【投資戦略】特定口座の含み益を子どものiDeCoへ!乗り換えの「損益分岐点」はいつ?
大学生のための国民年金の「学生納付特例制度」は利用しないことにしました。
理由は、3年目以降の追納には加算金が発生するからです。
延滞利息とは言わずに加算金という表現が絶妙です。
さて、「特定口座で運用している利益の乗ったファンドを売却して、子どものiDeCo(個人型確定拠出年金)の資金に充てたい。」という気持ちになりました。
国民年金保険料を納付するとオプションのiDeCoの加入対象者となるからです。
少なくとも退職所得控除という「値引き」を獲得するために、どうやら最低額の毎月5,000円は積み立てた方が良さそうです。
ストック資産のNISAが満タンになり、年金などのフロー資産で生活できれば足るを私はまさに知ったからです。
今年はAI設備投資に負けないくらい、自宅の設備投資もひと段落して他に大規模な出費は当面ありません。
キャッシュフローを超える設備投資という意味では本当に負けていません。(笑)
さて、非課税メリットの大きいiDeCoへ資金を移すのは魅力的ですが、特定口座のファンドを売却すると約20%の税金がかかります。
「税金を払ってまで乗り換える価値はあるのか?」
今回は、
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ファンドの含み益率100%(評価額の半分が利益)
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毎月6.8万円を5年間積立
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年利7%
という条件で、損益分岐点をシミュレーションしてみました。
結論:売却方法で結果は大きく変わる
結論からいうと、資金の移し方によって結果は極端に変わります。
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売却方法 |
結果 |
|---|---|
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毎月必要額だけ売却 |
5年時点でiDeCoが有利 |
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最初に全額売却して現金保有 |
多くの場合不利 |
ポイントは、「現金を寝かせないこと」です。
運用:毎月必要な分だけ売却する(おすすめ)
毎月6.8万円をiDeCoへ入れるため、その都度必要額だけ特定口座を売却する方法です。
含み益率100%の場合、手取り6.8万円を用意するには約7.5万円分の売却が必要になります。
この方法では、
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必要以上に税金を前倒ししない
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売却した資金をすぐ非課税口座へ移せる
というメリットがあります。
5年後の比較
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内容 |
金額(概算) |
|---|---|
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iDeCo残高(毎月6.8万円・年7%) |
約486万円 |
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特定口座で運用継続(税引後) |
約477万円 |
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差額 |
約9万円 |
この条件では、積立終了時点の5年後にはすでにiDeCoの方が有利という結果になりました。
しかも、その後も非課税運用が続くため、長期間になるほど差は広がっていきます。
なぜ差がつくのか
一見すると、
「税金を払うのだから損では?」
と思いがちです。
しかし毎月売却方式では、税金を払った資金をすぐに非課税口座へ移し替えるため、その後の運用益には税金がかかりません。
つまり、
課税口座から非課税口座へ、運用を止めずにバトンを渡す
ことができるわけです。
逆に最初に全額売却して現金を寝かせてしまうと、市場で運用できない期間が発生し、税金のデメリットを取り返しにくくなります。
実践前に確認したい3つの落とし穴
シミュレーション上は有利でも、子どものiDeCoには現実的な注意点があります。
① 出口戦略(退職所得控除)の注意点
5年間しか加入しない?場合、
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退職所得控除:40万円×5年=200万円
となります。
将来大きく増えた資産を一括受け取ると、特定口座の20.315%より不利になる可能性もあります。
子ども自身がその後も拠出を続け、加入年数を延ばすのが基本です。
就職先にDC/iDeCoがあればいったん売却されて統合するもよし、独立したiDeCoとして継続するもよしの三方良しです。
② 所得控除の恩恵は子どもに入る
iDeCoの魅力は掛金全額所得控除です。
しかし恩恵を受けるのは名義人である子どもです。
学生など課税所得がなければ、この節税メリットはありません。
しかしアルバイトで稼ぎすぎたら所得控除が使えます。
③ 贈与税のルール
親が掛金を負担する場合は贈与になります。
年間掛金は、
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6.8万円×12か月=81.6万円
なので、年間110万円の基礎控除内であれば贈与税はかかりません。
ただし、他の贈与と合算される点には注意が必要です。
国民年金保険料を親が支払う分については贈与ではありません。
扶養する子の国民年金保険料はぜいたくなサービスではないということです。
なので親の所得控除になります。
この戦略の本当の狙いは「将来の増えすぎリスク」への備え
今回のシミュレーションは、「今すぐ税金を減らす」ことだけが目的ではありません。
むしろ発想は逆です。
今は相続税がかからない資産額でも、20年後・30年後にNISAや株式資産が4倍、あるいは8倍になったらどうなるか。
その未来から逆算して、今のうちに子ども名義のiDeCoへ少しずつ資産を移しておくという考え方です。
将来の資産が大きく育ってから慌てて対策するのではなく、非課税制度を活用しながら世代間で資産を分散していく。
これは「今は相続税がかからないから何もしない」のではなく、増えすぎるリスクに先回りするための長期戦略と言えるでしょう。
まとめ
今回のシミュレーションでは、含み益率100%、年利7%、毎月6.8万円を5年間積み立てる条件では、毎月必要額だけ売却しながらiDeCoへ移す方法が、5年時点で約9万円有利という結果になりました。
重要なのは、
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一括売却して現金を寝かせないこと
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売却した資金をすぐ非課税口座へ移すこと
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出口戦略まで含めて考えること
です。
そして、この戦略の本当の価値は、目先の約9万円ではありません。
20年後、30年後に資産が想定以上に増えた未来を見据え、今のうちから世代間で非課税口座を活用して資産を分散しておくことにあります。
ちなみに、25歳以降は毎月2万円、35歳以降は毎月5千円を積み立てるケースも、Excelで試算してみました。
PCとExcelは必須アイテムです。
計算式はせいぜい100行程度です。
計算結果はAIにチェックさせればいいだけです。
ファイナンシャルプランナーの教科書に載っているiDeCoは加入対象者と掛金だけです。
つまりファイナンシャルプランナーの資格があっても設計力は問われません。
要するに自分で設計するのが一番安全安心なのです。
Excelの計算結果、60歳時点では約8,237万円まで成長するシナリオになりました。
この試算では、
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含み益率:約90%
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退職所得控除:約2,270万円
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受取時の税負担:約1,500万円(所得税・住民税の合計)
という結果になっています。
iDeCoといえども増えすぎると税負担は20%くらいになり特定口座っぽくなることがわかります。
つまりiDeCoも増えすぎると累進課税になるのです。
相続税は「かかってから考えるもの」ではなく、「資産が増える前から設計するもの」。
そんな逆算の発想こそが、長期投資時代の資産承継では大きな武器になるのではないでしょうか。
