BRING ON HP転載②/管理職の在り方 | かんがえる蛙

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ある程度、社内調整で業務の互換が可能な“できあがった組織”ではなく、限られた人員、限られた人財で事業を行っている社員数100名未満の組織をイメージして記します。


管理職っていったい何をしたらいいんですか?とは、驚くほどよく質問される内容です。主任職や係長職ならまだしも、課長や部長でも珍しくありません。ほとんどの場合はハウスルールに則って、“いつの間にかそうなっていた”方もいらっしゃいますし、直属の上長のOJTから影響を受けて、そのまま遂行されている方もいます。中には、役職者になるにあたり、かなり本を読まれていたり、会社に直訴して研修や資格を取りに行っている方もいます。


多種多様、さまざまな形がありますが、いわゆる中小で一番問題なのは、研鑚し続ける機会づくりがいつのまにか薄まっていくことではないでしょうか。つまり、一旦昇格するとよほどでなければ降格することがない、ましてや下から抜かれてしまうことなど皆無であるということです。


あまりに過激にそういうことをすると、波風が立ってしまうというのは、多くの経営者の方が考えるところですし、自然な流れでしょう。しかしながら、何も起こっていない時こそ、何かを疑わなくてはならないのも事実です。世代交代は必ず訪れますし、どこから次の体制づくりと併せたソフトランディングを実行するか、決断の必要なことだと思います。


「管理職とはいったい何をしたらいいのか」という質問に対しては、3つのことをお話します。


まずひとつめは、会社の推進する施策はすべて達するべき目標への手段です。その手段を自ら実行し、成果を見せられることが求められます。この“求められる”は上司に係るのではなく、管轄する組織と部下に係ります。



「上司は部下を見抜くのに3年かかり、部下は上司を3日で見抜く」という言葉があります。つまり、関係上本音をなかなか漏らさないのが下の特性。しかし、実際のところ言葉に出さずとも上司が仕事ができるかできないか?また、人格的に信用おけるかどうか?は、ある一定の形があると考えてよいと思います。



理屈も大事ですが、人は感情で動きます。同じことをお願いされても、素直に聴ける人とそうでない人がいるでしょう。会社組織の中では、仕事をしていくことは個人の利害にも関係するので、反抗してまったく機能しない人は稀だと思いますが、「もう一歩頑張れないかなあ・・」と感じる人は、このあたりに問題があると思って間違いないでしょう。口先だけでなく、自らの行動で示す、事務所や車内の掃除、元気な挨拶、役職者としてメインではない仕事も、“見せる”ことで変化が起きてきます。


ふたつめ。ひとりで仕事を抱えてしまわず、チーム内で分担することです。機能するチームを観察していると、必ず頭となる人の下に適正人数の「サブ」が控えていて、割り振りした役割を遂行しています。わかりやすく考えると、大きな塊を組織課題とすると、それを頭の人が、「自分でしかできない部分」をまずと引き取り、「自分でなくてもよいもの」「自分以外のほうがよいもの」をサブに「勇気をもって」分割するということです。もちろん、割り振った後の進捗は把握しておく必要があります。できればそれは報告書といったビジネスライクなものだけでなく、適宜情報を交換できる機会づくりをしておくことが頭となる人の最大の役割ではないかと考えます。報連相とはビジネススキルでもなんでもなく、習慣だと私は思っています。習慣化するのは下からよりも上から働きかけるというのは至極当然であると思うのですがいかがでしょうか。


最後のひとつは、常に目的・目標を見失わず、進捗、特に現在地を把握しているということだと思います。とかく、前年比や前月比などが指標になりますが、立てた目標を日割りにした場合、現状の数字で大丈夫なのか?また、人員に関しては、定着、育成プロセスを考えた時に、実際に戦力として活躍してもらえることを計画して採用をしなければなりません。現状足りているからという考えで捉えると、急な退職や病欠、可能性としてはゼロではないので備えておかなくてはなりません。とは言え、余剰人員を抱えられないのは現実問題。それゆえに育成状況の現在地も把握が必要なのです。



今日終了した時に、管理数値と管理人員の現在地が分からない状態で違和感を感じなければいけないと言えるでしょう。


この3点より組織を「マーケティング」し、目的と期限を決めて行動していくことがマネジメント。把握してないことを過去の事例や成功例だけでトップダウンしていると、静かに疲弊して、問題が顕在化した時には致命的な状態になっていることでしょう。


人間の体調でも「未病」という言葉が使われています。管理職は組織の未病状態をいかにして察知し、適切な対応をするかが仕事の大半ではないかと思います。