エンカレッジの復学支援を受けるずっと前のことです。

2年生の登校渋り、五月雨登校の頃に、2つの心療内科にかかりました。


やっと予約が取れた1つ目の心療内科。

まずはWISC検査で特性を調べることになりました。

検査は2時間。

予約を取って、別の日に来てくださいとのことでした。

 

「また病院に来なおして、2時間もかかる検査を受けるなんて・・・」。

息子は病院も、長時間何かをやらされることも、大嫌いなのです。

 

それでも、言われるままに、検査の予約をしました。

 

初診のその日は、併設されているカウンセリングセンターでカウンセリングも受けましたが、私の方から状況を説明するだけで終了。

 

息子は、カウンセラーの先生に話しかけられても、ニコリともしません。

とにかく一刻も早く帰りたいという感じで。

 

帰り際、「俺はここに来ても意味ないから、もう絶対に来ないからね」と。

 

WISC検査の当日は、主人も私も仕事を休んで自宅待機。

息子はその日、登校しましたので、帰宅したら車で病院に連れて行く予定でした。

 

ところがというか、やはりというか・・・。

帰宅した息子は押し入れに直行し、奥の方に隠れたまま出て来ませんでした。

 

結局、検査は受けずに終わり、その後カウンセリングに行くこともありませんでした。
 
 
2つ目は、前の心療内科から紹介状を出された、県の小児医療センターです。
ここも予約は数か月待ち。
予約が取れたときにはもう、3年生の6月になっていました。
 
せっかく取れた予約です。
絶対に息子に行ってもらわなければなりません。
 
息子が大好きなカードゲームのカードを買っておき、「病院が終わったらあげる」と言って無理矢理連れて行きました。
でも、そんな努力も虚しく、「来ても意味なかったじゃん」と言われて終了です。
 
 
息子は、カウンセリングに行きたくないのです。
心療内科やカウンセリングルームの、いかにも「先生」といった人たちと話をしても、自分にとっていいことは何もないと思ったのかもしれません。
 
 
私が復学支援機関の支援を受けようと思った理由の1つは、訪問カウンセリングの存在でした。
「その手があったか!」という感じです。
カウンセラーの先生が家に来てくださるのであれば、息子もまた違った反応を見せるかもしれない・・・。
そう考えたとき、やはり訪問カウンセラーはプロの先生であってほしいと思い、エンカレッジの支援を選んだのです。

 

 

支援を受け始めてから2週間後の6月19日。

息子は学校を休んでいました。

この日初めて、訪問カウンセラーの先生に来ていただくことになりました。

名古屋から女性の先生、東京から男性の先生の、2名です。

 

我が家は関東地方で、男の子なので、普通は東京の男性の先生がお一人で担当されるそうです。

ただ、ちょうどこの時期、男性の先生が手一杯とのこと。

最初はお二人で、その後状況に応じて交代で来てくださることになると、インテークカウンセリングの時に説明を受けました。

 

初日は事前打ち合わせがあります。

 

息子の留守番練習のために、私は毎日「13時半から郵便局に行く」という理由で、外出していました。

その時間を利用して、女性の先生と打ち合わせです。

最寄り駅のベックスコーヒーで待ち合わせをしました。

男性の先生は後から合流されるとのことでした。

 

先生方は、我が家の状況を、エンカレッジの復学支援申し込みの際に提出した書類を読んで、先に把握してくださっています。

そのほかに、息子が好きな遊びをお伝えしました。

 

訪問カウンセリングは、本人(子ども)に来てもらうことを相談して承諾を得てから入るのが基本で、そのようにされている方もいるようです。

ただ、息子の場合は、以前のカウンセリングの経験から、拒否反応が出る可能性がありました。

インテークカウンセリングで、今までのカウンセリングでの反応をお伝えして相談した結果、我が家の場合は告知をしない形の訪問スタイルで入ることになりました。

 

息子がお姉さん・お兄さんを、スムーズに受け入れるかどうかが問題です。

隠れたり、逃げたり、反抗的な態度を取る子もいるとのことです。

 

息子はどう出るか・・・。

 

私は先生方と一旦別れ、先に帰宅しました。

 

14時半。

玄関のチャイムが鳴ります。

私は素知らぬふりをしてインターホンに出て、ドアを開けました。

 

息子はリビングで、カードゲームのカードを広げて遊んでいます。

先生方が家に入ってきた時、突然のことに驚いた息子は、一瞬逃げる素振りを見せました。

でも、息子には、逃げて隠れる場所がありませんでした。

一回立ち上がったものの、すぐに諦めて床に座り、先生方の様子をじっと観察しながら、話を聞いています。

 

先生方が訪問の目的を簡単に説明した後、息子に、「3人でSwitchのゲームをやろう」と声をかけてくださいました。

息子のハマっている「大乱闘スマッシュブラザーズ」です。

 

でも、息子は、学校を休んでいる日の日中はゲームをしない約束になっています。

息子が私の方を見て、「どうしよう」という表情をしました。

私は、打ち合わせ通り、「そういうことであれば、お姉さん、お兄さんが来てくださったときは、特別にゲームをしてもらって構いません」と先生方に伝えました。

 

息子の表情がパッと明るくなったのが分かりました。

「いいの?」と言って、いそいそとSwitchを準備し始めました。

 

息子は、お姉さん・お兄さんと遊んでみることにしたようです。

 

私は先生方にお茶をお出しして、隣の部屋で静かにしていました。

最初は先生の声しか聞こえず心配でしたが、後半は息子もお喋りを始めたようでした。

 

1時間ほど遊んでいただき、初回の訪問が終わりました。

 

息子は、「楽しかった!」と言って、先生方を玄関までお見送りしました。

そして興奮気味に、「あの人たちいいこと言ってたねー!学校を休んでる子どもは退屈だから、ゲームは大事って言ってた。よく分かってるなあ!」「もうこんな時間。楽しすぎてあっという間に学童の時間だ!」と、嬉しそうに話をしていました。

 

カウンセラーの先生方は、息子の心をガッチリつかんで帰られました。

心療内科でカウンセリングを受けたときの反応とは大違いです。

 

でも、どんなに高い技術をお持ちの先生方であっても、子どもとの相性があり、息子のように「お姉さん・お兄さん」をすんなり受け入れるケースばかりではないようです。

 

2回目、3回目と、訪問していただくうちに、息子は先生方が来てくださるのを楽しみに待つようになりました。

今でもそれは変わっていません。

 

やはり、我が家には訪問カウンセリングという方法が、ピッタリ合っているのだと思っています。

 

 

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