抗菌剤の副作用の一つに下痢がありますが、15員環マクロライド系抗菌剤ジスロマックではこの副作用の出現率が比較的多く、ある調査によりますと約39.0%で下痢症を発症しております。![]()
抗菌剤の副作用としての下痢は大きく二つに分けられ、一つ目は菌交代現象による腸内細菌叢のバランスの乱れで、この場合細菌叢のバランスが元に戻るまで症状が続き重篤な場合は投与中止や整腸剤との併用を行います。![]()
二つ目は、ジスロマックなどのマクロライド系抗菌剤でよく見られる下痢で、同系のラクトン環の構造と、消化管蠕動ホルモンであるモチリンの構造に酷似した部位があることによる消化管運動機能亢進作用によるものであります。また、一部のマクロライド系抗菌剤には、モチリン分泌促進作用があることも報告されています。
ジスロマックSR使用後の下痢症の発症日数は、ファイザー社によると当日が82.9%(服用後2~3時間)が最も多く、症状発現から回復までの日数は発現した翌日が最も多く46.6%であります。![]()
すなわち、ジスロマックの下痢症は服用から症状発現・回復までの時間が短いのが特徴であり、多くは菌交代現象ではないと考えられます。
そこで、考え出された処方の仕方がジスロマック1000mg投与時に、トリメブチンマレイン酸塩100mg(セレキノン錠100mg etc...モチリンの分泌調整と、胃腸運動を調律する作用がある)を併用する使用法で、それにより下痢症の発現率は39.0%から4.8%に減少すると報告されております。
(野口靖之 トリメブチンマレイン酸塩のアジスロアイシン投与後に発症する下痢に対する抑制効果。MEDICAMENTNEWS.2010;2021:22.)
また、抗菌剤は一般的に「食後に内服」という使用法が一般的ですが、マクロライド系抗菌剤では下痢症のメカニズムから「空腹時に服用し服用後2時間以内に食事を摂らない」という服薬指導が有効であります。![]()
注)現在、歯科による消化器系薬剤の処方は厳格化されており、今日現在で歯科が処方可能な消化器系薬剤は薬効分類コード231の中のビオフェルミンRと薬効分類コード232の薬剤のみであり、トリメブチンマレイン酸塩の保険での処方は出来ません。
(愛知県保険医協会調べより)
以上、「ジスロマック(アジスロマイシン)の下痢を抑えよ!」のお話でした。![]()






















