前々回8月20日のブログで、ALS幹細胞治療NurOwnの最新の動きについて書かせていただきましたが、以降数回に分けて時間がある際、ブレインストーム社NurOwnについておさらいをしたいと思います。

 

 

約2年前、第3相の治験結果が振るわず、FDAへの申請が果たせず残念に思った当時の経緯は前回お伝えしましたが、何故当時そこまで期待値が高かったのか、まず振り返りたいと思います。そこには3つのYouTubeでみたニュース番組の存在があったことを覚えています。

 

①    NWAニュース、北アーカンソーのニュース番組:

2017年にALSと診断されたマークベッドウェルさん、喋ることも困難、歩くことも出来なくなっていたのが、その後NurOwnの治験参加後、全ての機能が改善し、歩けるようになったと証言しています。この方は当時一躍有名になり、その後、FDAとの会議にも参加し、NurOwnの効果について証言することにまで発展しました(そのビデオは②で紹介させていただきます)。このニュースは当時衝撃的でした。マークさんは「奇跡が起こった」と表現しています。そして元気に働く姿を見せています。

 

(画像クリックで番組が見れます)

 

 

②    CBSニュース(フィラデルフィア市のニュース番組):

このニュース番組では先ほどのマークさんと他の患者たちがFDAマネジメントと面会し、NurOwnを早期に認可するように陳情を行った際の光景も紹介されています。なんとマークさんはFDAマネジメントの前で会議室内で走ってみせるのです。NurOwnのおかげで歩けるようになり、走ることも出来ると。このニュースは当時話題になりました。

 

(画像クリックで番組が見れます)

 

③    ABCニュース(全米放映):

ALS協会の副社長がNurOwnについてABCの全米放送のニュースNightlineという番組でインタビューを受け、「NurOwnの治験を受けた患者たちが改善した事例を確認している。ただどれだけそれが持続するかはまだ確認できていない」と答えていますが、「NurOwnは効果がある」ことを全米に印象づけたインタビューでした。

 

(画像クリックで番組が見れます)

 

 

他にも指が動かなくなってバイクに乗れてなかった方がNurOwn の治験参加後、バイクに乗れるようになり、バイク乗り始めた映像を紹介したニュース番組ありましたが、今回検索できませんでした(どの番組だったか忘れました)。

 

どのニュースも短いので是非ご覧になってください。英語ですが、動画をみれば大体内容がわかり問題ないはずです。

 

以上のニュース番組から当時私はALS幹細胞治療NurOwnに大きく期待していました。これで確定診断になっても助かる道があるかもしれない。と感じていたのです。

 

他方、気がつくことはアメリカのニュース番組でALSが取り上げられる際、その多くは治療薬が求められるといった「希望」と政府に対して「早くどうにかしろ」といった前向きなメッセージを発する意図が番組制作にあることが判ります(どれもそうです)。ニュースの発信に目的があり、これが真のジャーナリズムといえます。

 

対して日本のテレビ番組がALSを取り上げる際は、大体可哀そうで大変だが、頑張って明るく生活している様子をとりあげ、「未だ治療法がない難病です。」と締めくくる、お涙頂戴的な番組が殆だということは否定できません。病気の認知には意味がありますが、これだと番組を見た人は「こんな悲惨な病気があるのか」、「大変そうだ、わたしは健康でよかった」で終わってしまう場合が殆どだと思います。たまに新薬開発もニュースに取り上げられることもありますが非常に限定的です。その際は、どちらかというと「新薬」の重要性というより「京大」、「慶大」、「iPS細胞」といった言葉に目が向いている、というのがわたしの見解です。いかにも日本らしいです。

 

日本のメディアはジャーナリズムがわかっておらず、レベルが低いのは言い過ぎではないと思っています。ですが、経験からNHKにおいては良い番組を作っている印象があります。近い将来、日本のALSへの取り組みが遅れていることをテーマに番組を制作して欲しいと考えます。

 

最後に、このマークさんの現在の状態が気になり、グーグルで検索したところ、現在は喋れなくなり、胃ろうもつけられたようです。

 

奥さんがTwitterでコメントしています。「夫はNurOwnの治験期間中歩くことができましたが、現在は麻痺があり、胃ろうも使用してます。話すこともできません。NurOwnが必要です!」。私はTwitterのアカウントを持っていないので全容は見えませんが、その後、症状が悪化したようです。

 

ここからわかることは、当時の回復を見た際、マークさんは、もしや誤診では?と思った人も(当方も含め)いたかもしれませんが、そうではなかった。ということが判ることと、当時喋れなくなっていた、歩けなくなっていたマークさんがNurOwn治験参加後、それらの機能が回復し、走れるようになった話は本当だったということが判ります。

 

 

以上です、

 

 

 

今回目を通したリンク、その他:

 

 

 

 

 

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