ヒスコレの塗膜の硬さ。 | ブリルベイトのブログ

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Brillbate(ブリルベイト)の作業風景などなどこちらでご紹介しております。作業中の画像などもできるだけアップしていきますので是非ご覧ください。

塗膜の硬さは出音に大きくかかわっている、、、のは皆さんご存知のとおり、、

ま、なんとなくでもやわらかい塗装だと音が吸われるようなイメージはできますよね?



お客様からギターの鳴り方について改善策を求められる際に
いくつかの方法を提示することがあるのですが、、
特に近年物のレスポールの場合、、、リフィニッシュを強く強くオススメしています。
もちろんパーツの交換やセッティングも重要ですが、、
これをやらなければ、どうにもならないと思われるほど重要なのがリフィニッシュです。

なぜ?と思われるかもしれませんが、、答えは簡単! 
現代のラッカーはとにかく柔らかすぎ!なんです

とにかくやわらかい!!そして、、いつまで待っても硬くならないのです。

もちろんニトロセルロースラッカーという塗料はシンナーが完全に揮発すれば
硬く硬く固まり、木材の鳴りを邪魔しない優れた塗料のはず、、なんですが
近年の塗料はある程度の柔軟性を持たせることで
光沢を保たせ、ひび割れなどのトラブルを回避するために
成分調整をしてあるわけです。。
いつまでも光沢を保ってクラックが入らない塗料としては性能の高い塗料は、、
ギターにとって鳴りを止めてしまう最悪の塗料なんです。

昔のラッカーで塗装されたギターは20年も経過すると
ウェザーチェックが入り塗装はヒビだらけになっていたでしょ?
ところが、、今から20年前、、90年ごろに作られたギターのラッカーが
ウェザーチェックがバリバリに入っていますか??
はいってないでしょ?ww
つまりそういうことです。塗膜がいつまでたっても
柔軟でヒビが入らないようになっているんです。

以下の画像は、ヒスコレの塗装を剥離している作業工程です。
シンナーも剥離剤もまったく使用していません。
スクレーパーだけでこんなに簡単に塗装がめくれてしまいます。
まるでゴムやビニールのシートを剥がすようにめくれてしまうのです。
ヒスコレ リフィニッシュ ラッカー 剥離作業1 20120711
ヒスコレ リフィニッシュ ラッカー 剥離作業2 20120711
ヒスコレ リフィニッシュ ラッカー 剥離作業3 20120711
ヒスコレ リフィニッシュ ラッカー 剥離作業4 20120711
ヒスコレ リフィニッシュ ラッカー 剥離作業5 20120711


かなり衝撃的な画像でしょ?
こんなにヒスコレの塗装って柔らかいんですよ。
ま、柔らかいおかげで美しい艶と傷が付きにくい表面を保てるので
綺麗なギターを作るにはいい塗料かもしれません。
でも、音には悪影響しかないんですよ。

もちろん、ブリルベイトでは、
添加剤がほとんど入っていないニトロセルロースラッカーを特別に準備して
リフィニッシュしています。
うちのギターだけでなく、、お客様からお持込いただいたギターにも
このスペシャルなラッカーを使用させていただきます。

効果としては、、音の輪郭がすっきりして
モコモコともやがかかったような状態を改善させることができます。
塗装したてはさすがにシンナーも残っていますし
充分な硬さは出ていませんが、、すぐに硬くなり音への効果は実感できます。
ま、あの柔らかい塗装からうちのラッカーに変えるだけで効果は絶大ですけどね!
とにかく数ヶ月もすれば音の輪郭がはっきりします!!

傷が入りやすかったり、、割れやすかったりするけど、、、

ギターの鳴りを邪魔しない塗料のほうがいいでしょ?
とにかく、ヒスコレは、、、リフィニッシュすることで生まれ変わりますよ。お勧めです!


もちろん、、我々が使用しているニトロセルロースラッカーは一般に販売されていませんので、、
DIYでリフィニッシュしようなんていう無茶はしないようにしてくださいね!