ジャクソンホール会議 | breezywaveのブログ

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【為替介入の限界】27兆円を投じても円は160円台へ「金利差」という構造問題は変わらない

「これだけ為替介入をしても、円安は止まらないのか?」

そんな疑問を持ってしまうような動きになっています。

 

ドル円が再び160円台に乗せました。

その背景にあるのが、米国の金融政策です。

 

 

そして、もう一つ気になるのが、これまで政府・日銀が投入してきた巨額の為替介入資金です。

 

27兆円を超える円買い介入

2026年、日本はすでに過去最大規模の円買い介入を行っています。

 

4~6月には、

 

11兆7,349億円

 

7月30日~8月26日には、

 

15兆3,993億円

 

もの為替介入を実施しました。

 

合計すると、約27.1兆円

 

 

わずか数カ月で27兆円を超える規模です。

 

しかも今回の介入には、7月末の日米協調介入も含まれています。

日本単独ではなく、米国も加わった異例の対応です。

 

実際、7月末には1ドル=163円台まで下落していた円が、一時155円台まで急反発しました。

 

「さすがにこれなら円安も止まるのでは?」

 

そう思わせるだけのインパクトはありました。

 

ところが――。

 

現在、ドル円は再び160円台です。

ざっくり、1円円高にするのに10兆円使ったイメージです。

 

なぜ介入しても円安に戻るのか?

ここが今回の為替相場を見るうえで、最も重要なポイントだと思います。

 

為替介入には、大きく言えば、

 

「相場の流れを変える」

 

というより、

 

「行き過ぎた動きを抑える」

 

という役割があります。

 

政府・日銀がドルを売って円を買えば、当然ながら一時的には円高方向へ動きます。

 

しかし、

 

日米の金利差という大きな構造が変わらなければ、再び円売り圧力が発生します。

 

特に米国の金利が高く、日本の金利が相対的に低い状態が続けば、

 

「低金利の円を調達して、高金利のドル資産を持つ」

 

という取引が成立しやすくなります。

いわゆる円キャリートレードです。

 

 

わたしは介入のときに安くなったドルを買って様子をみます。

為替感が養えます。

155円台で買えたのは一瞬でした。

 

 

為替介入で一時的に円を買っても、この構造そのものを変えることはできません。

 

だからこそ、

 

「27兆円も使ったのに、なぜまた160円なのか?」

 

という疑問が生まれるわけです。

 

160円台再浮上のきっかけはFRB

今回の円安を加速させた大きな材料が、8月28日のジャクソンホール会議でした。

 

 

FRBのウォーシュ議長は、インフレが2%目標に向かって明確かつ十分な速度で鈍化していると確信できなければ、「やるべき仕事がある」と発言。

 

追加利上げの可能性を残しました。

個人的には存在感と威厳をアピールしたように思います。

 

ただし、利上げの時期を明言したわけではありません。

それでも市場では、9月の利上げ観測が強まりました。

 

報道によると、講演前には約40%だった9月利上げ確率が、講演後には60%程度まで上昇しています。

これを受けて米金利が上昇。

 

そして、

 

米金利上昇 → ドル買い → 円売り → ドル円上昇

 

という流れが生まれました。

 

実際、ドル円は160円台まで上昇しています。

 

つまり、政府が為替市場で円を買っている一方で、金融市場では「米国の金利がさらに上がるかもしれない」という材料によって円売りが再び強まったわけです。

 

為替介入と金融政策は「綱引き」になっている

今回の相場を単純化すると、

 

政府・日銀


→ 円買い介入で円安を抑える

 

FRB


→ インフレ次第では利上げも辞さない

 

市場


→ 米国の金利が高くなるならドルを買いたい

 

という構図です。

 

これでは、為替介入だけで円安の流れを完全に変えるのは難しいでしょう。

 

もちろん、介入が無意味ということではありません。

 

急激な円安を抑えたり、投機的な動きをけん制したりする効果はあります。

 

実際、7月末の介入では円が大きく買われました。

 

ただ、その効果を「持続的な円高」につなげるには、別の材料が必要です。

 

結局、重要なのは日米の金融政策

今後のドル円を考えるうえで、私が注目したいのは次の3点です。

① 米国のインフレ

特にPCE物価指数や雇用関連指標です。

インフレが高止まりすれば、FRBが利下げどころか追加利上げを検討する可能性が高まります。

そうなれば、ドル高・円安圧力がさらに強まる可能性があります。

 

「65ヵ月続いた高インフレは責任はまぎれもなく中央銀行にある」

 

印象に残る発言です。

 

② 日銀が追加利上げするのか

もう一つの重要ポイントが日銀です。

 

日本の金利が上昇すれば、日米金利差は縮小します。

 

これは円にとってプラス材料です。

 

逆に、日銀が慎重姿勢を続ければ、

 

「米国は高金利、日本は低金利」

 

という構図が長引くことになります。

 

円安を抑えるという意味では、日銀の金融政策は非常に重要です。

 

私見ですがFRBが利上げしないと日銀も利上げしないように思います。

そうするとますます円安になりそうです。

 

FRBが利上げしない状況で日銀だけ利上げすれば多少は円高に進むかもしれません。

 

③ もう一度、為替介入をするのか

160円という節目を再び超えたことで、政府・日銀による追加介入への警戒感も強まっています。

しかも今回は、すでに27兆円規模の円買い介入を実施しています。

 

それでも円が160円台に戻ってきた。

 

となると、次の介入では、

 

「どこまで円高に持っていけるのか」

 

だけではなく、

 

「どれだけその効果を維持できるのか」

 

が問われることになります。

 

為替介入には「弾切れ」の問題もある

もう一つ考えておきたいのが、介入資金の問題です。

日本には巨額の外貨準備があります。

 

財務省によると、2026年7月末時点の外貨準備は約1兆2,871億ドルです。

 

したがって、

 

「27兆円使ったから、もう介入できない」

 

という単純な話ではありません。

(私も30万円使いました)

 

ただし、だからといって無限に介入できるわけでもありません。

 

重要なのは、

 

「いくら使えるか」ではなく、「いくら使えば市場の流れを変えられるのか」

 

です。

 

市場規模が非常に大きい為替市場では、政府が巨額の資金を投入しても、市場参加者の期待や金利差が変わらなければ、再び元の方向へ戻ってしまう可能性があります。

 

今回の160円台への復帰は、そのことを改めて示しているように見えます。

 

「介入しても円安になる」という現実から考える

今回の相場を見ていて感じるのは、

 

為替介入は「原因療法」ではなく「対症療法」になりやすい

 

ということです。

 

もちろん、急激な円安を放置するわけにはいきません。

輸入物価の上昇は、企業や家計に大きな負担を与えます。

 

だから政府が介入する意味はあります。

 

しかし、

 

為替介入

一時的に円高

金利差が変わらない

再び円売り

円安

 

という循環になれば、政府は何度も市場に資金を投入することになります。

今回の約27兆円という数字は、その難しさを象徴しているのではないでしょうか。

 

資産運用は「円安が続く可能性」も考えておきたい

私たち個人投資家にとって重要なのは、

 

「政府が円安を止めてくれるだろう」

 

と決めつけないことだと思います。

 

為替は政策だけで決まるものではありません。

 

日米の金利差、インフレ、景気、貿易収支、企業の海外投資、投資家の資金フローなど、さまざまな要因が絡み合っています。

 

だから、

 

「160円だから、そろそろ円高になるはず」

 

という考え方にも注意が必要です。

 

160円という数字そのものが、円高への転換点を意味するわけではありません。

 

むしろ、

 

「160円になったとき、日本の政策と米国の金融政策はどうなっているのか?」

 

を見る必要があります。

 

為替介入で27兆円規模の資金を投入しても、日米の金融政策という大きな流れが変わらなければ、円安圧力は再び強まる。

 

今回の160円台への復帰は、

 

「為替は金額だけでは動かせない。市場の期待を変えなければ、構造的な流れは変わらない」

 

ということを、改めて教えてくれているように思います。

 

今後は、米国のインフレ指標、FRBの利上げ姿勢、そして9月の日銀会合

 

この3つをセットで見ながら、ドル円の行方を考えていきたいと思います。