記憶とともにある
また最近、友だちを亡くしました。私より少し若いので、一般的にはちょっと死ぬには早すぎる年齢。連絡をもらったときには、ああそうか、と思った程度だったのだけど、日が過ぎるほどにショックは増してくる。
親しい人ほど、私はそういう気持ちになります。徐々にこみ上げる悲しみという感じかな。
子どもには、結局、恵まれませんでした。でも、配偶者には恵まれた。子どもがいない分、仲の良さを感じる夫婦でした。
一人になった配偶者が、これからどうやって暮らしていくのか、私には分かりませんが、そう悪い話にはならないと思う。それはきっと、彼の記憶が残っているから。
結婚するということを、たとえばブライズでは、命の連鎖として必要なのだといいます。やがて結婚して、子どもが生まれ、またその子にも子どもが産まれ、という循環。もちろん、それは望ましいものだけれども、そうじゃなくても、たったひとり、〈大事だった人〉として記憶に残ることができればよいに違いありません。
記憶し記憶されることなく、この世を去るのは、つらい。少なくとも、私にはつらい。
いま、がんばらなくては、とみんなのために思います。