒ 知識の忘却が激しいので、次回学習時は要復習!
☑船舶法【済】
・筆記試験・口述試験対策インプット講義を受講(約2時間)
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
(就寝前)
☑民法(総則・物権)【済】
・伊藤塾条文集の読み込み
☑商法(第3編「海商」のみ対象)【済】
・「新しい商法がわかる本・全条文付(加藤晋介監修・コンデックス情報研究所編著)」を読んで、船荷証券と海上運送状の違いを理解
第4フェーズの学習戦略
(1)第4フェーズの学習戦略
第3フェーズは船員法と船員職業安定法の2海事法令の学習が終わらなかった。
第4フェーズは第3フェーズでの学習内容を踏まえ、17ある海事法令(専門的問題)を2日で学習する計画とする(一般法律常識は就寝前にザっと条文を眺める程度にとどめる)。短時間で学習することによって記憶を定着させていくのが目的。
(2)第4フェーズの学習計画
9月21日(木)
(午前)
①「海運」に関する以下の4法令について、筆記試験対策演習講義を受講(各約0.5時間)を受講した後、間違えた問題を中心に記憶
☑内航海運業法【済】
☑海上運送法【済】
・記憶が曖昧な条文
(定義)
第2条
3 この法律において「定期航路事業」とは、一定の航路に船舶を就航させて一定の日程表に従つて運送する旨を公示して行う船舶運航事業をいい、これを旅客定期航路事業と貨物定期航路事業とに分ける。
⇒ 公表ではなく「公示」
☑港湾運送事業法【済】
☑商法(第3編「海商」のみ対象)【済】
②「海上運送」に関する以下の2法令について、筆記試験対策演習講義を受講(各約0.5時間)を受講した後、間違えた問題を中心に記憶
☑港則法【済】
・記憶が曖昧な条文
(定義)
第3条
2 この法律において「特定港」とは、喫水の深い船舶が出入できる港又は外国船舶が常時出入する港であつて、政令で定めるものをいう。
(びよう地)
第5条
5 特定港のけい留施設の管理者は、当該けい留施設を船舶のけい留の用に供するときは、国土交通省令の定めるところにより、その旨をあらかじめ港長に届け出なければならない。
⇒ 「あらかじめ」を抜かさないように!
(選択肢に「あらかじめ港長の許可」「港長の許可」とあれば、前者を選択する)
☑海上交通安全法【済】
・記憶が曖昧な条文
(定義)
第2条
2 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
三 漁ろう船等 次に掲げる船舶をいう。
ロ 工事又は作業を行つているため接近してくる他の船舶の進路を避けることが容易でない国土交通省令で定める船舶で国土交通省令で定めるところにより灯火又は標識を表示しているもの
(午後)
☑国土交通省設置法【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
☑船舶のトン数の測度に関する法律【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
☑造船法【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
(入浴中)
☑目的条文の暗記【済】
・船舶のトン数の測度に関する法律及び造船法の目的条文を暗記
(夜)
☑船舶安全法【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
・記憶が曖昧な条文
第6条 本法施行地ニ於テ製造スル長サ30メートル以上ノ船舶ノ製造者ハ第2条第1項ノ規定ノ適用アル船舶ニ付同条第1項第1号、第2号及第4号ニ掲グル事項、第3条ノ船舶ニ付満載吃水線ニ関シ船舶ノ製造ニ著手シタル時ヨリ国土交通省令ノ定ムル所ニ依リ検査(製造検査)ヲ受クベシ但シ国土交通大臣ニ於テ已ムコトヲ得ズ又ハ必要ナシト認ムルトキハ此ノ限ニ在ラズ
2~4(略)
☑船舶法【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
・記憶が曖昧な条文
◎船舶法施行細則(明治32年逓信省令第24号)
第12条ノ2 管海官庁ハ総トン数ノ測度ヲ行ヒタル場合ニ在リテハ船舶件名書及総トン数計算書ノ謄本ヲ申請者ニ交付スベシ
☑国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律(国際港湾施設に係る部分を除く)【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
9月22日(金)
(午前)
①「保安その他」に関する以下の2法令について、筆記試験対策演習講義を受講(各約0.5時間)を受講した後、間違えた問題を中心に記憶
☑領海等における外国船舶の航行に関する法律【済】
☑国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律(国際港湾施設に係る部分を除く)【済】
(午後)
②「海洋汚染」に関する以下の2法令について、筆記試験対策演習講義を受講(各約0.5時間)を受講した後、間違えた問題を中心に記憶
☑船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律【済】
☑海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律【済】
・記憶が曖昧な条文
(法第8条の2第1項の国土交通省令で定める総トン数)
第11条の4 法第8条の2第1項(船舶間貨物油積替え)の国土交通省令で定める総トン数は、150トンとする。
☑船員職業安定法【済】
・記憶が曖昧な条文
(定義)
第6条
7 この法律で「船員の募集」とは、船員を雇用しようとする者が自ら又は他人をして船員となろうとする者に対し、その被用者となることを勧誘することをいう。
⇒ 前回の学習(16日(土)から期間を開け過ぎたため、知識の忘却が著しい!(要反省)
(入浴中)
☑目的条文の暗記【済】
・全目的条文をチェック
(夜)
☑船員法【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶
・記憶が曖昧な条文
(航行に関する報告)
第19条 船長は、左の各号の一に該当する場合には、国土交通省令の定めるところにより、国土交通大臣にその旨を報告しなければならない。
一 船舶の衝突、乗揚、沈没、滅失、火災、機関の損傷その他の海難が発生したとき。
二 人命又は船舶の救助に従事したとき。
三 無線電信によつて知つたときを除いて、航行中他の船舶の遭難を知つたとき。
四 船内にある者が死亡し、又は行方不明となつたとき。
五 予定の航路を変更したとき。
六 船舶が抑留され、又は捕獲されたときその他船舶に関し著しい事故があつたとき。
(就業規則の作成及び届出)
第97条 常時10人以上の船員を使用する船舶所有者は、国土交通省令の定めるところにより、次の事項について就業規則を作成し、これを国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更したときも同様とする。
一 給料その他の報酬
二 労働時間
三 休日及び休暇
四 定員
☑19:00対談シリーズ第10弾(会社法出題予想【株式会社設立編】)収録
☑船舶職員及び小型船舶操縦者法【済】
・筆記試験対策演習講義を受講(約0.5時間)+記憶