この時期になると、必ずいくつかある採用に関しての問い合わせ。何らかのナビに掲載し、なんらかの説明会イベントに参加し、なんらかの自社選考を行うものの、結果がどうも芳しくない・・。そんな感じです。先週末にメールいただいた某さんも、日曜日にお電話いただいた某社長も同じようなご質問。
はっきり言いましょう。媒体の既定路線で採用に取り組んでももう思うような結果は出せません。自社ならではのしくみをつくらなければ採用は成功しません。小手先で採れないのです。このご時世だから就職したい学生は有り余っているのではないのか!?というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、単純にそうとは言いきれません。確かに数的論理ではそうでしょう。しかし、働く側にも様々な思惑があると考えていかなくてはなりません。
例えば東北での震災後、多くの人が職を失い大変な思いをされています。県外からも住宅付きの求人がたくさん寄せられているのですが、応募数は予想を下回っています。生きるためにはなんでもいいから働けばいいじゃないか!というのは当事者でないからそう思うのであって、地元に根差した気持ちを重視している人たちには、そう簡単に割り切れない心情の問題です。
新卒も同じ。いくら就職難だからと行ってなんでもいいわけではない。かといって選り好みしているわけでもない。互いにフィットできる要素を探しているわけです。少し前と違って長く働きたいのです。私たちのような地方ではその傾向は顕著と言えます。働く地域を優先する人もいれば、仕事内容を考えの真ん中に置く人もいるでしょう。そこで企業側が留意しなければいけないことは「その会社に出会うことでその会社に入って仕事したくなったかどうか」ではないでしょうか?
会うべき学生に会いたいのであればそれなりに苦労しないと会えないでしょう。欲しい情報がどこからでも取れる分、自社訴求ポイントをアピールするのは至難の業なのです。だからオートマチックに媒体に乗っかればよい、合説に行けばよいという発想をやめなくてはいけません。それはまるで飛行機から見下ろす集落の中の一軒のごとしです。パブリシティはあくまで手段の一つ。学生は、多額の費用をかけて就活塾に通う人もいれば、4回生の夏場が来ても全然活動していないと言う人もいるのです。一律に策を打っても欲しい人には永遠に当たらないでしょう。
面倒くさいとは思うのですが、しなやかに変化していく体制をもった組織が、強い組織になっていくのだと思います。思考を人に預けるのはよくないです。また、人は辞めればまた採ればいいというものでもありません。いまどきの若い奴がダメなのではなく、現世代に成果を上げる働かせ方ができてない自社を反省すべきです。
断片的な発想で採用するのではなく、組織の展望をマクロで見据えた総合的な発想をしないと、もはや人は採れないし育たないのです。頑張って報われるフィールドのないところ、もしくはそうなる可能性に向かってまい進していないところで働きたい人はいないと思います。まずは、自社にとって欲しいターゲット、その理由も明確にしたあとで、ではそのターゲットはどこにいるのかのマーケティングを行いましょう。そして見出したポイントに、何を投下してこちらを発見してもらうか。初期手順はそういったことです。意識して取り組めば、課題は段階ごとに浮き彫りになってきます。
並行して自社改革に着手する事です。いつかしなくてはいけないと思っているところがほとんどだと思いますが、先延ばし先延ばしで今に至っているところは、おそらく今後も変わることはないでしょう。中小にとって、そしておそらく国内にとって、人材難は刻々と進んでいるのです。本当に採れなくなった時(既にそうなっているところもある)をイメージすれば、それを回避するために今なすべきことは具体的に見えてくると思います。