高橋洋一・元財務官僚の加計学園問題の解説 | KHのアメーバブログ

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テキトーなタイミングで、テキトーにコメントします。

 

本日、午前と午後にそれぞれ衆議院と参議院で加計学園問題に関して閉会中審査がおこなわれます。ブログ主は録画予約しました。

 

  

今まで当ブログでは、複数の有識者・専門家、この問題の関係者の主張を取りあげるとともに、さまざまな1次資料・2次資料に基づき、ブログ主なりの分析をおこない意見してきました。

 

 

本日の閉会中審査の前に、6月15日の松野文科大臣の記者会見の文字起こしを掲載する予定でしたが、ちょっと時間が足りません。

 

 

その代わりと言ってはなんですが、元財務相官僚の高橋洋一・嘉悦大学教授の加計学園問題に関する解説

『高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ

「総理の意向」の正体 加計学園めぐる文科省の「言い訳」』

https://www.j-cast.com/2017/06/08300108.html?p=all 

という論説を本エントリーで取りあげます。

 

高橋氏は加計学園問題に関して、例えば、ネット雑誌「現在ビジネス」

http://gendai.ismedia.jp/list/serial/news_takahashi

で複数の論説を公表しています。彼の複数の論説の中でも比較的短くまとめ、要点をついたものが今回取りあげる論説です。

 

ブログ主が下手に再構成するよりも、高橋氏のオリジナル論説をお読みいただいたほうが、読者の皆さんのためになると思いますので、全文コピーさせていただきます。m( _  _ )m

 

 

高橋洋一嘉悦大学教授 

http://diamond.jp/articles/-/15804

 

 

 

 

高橋洋一 「総理の意向」の正体      加計学園めぐる文科省の「言い訳」

 

https://www.j-cast.com/2017/06/08300108.html?p=allより全文転載させていただいています。

 

 

   加計学園問題について、筆者はいろいろなところで意見を述べている(たとえば、「これでいいのか『報道特集』! 加計問題であまりに偏っていたその『中身』」<2017年6月5日、現代ビジネス> http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51920)。

 

   この話は、50年以上も新設がなかった獣医学部に新規参入を認めるという規制緩和である。ところが、天下り斡旋を行い、その結果辞任した前川喜平・前文科事務次官が記者会見してから、文科省が許認可を盾にして規制緩和に反対してきたこと、許認可を背景として天下りをやってきたこと、さらには一部マスコミは前川氏という一方当事者のみの情報を垂れ流し、公開情報に基づき地道な検証を怠るというマスコミ偏向問題も一気に明るみに出た。

 

 

 特区ワーキンググループの議論の中身

 

   筆者にとっては、一粒で三度美味しいネタである。規制緩和は、役人時代に公取委へ出向し経産省などをしばいたし、天下り問題は官邸において天下り斡旋禁止法案を立案したし、マスコミ対策は財務省役人時代にそれぞれ経験済みである。筆者が、前川氏の言動で間違いを見つけるたびに、安倍政権擁護と言われるが、規制緩和、天下り、マスコミのどの観点からも意見が書ける筆者にとって簡易な案件なので、批判しているだけだ。

 

   多くのマスコミは、前川記者会見、文科省文書だけを報じている。それに、加計学園理事長が安倍首相のお友達、という点を強調してストーリーを作っている。

 

   しかし、全体の構図を理解するには、それらの資料は不十分というか、不適切である。この問題は特区法に基づく手続きなので、その資料を見なければいけない。それもたった三つでいい。

 

(1)2015年6月8日国家戦略特区ワーキンググループ議事録
(2)2015年6月30日閣議決定(文科省部分)
(3)2016年9月16日国家戦略特区ワーキンググループ議事録

 

   特に、(1)と(3)をみれば、「内閣府・特区有識者委員vs.文科省(農水省)」による規制緩和議論は、前者の規制緩和推進派の完勝である。野球で例えれば、前者の10対0、5回コールド勝ちである。

 

   筆者も2000年のはじめのころ、規制緩和を進める公取委として、規制緩和反対の経産省とこうした規制緩和議論をしたが、今の文科省はその当時の経産省よりもはるかにレベルが低く、内閣府・特区有識者委員にとって赤子をひねるようだっただろう。

 

   (2)の閣議決定で要求されている需要見通しについて、許認可をもつ文科省に挙証責任があるが、まったくそれを果たせていない。しかも、(2)の閣議決定では、2015年度内(2016年3月までに)に検討するという期限が切られているが、それすら文科省は守れていない。これでは、コールド負けである。

 

   マスコミは、文科省文書が本物かどうかに焦点を当てている。筆者の感覚では、おそらく本物であると思うが、そうであっても、それらが作成されたのは2016年秋である。とっくに、文科省への宿題の期限(2016年3月)の後、しかも、(3)の2016年9月の後でもある(#1)。

 

 

 公表されている議事録と照合する必要性

 

   はっきりいえば、勝負のついた後に、文科省は言い訳をいっているだけだ。しかも文科省内の部内文書である。マスコミはそればかりを報道して、(1)、(3)のように既に公表され、しかも文科省のみならず内閣府も認めた、いわば両者の合意文書を報道しないのは明らかに報道としてはおかしい。

 

   前川氏は、許認可を背景として天下り斡旋を行ってきた。そのために、獣医学部新設を拒んできたといわれて仕方なく、公務員として失格である。さらに、組織の幹部であったが、管理職として極めて不味い。

 

   文科省が、特区で内閣府・特区有識者委員と交渉してきたのは、課長レベルである。交渉に負けたとき、負けた者は組織の幹部に報告するとき、いい加減なことをいう。

 

   筆者からみれば、それが「総理の意向」である。

 

   議事録を見る限り、内閣府・特区有識者委員の完勝であるので、ワーキンググループの親会議である特区諮問会議まで上がっていない。当然、安倍首相も知らないところで議論は終わっている。「総理の意向」なんてあり得ない状況だ。

 

   しかし、完敗した文科省官僚が、ありもしない「総理の意向」があったとでっち上げて、文科省幹部に報告した可能性がある(#2)。

 

   そうした報告を受けた前川氏は、公表されている議事録と照合しなければいけない。そうでないと判断を誤るからだ。しかし、前川氏の記者会見ではまったく検証を行っていない。これでは管理者としても失格である。

 

   こんな簡単なことを報じられないマスコミも失格である。

 

 

(転載はここまで)

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

時系列を見れば総理のご意向など働くはずはなかった

 

  

ブログ主の考えでは、高橋氏が指摘する(#1)のポイントで、既にこの加計学園問題の本質、「総理のご意向」によって「行政が歪められた」か否かの答えは出ていると思います。

 

つまり、民進党が入手した19の文科書から流出したとされる内部文書のほとんどはおそらく本物です。しかし、時系列をきちんと調べれば、「総理のご意向」など働くはずがなかったことは明らかです。

 

なお、19の内部文書とされる文書のうち、2つは探索範囲を広げて追加調査しても、文科省関係者はだれも見たこともないことがわかりました。

http://ameblo.jp/brendy6m/entry-12290661814.html

 

ブログ主は、この問題が単純な文科省からの内部文書の流出というものではなく、何か他の要素が含まれているように思えてなりません。それが何かはわかりませんが、霞ヶ関の中の権力闘争なのか、あるいは政界の権力闘争などの一端を見ているのかもしれません。

 

 

 

「総理のご意向」は文科省官僚のでまかせ

 

 

(#2)で、高橋氏は、

『国家戦略特区WGの民間委員や内閣府関係者との議論に完敗した文科省官僚(主に高等教育課の課長と課長補佐)が、ありもしない「総理の意向」があったとでっち上げて、文科省幹部に報告した可能性がある』

と指摘しています。

 

 

しかし、これは「可能性がある」という程度の話ではなく、6月23日の産経新聞のスクープによって、「総理のご意向」は文科省官僚らが省内、そして岩盤規制の利害関係者らに向けた、自己保身のでっち上げであったことが明らかにされています。

http://ameblo.jp/brendy6m/entry-12286140364.html

 

 

 

おわりに

 

 

加計学園問題というのは、実際には問題でもなんでもなく、行政府内部で日常的におこなわれている調整作業の、ある断片的な情報のみを取りあげ、安倍政権にダメージを与えるというゴールに向けて、マスコミや野党が自分達に都合のよい情報のみを取りあげて創作した演劇に他なりません。

 

別の角度から見ると、省庁間の調整の結果に岩盤規制側の文科省が敗れただけの話であり、また時の政権・官邸と官僚らの議論、戦いの結果に他なりません。

 

その証拠の1つをここで挙げておきます。

 

2015年6月8日の国家戦略特区ワーキンググループのヒアリングを経て、6月30日の閣議で “石破4要件” と呼ばれる条件が世に出ることとなりました。

 

<石破4要件>

・既存獣医師養成でない構想が具体化

・獣医師が新たに対応すべき具体的需要が明らか

・既存の大学・学部では対応困難な場合

・近年の獣医師需要動向も考慮

・本年度内(=2016年3月31日まで)に検討を行う

 

注目すべきは、文科省が2015年度内に「獣医学部新設の是非についての検討を行う」と明記されていることです。

 

これにより、文科省は「需要動向を示し、獣医学部新設が不要である判断する」か「需要動向を示さず、獣医学部新設を認める」のどちらかを選択しなければならなくなったわけです。

http://vox.hatenablog.com/entry/2017/06/16/223344

 

 

しかし実際には自省の能力不足で獣医師の需要動向を示すことができず、また農水省からも協力を受けられず、上記の閣議決定で求められた挙証責任を果たせなかった、つまり敗北したというのが事実です。

 

このように行政内部の正当な手続きをきちんと踏んで、加計学園の獣医学部新設は認められているのです。

 

それにも関わらず、加計学園の獣医学部新設を認めた当時の文科事務次官が、省ぐるみの天下りに関わっていた責任を問われ退任させられた後に、おそらく逆恨みで、「行政が歪められた」などと主張して、まさに倒閣運動をおこなっていることこそこの問題の本質だと思います。

 

 

  

そして、ブログ主の見るところ、2007年の福田康夫政権時代に構造改革特区に申請し始め、民主党政権時代、その後の安倍政権時代で却下されつづけてもめげずに15回も申請し直し、そして新たに設けられた国家戦略特区への申請でようやく日の目を見たわけです。

 

それが加計学園の獣医学部新設提案です。これに対し、マスコミ等で盛んに取りあげられた京都産業大学の獣医学新設提案は国家戦略特区の枠組みができた後の2016年3月です。山本地方創成大臣や内閣府関係者が「塾度」が高いと評価するのも当然です。

 

 

それがブログ主の目から見た加計学園問題の全貌です。

 

 

はたして、本日の午前、午後の2回の閉会中審査で、事態がどのように推移するのか。
 
 
ブログ主としては歪んだ批判や状況が正されることを望んでいますが、万が一、安倍政権憎しの朝日新聞などの目論み、その片棒を担いだ民進党など野党の思惑が成功に至るならば、これは将来の歴史家に批判されるべき事件・事変になると思います。
 
2017年に、間接民主主義が一部の現旧官僚らやマスコミの偏向報道によって否定されようとしていたことがあったと。