新聞配達のおじさんに教えてもらった道を、
ゆっくり歩いていく。
坂道を曲がり、木々の間を抜けるたびに、
島の空気が少しずつ深くなっていくようだった。
雨上がりの匂い。
濡れた土の匂い。
鳥の声。
葉っぱのささやき。
どこを見ても生命がみずみずしくて、
なんだか胸いっぱいになる。
思わず両手を広げて、「気持ちいいーー!」
と叫びたくなるような朝だった。
道端の小さな花たちまで、
雨上がりを喜んでいるように見える。
雨上がりの島を歩いていると
どんどんそのままの自分に戻っていく。
木々も。花も。風も。
何も飾っていない。
だから私も、飾らなくていい気がした。
そんな空気に包まれながら、
私たちは八代神社へ向かった。
鳥居をくぐると、空気がふっと変わった気がした。
八代神社は静かだった。
雨上がりの木々は生命力に満ち、
葉も枝も思いきり呼吸しているように見えた。
私もその中で、ただ立っていた。
何かを願うでもなく。何かを求めるでもなく。
ただ、ありがとう。✨
そんな気持ちが自然に湧いてきた。
生きていること。ここへ来られたこと。
今日という日があること。
それだけで十分な気がした。
そんな穏やかな空気の中で、
みんな順番にお賽銭を入れた。
コロコロコロ……
気持ちよくお賽銭箱へ入っていく。
ところが。にいにいちゃんのお賽銭だけ、
コロ……
ピタッ。
途中で止まった。一瞬の沈黙。
するとSさんが、
「お賽銭が足りないんじゃないの?笑」
その一言でみんな吹き出した。
「えーーーっ!
神様に足りん言われたの初めてじゃわー!」
にいにいちゃんも大笑い。
「ほな追加するわ」と素直に追い賽銭。
今度こそ。
コロコロ……
ピタッ。
また止まった。
嘘やろーーー!!!
一同大爆笑。🤣
「まだ足りんの?笑」
「神様、なかなか厳しいなぁ笑」
神様まで一緒に笑っているような、
そんな空気だった。
私は思った。
こういう時間が幸せなんだなぁと。
誰かがいて。
笑い合えて。
自然があって。
風が吹いていて。
神様まで一緒に笑っている気がする。
こんなみんなが私は大好きでねー。😊
生きていること。
ここに来られたこと。
みんなと笑うひととき。
それだけで十分な気がした。
このあと私たちは、
八畳岩へ向かうことになる。
ところがそこには、
昨夜の雨が残した思わぬ試練が待っていた。
つづく






