この度、当院では古くて新しい治療機器を導入致しました。
エアーフローSIソリッド(スイス:EMS社製)という機械で、各種パウダーを超微細なウォータースプレーと共に射出し、歯に付着したプラークやステイン等を素早く快適に除去するものであります。
これまでにも近似した製品は各社から発売されておりましたが、味が辛かったり舌など粘膜に当たると非常に痛かったりと決して快適な使用感ではありませんでした。
また、このメーカーの最大の特徴は噴出するパウダーが全て水に溶ける性質のもので出来ている事であります。
ご存じの通り、水溶性でない粉末を口腔内で使用し歯周ポケット内に残存した場合、歯周病の原因となるばかりでなく人体や環境にも悪影響を及ぼすことが懸念されております。
また、EMSのこの種の製品はこれまでは(株)松風のみが扱っており、歯周ポケットに入らないように使用するというガラパゴス的方法でのみ認可を取得しておりましたが、EMS社の他の製品を業界最大手の(株)モリタが扱うようになり、歯周ポケット方向や歯周ポケット内へのパウダーの噴射が国内でも認められるようになりました。(ようやく外国並みに)
これにより、これまでバイオフィルムの除去やインプラント周囲炎の防止などで非常に有効なことは一部の臨床家の間では知られていたものの、民間療法的な目で見られることもあった状況が一変しました。(厳密には、(株)松風が販売するものは歯周ポケットに向けては駄目ですよ・・・。)
なお、エアーフローSIソリッドを導入するためには、まずチェアーにエアーと水の取り出し口を取り付ける、簡単な工事が必要となります。
チェアー下部に、エアーと水の取り出し口が付いた状態です。
本体は比較的コンパクトで、発売されたのは10年以上前ですがこれからようやく日本でも日の目を見、マニア歯科医の間で流行る事でしょう。
早速、当院の歯科衛生士も相互練習に励んでおります。
当院歯科衛生士がエアーフローSIソリッドの取扱いに充分習熟し次第、患者さんの施術に使用する予定で居ります。
以上、「パウダートリートメント(基礎編)」のお話でした。