痛みを知らずにいたのに

君を知ってから 愛しさが 痛みとなっていく


きっと 届かずにいるのだろう

会いたさが 胸の中にあふれ

炎のような静かな揺らめきがあるのを




君を 抱きしめて 

胸の奥に 棘のような香りを移したい


死ぬほど きつく抱きしめて

皮膚に残る感触を焼き付けたい


体の奥の 奥にある

この甘くしなやかな棘を


君に残したい

甘美の棘を





君を好きになったのは 君を見た瞬間だったのかもしれない


通り過ぎる時間 すれ違う二人

君を視界に感じる 

でも 振り向くと君はいない




笑い声が 聞こえる

明るい声が響き渡る

でも君はいない

無意識に意識する 

矛盾だらけの自分


勇気を出すのが遅すぎた

君はここにはいない


隣にいてくれたら

今の自分を越えられるのに


君はいない

もう 君はいない

一日の始まりは 今日という旅の始まり

眠りにつくまでの 長い旅の始まり


昨日と違う 出逢い

昨日と違う 別れ







自分が踏み出す一歩で 

その先の生き方が決まる

右足からか 

左足からか


分かれ道に迷わず進めるのか


旅は 始まっている