【投資考察】海外マネーが買う日本不動産。近隣相場から見えた「実物投資」の終わりの始まり
先日まで東南アジアに旅行していた友人が、Facebookでこうこぼしていた。
「現地の食事代は、今や日本と同じくらいかやや高い」
一昔前までは「リタイアしたら物価の安いオーストラリアや東南アジアに移住しようか!?」といった話をよくしていたが、それも今は昔。
超富裕層の税金対策などを除けば、実は日本が世界で一番住みやすい国になりつつあるのかもしれない。
海外投資家の目から見ても、日本の魅力はコンビニの利便性だけではない。
「不動産の安さ」も依然として際立っているようだ。
カナダの投資会社ブルックフィールドが、日本の集合住宅50物件というポートフォリオを「オトナ買い」したというニュースが入ってきた。
こうしたマクロの巨額マネーが動く一方で、私はときどき近隣の戸建て用土地や賃貸の相場を定点観測している。
すると、足元のミクロな市場でも大きく2つの変化点が起きていることに気づいた。
1. 新築分譲住宅の「実質的なダウングレード」
数年前に強気の価格で発売された分譲住宅は、高すぎて未だに売れ残っている。
その一方で、最近の新築建売は「消費者が買える売価」から逆算して作られているため、敷地面積がどんどん狭くなっている。
本来ならスペースに余裕があるはずのエリアでも「駐車場1台」が基本になりつつある。
2. まとまった土地の「投資・賃貸」へのシフト
Koletなどの新築戸建て賃貸が異常に増えている。
まとまった大きさの土地が出ても、一般向けの住宅用地としては販売されず「アパートの建築条件付き」となるケースが目立つ。
つまり、今と同じ条件の住宅を求めて近隣に引っ越そうとしても、もはや手頃な物件は入手できない。
アパート建築条件付きの土地を買って家を建てるとなれば、軽く1億円を超えてしまう世界だ。
こうした需給の歪みと価格高騰を見ると、個人が不動産で起業・投資して旨みを得られたのは、おそらく5年くらい前までが「旬」だったのだろう。
今から参入しても、業者によって細かく切り売りされた不動産投資商品に、高い手数料を払わされるだけになりそうだ。
個人での実物不動産への参入はますますハードルが高くなっている。
まめな現物確認とタイミングを駆使しないと金持ち父さんには遠いようだ。
一方で、間接的に不動産市場へアクセスできるREITについては、先日のアメリカによるイラン攻撃の地政学リスクで一度ポジションを落としている。
海外マネーが流入し続ける日本不動産の底堅さを横目に、せいぜい今は、この手放したREITを買い戻すタイミングを静かに探っていきたい。

