例によって、わしの讃え方では、ご本人はご不満に感じられるかもしれず、ご迷惑になるかもしれないので、固有名詞を出さずに書く。
今夜のライヴはすごかった。
このようなタイプの真面目な演奏家さんには初めてお目にかかった。
首から上と手先以外はどこも露出していない地味な衣裳。
会社勤めにも着て行けそうで普段着と変わらない感じ。
最低限の曲名紹介、メンバー紹介、CDを販売しています、
ということ以外は何もしゃべらないMC
愛想笑いはない。冗談のひとつも言わない。
終始うつむき加減で、ひたすら真面目な顔で吹き続ける。
ご自分のソロが終わった時も、お辞儀をして舞台袖に去るが、
特に笑うわけでも、かっこつけるわけでもない。
バンドメンバーにマイクを渡してしゃべらせることも一度もない。
つまり、演奏以外におもろいことは、何ひとつないのだ。
そして、やってくれた曲、演奏は、素晴らしかったのだ。
あまりにも素晴らしかったので、終演後「すみません、CDを下さい」と言って、
買わせてもらった(今聴いている)。
その時も「ほな取って来ます」とおっしゃって、楽屋へ CD を取りに行かはった。
客の目に触れる所に、CD を並べて置くことすら、していないのだ。
「ライヴには初めて来させてもらいました。素晴らしかったので、また来ます。」
と言っても、「ありがとうございます。」以外は、何もおっしゃらない。
初対面の時には「どうして知ってくれましたか?」
「SNS でつながってくれてますか?」
などと訊いてくれたり、
何かの話をしてくれたりする人もいはるので、
拍子抜けして寂しいくらいである。
悪く言えば徹底的に不愛想で(笑)音楽以外のいかなる要素によっても、
ファンを得ようとは思わない、実力だけで勝負する、
ということを徹底してはるような感じである。
なんか感動した。
この方のファンは、徹底的に真剣な、
何の不純な動機もない、この方の音楽のファンである。
わしもその一員になりそうだ。
音楽以外は何もかもおもろい人より、
音楽以外は何ひとつおもろない音楽家の方がいいに決まっているではないか笑
わしはここで、華やかな衣裳や、おもろいトークや、
愛想の良いファン対応で楽しませてくれるのが、
邪道だと言っているわけでは全くないので、
いつもわしに暖かく接してくれている各アーチストのみなさんに、
この方の真似をして欲しいと思っているわけでは、全くないので、
みなさんは、今までどおりに楽しくしゃべって欲しい。
今夜は早くこの記事を書きたくて興奮状態で帰ってきた。
言うてることわかるやろ?笑