しばらく考えて思い出しました!すごく雰囲気があり、地鶏がうまいという風のうわさがあるあのお店だ!春先に行こうと思ってもう秋です。次回南予はいつ来るか未定なので菅田近辺で197号へ向かいます。おぼろげながら前に調べた道を進みます。雨がしとしと降ってきました。
普通、この辺を走ればなんだかものさびしいところだなあと感じると思うのですが、これまた23歳ころを思い出さずにいられません。こんな人口密度の低いところを重たい鞄を持って営業していたっけ・・そうそうこの山の集落は”天狗谷”と呼ばれていたなあ・・家から家まで高低差何メートルもあるところをひいひい言いながらまわったっけ。
いかん!思い出に浸るにはまだまだ若すぎるのです。などと思いながら、大洲から肱川へ渡る橋を通過。川沿いをどんどん鬼北へ向かっていくと、ちょっと不安に。一本道なので間違うことはないと思うのですが、もしかしたら看板を見落としたか!
とか考えていると発見!

小さな看板出ていますが、完全に民家です。昼時なので流行っているかなと思ったら駐車場には一台もありません。閉まってるのか?恐る恐る戸を開けると、「いらっしゃいませ」と囲炉裏に炭をくべているおかみさんが迎えてくれました。ホッ。開いてた。広い座敷に一人座るのも気が引けるので、いままさに火をくべている椅子席に座りました。いい感じで炭がパチパチいっています。「随分寒くなりましたね」と話しかけると「この辺も寒いですね。もうちょっとしたら雪も降るでしょうけど最近の雪は重くてねえ・・」重いと?「重いと気の枝が折れるんですよね」なるほど。窓の外を見ると肱川が向こうに臨めて裏には手入れされた控えめな庭があるのです。帰り際にきたおばちゃん一個連隊の言葉を借りると「京都みたいやな。がはははは」・・・です。
親子丼と地鶏焼きを塩でオーダーしました。せっかくなので座敷の方もうろうろしてみます。うわー、確かによい景色。木の香りも素晴らしく、正真正銘の隠れ家と言ってもいいでしょう。墨で書かれた絵や書が人と自然を融合しているかのつくりです。
「できましたよー」
と、おかみさんに呼ばれて席へ戻ると、新鮮な地鶏が皿に10切れほどのせられています。、これを炭火で焼くのです。皮から落ちる脂がしたたって火柱がたまに上がるのです。それが創り出す香りのシズル効果と言ったらありません。はよ焼けてくれ―と心の叫び。親子丼はなんともぜいたくに卵がかけられた一品。小さめに刻まれた鶏肉と、しゃきっと感の残った甘い玉ねぎ。優しい味です。そうこうしていると、地鶏焼き第一陣が焼けました。ん?つけ塩がないな。忘れているのかな。まあいいや、通ぶってそのまま食べてみよう。と口に入れると、なんと、絶妙な味が鶏自体に施されていたのでした。これは美味い!大分に住んでいたのでうまい地鶏は数々食してきましたが、別次元です。地鶏なのに独特の硬さがない。かと言って若鳥のやわやわでもない。その中庸。そしてこのシンプルにごちゃごちゃしたものをそぎ落とした味。黙々と食べすすめてしまいました。早食いの私も、焼けるまでまたなくてはいけないので、一種スローフードです。健康的です。
締めに親子丼についていたおおぶりの梅干しをほおばるころにはお客さんが続々と入店。駐車場はほぼいっぱいに。さすがだ・・。帰り際、レジで思わずおかみに「ものすごいおいしかったです。」と話すと、ありがとうございます。初めてですか?またお越しくださいね。と言ってもらった。
大洲肱川「ふかせ」

雨も本格化していた空。独特の雨の匂いが大好きなのは自分が梅雨シーズン生まれだから?このお店はあまり教えたくないですが機会があればぜひいちど行ってみてください。おいしいものは都会だけにあるのではないとはっきりとわかるお店です。
あ、仕事しないと・・。