昨年は「2016年を振り返って」という記事を書いている間に年を越してしまい、投稿しないまま2017年の大晦日を迎えました。

今年はしっかりと執筆活動を振り返ってみようと思います。

【2017年1月】
●個人事業「風富書房(かぜとみしょぼう)」の開業

いきなり執筆活動に関する事柄ではありませんが、2017年1月に私の小説同人誌の出版・頒布を主目的にした個人事業を開業しました。

友人や知人からは「商売」「利益追求」という言葉をいただきましたが、昨年の暮に文芸同人誌即売会への出店を決めた時点で収支の試算はしており、無名のアマチュア小説家の同人活動が「商売」にならず「利益追求」できるものではないことは既にわかっていました。

それなら、なぜ個人事業を開業したのか?

いくつか理由があるのですが、主な理由は「『趣味』と『プロ』の中間の位置に自分を置くため」です。

私の執筆活動は、文学賞・新人賞などへの応募を行っていますが、未だ趣味の範疇を出ずアマチュアの状態です。

「趣味」という位置づけは私にとってはとても都合の良いもので、趣味であれば自分が満足できればいくらでもお金をつぎ込みますし、お金をつぎ込んで失敗しても自分で納得できればあきらめもつきます。

しかし、「趣味」ではなく「事業」として活動したら、費用対効果などのコスト意識をシビアに持つことができると思いました。
(個人事業を開業しなくてもコスト意識をシビアに持つことはできるんですけどね)

とりあえず、執筆活動に関する収支が視覚化できたのは良かったと思います。



【2017年3月】
●公募ガイド主催による阿刀田高先生のセミナー受講

2017年3月25日(土)に公募ガイド主催による阿刀田高先生のセミナーを受講しました。

セミナー後は受講者同士でのグループトークがありました。

グループトークで知り合った方たちとはLINEの連絡先を交換しあい、セミナー後の現在も交流が続いています。



【2017年4月】
●第5回Text-Revolutions(テキレボ5)への出店

2017年4月1日(土)に文芸同人誌即売会「第5回Text-Revolutions」に初参加にして初出店しました。

当初は後述する「第二十四回文学フリマ東京」への出店の予行演習と考えていましたが、参加してみたら実に面白いこと面白いこと。

お手伝いをお願いした妻は退屈そうにしてましたけどね。

イベント中には旧友がサプライズで遊びに来てくれたり、前述した阿刀田高先生のセミナーで知り合った方が遊びに来てくれたりとうれしいことばかりでした。

頒布した作品は、中編コメディー小説「ハードボイルド主夫 竹田竜作」(以下、「ハードボイルド主夫」)と短編恋愛小説集「カウンター越しの恋」の2種類。

頒布できた部数は2種類の合計で8冊でした。

私の作品にご興味・ご関心を持っていただける方がいらっしゃるということがわかったのが何よりの収穫です。

イベント後の懇親会も公式打ち上げも楽しかったです。



【2017年5月】
●第二十四回文学フリマ東京への出店

2017年5月7日(土)に文学同人誌即売会「第二十四回文学フリマ東京」に出店しました。

お手伝いは親友にお願いしました。

頒布した作品は、テキレボ5と同じく「ハードボイルド主夫」と「カウンター越しの恋」の2種類。

テキレボ5での反省、ブースレイアウトの改善点を反映させて望んだものの、「お誕生日席」的なブース位置で来場者の導線が読めず戸惑いました。

頒布できた部数は振るわなかったのですが、Webの告知をご覧になって私の作品を買いに来てくれた方がいらっしゃいました。

この時点でその方に次回の文学フリマ東京で新刊をぜひお買い求めいただきたいと強く思いました。



【2017年7月】
●サバイバルゲームを体験

昔からサバイバルゲームに興味はあったのですが、次回作である「ハードボイルド主夫」のスピンオフ作品「ブラッディ・キャサリン~戦場のフロイライン~」(以下、「ブラキャサ」)の執筆にあたり、参考材料として電動ガンをいくつか入手したことをきっかけにして体験してみました。

体験したサバイバルゲームは屋内フィールドでしたが運動不足の私には結構ハードなゲームでした。

電動ガンなどのサバイバルゲームに関する道具一式を個人事業の経費で計上したのですが経費として認められるのかいささか不安です。



【2017年8月】
●第52回北日本文学賞に応募

2017年8月31日(木)締切の第52回北日本文学賞に短編小説を応募しました。

結果は一次選考落選でした。

「文学賞」と言われると、私の作品は文学と言えるのか? という疑問を感じてしまいますが、あきらめることなく来年も応募したいと思っています。



【2017年10月】
●第6回Text-Revolutions(テキレボ6)への出店

第5回に引き続いて2017年10月28日(土)に文芸同人誌即売会「第6回Text-Revolutions」(テキレボ6)に出店しました。

お手伝いは旧友にお願いしました。

最寄り駅から会場まで徒歩8分の距離を道に迷い、旧友を会場前で約1時間ほど待たせてしまうという失態をしてしまいました。

頒布した作品は、新刊「あきいろ 風富来人自選小説・詩集 第零巻」(以下、「あきいろ」)及び、既刊「ハードボイルド主夫」と「カウンター越しの恋」の3種類。

当初は「ブラキャサ」も書き上げて出品する予定でしたが、7月に仕事を退職することにしたためそれ以降の予定を大幅に変更することになり執筆を延期しました。

頒布できた部数は、まったく頒布できないわけではないもののあまり振るわないといった感じでした。

文芸同人誌即売会出店3回目にしてようやく会場に持参する部数の目安がわかりました。



【2017年11月】

●AmazonのKindle本「100人で書いた本~道具篇~」に著者の一人として参加

 

ビットコインを用いたマイクロトレードサービス「VALU」で知り合ったきゃっぷさんの企画によるAmazonのKindle本「100人で書いた本~道具篇~」に著者の一人として参加しました。

 

収録作品に読者(著者自身も含まれる)が投票し、得票数が一番多い著者が投票期間中の販売で得た印税や賞品をもらえるという新しい試みでした。

 

私の作品に対する得票数は1票でしたが、誰かの心の琴線に触れられたことが知ることができて良かったです。

 

●第二十五回文学フリマ東京への出店ドタキャン

 

体調不良により開催日前日にキャンセルしました。

混んだ電車や人混みが苦手な私にとっては文芸同人誌即売会への出店は、精神的にも肉体的にも負担がかかることを再認識しました。




【2017年12月】
●「ZINE(ジン)との出会い」企画開始

第二十五回文学フリマ東京への出店ドタキャンにより頒布する機会を1回失ってしまったことで、自分で頒布できる機会を作ることができないかと考え始めました。

最初は店舗の軒先を借りての「軒先販売(頒布)」を検討したのですが、軒先を貸してくれる店舗のニーズ(店舗としては食品を扱ってほしい)と合わず却下となりました。

そこで代案としてレンタルスペースのテーブルを借りてのごくごく小規模な即売会の開催という形を取ることにしました。

現在開催に向けて準備を進めていますが、「当日に寝坊しないこと」が一番の課題です。



2017年は同人活動を始めたことによりこれまでに書き上げた作品を本という形あるものにまとめることができました。

来年は文学賞・新人賞への応募とともに同人活動も精力的に行っていきたいと思います。

さてさて、来年はどうなることやら。オラ、ワクワクすっぞ!



今年一年お世話になりました。

来年もお世話になるかもしれません。

その際にはどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、良いお年をお迎えください。

 

 


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新たに同人活動を始めた同人作家さんとお知り合いになったので参考情報として僕の知見を記します。



同人活動は収益化できるのか?

この問いに対して、今年3回の文芸同人誌即売会に出店した経験から導き出した僕の答えは、

「同人活動を収益化することは非常に難しい」

でした。



まず、市販の本の原価率の例をご説明します。

《市販の本の原価率の例》
●書店のマージン  ⇒ 22%
●取次卸のマージン ⇒ 8%
●出版社の原価率  ⇒ 70%
(内訳)
 ・著者への印税  ⇒ 10%
 ・本の製造原価  ⇒ 30%
 ・販売管理費   ⇒ 20%
 ・出版社の利益  ⇒ 10%

小説同人誌の場合、上記のうちの書店のマージン(22%)、取次卸のマージン(8%)、出版社の原価率のうちの出版社の利益(10%)、合計40%の費用が発生せず、その分を本の印刷・製本代、販売管理費、利益にあてることができます。

しかし、市販の本の製造原価が30%に抑えられるのは、一度に数千部以上の大量生産するからこそであり、小ロット印刷の小説同人誌の製造原価は高くなってしまいます。
表紙のデザイン、ブックカバー、帯など、本の装丁にこだわればその分製造原価は高くなります。



上記を踏まえて導き出した小説同人誌の原価率の割合の例は以下のとおりです。

《小説同人誌の原価率の割合の例》
●本の製造原価   ⇒ 40%~80%
●販売管理費    ⇒ 10%~20%
●利益       ⇒ 10%~40%

販売管理費は、文芸同人誌即売会におけるPOPの制作費などや、無料配布本の製造原価の回収を目的とした費目です。
文芸同人誌即売会の出店料は、利益で回収していくことになります。



文芸同人誌即売会の出店を想定して具体的に条件を設定して金額を試算してみると以下のようになります。

《想定条件》
●文芸同人誌即売会出店料:5,000円
(テキレボと文学フリマ東京(椅子2脚分)の中間の金額)
●有料頒布本の頒布価格:500円
●有料頒布本の仕様
冊子サイズ:A6(文庫サイズ)
ページ数 :100ページ
印刷部数 :50冊
表紙印刷 :表1・4:フルカラー、表2・3:モノクロ
制作代金 :12,500円で試算(1冊あたりの製造原価:250円)
●無料配布本の仕様
冊子サイズ:A6(文庫サイズ)
ページ数 :30ページ
印刷部数 :50冊
表紙印刷 :表1・4:フルカラー、表2・3:モノクロ
制作代金 :7,500円で試算(1冊あたりの製造原価:150円)



《有料頒布本の原価率の割合》
●本の製造原価   ⇒ 250円(50%)
●販売管理費    ⇒ 150円(30%)
(無料配布本の製造原価)
●利益       ⇒ 100円(20%)
●完売した際の利益 ⇒ 5,000円



上記の想定条件の場合、有料頒布本が完売できれば出店料は回収できますが利益は得られません。
本の製造原価には本の装丁に関連する費用は含まれていませんし、無料配布本の製造原価が高く、市販の本の販売管理費よりも上回っています。

1回の文芸同人誌即売会で1種類の有料頒布本を完売するのは非常に難しいことです。
複数回の文芸同人誌即売会への出店を想定して、有料頒布本と無料配布本の印刷部数を増やして1冊あたりの本の製造原価を下げたりといった利益を増やす工夫が必要です。
有料頒布本を複数種類に増やせば制作代金は追加で発生してしまいますが、無料配布本の製造原価を回収するあてが増えるので販売管理費を抑えることができます。

厳密に言えば、文芸同人誌即売会の会場までの往復交通費などを考慮に入れると出店料を回収できてもそれ以上の利益が得られないと赤字なのです。

したがって、「同人活動を収益化することは非常に難しい」という答えにいたりました。



では、

なぜ、同人作家さん達は赤字になることがわかっていて同人活動を行うのでしょうか?

それは、

「一人でも多くの方に自分の書いた作品を読んでもらいたいから」

だと思います。

僕もそのように思っています。

 

 


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今年は第5回、第6回Text-Revolutionsと、第二十四回文学フリマ東京の文芸同人誌即売会に出店しました。

第二十五回文学フリマ東京も出店予定でしたが体調不良のためキャンセル。

苦渋の選択でした。



それでですね、文芸同人誌即売会に出店してにわかに思い始めたのは、



小規模であれば個人でイベントを開催することができるのではないか?



ということでした。



私がこう思うようになったきっかけは、こんぺき出版様が大分県別府市で開催された「zine展inBeppu」を知ったからです。

一人で最初からzine展inBeppuのような展覧&即売会はできないけれど、お店の軒先をお借りしたりして自分の本を頒布することは自分のやる気次第でできるよねと思うようになりました。
(お客様にお買い求めいただけるかは別にして)



それでですね、失敗覚悟でやってみることにしました。

題して、

「ZINE(ジン)との出会い」

です。

私は「やってみないとわからない」ことはやってみる性分なのです。



開催日時は、

2018年1月13日(土)10時30分~13時30分の3時間

開催場所は、

神奈川県川崎市中原区の「PASAR BASE」で行います。
(JR南武線の武蔵新城駅が最寄駅です)

まずは、カフェの客席として利用されているテーブルを一つお借りして行います。



それでですね、

借りるテーブルの大きさが横幅180cm、奥行き70cmあって一人で出店するには広いんですね。

もしよろしければ、テーブルの半分(横幅90cm、奥行き70cm)をご提供しますので、どなたか一緒に出店しませんか?

開催にあたってコマーシャルページやPASAR BASEによる事前告知を行いますが、必ずしも本が頒布できるという保証はありません。

そして、この催しは私の実験的意味合いが強い催しなので、出店料(テーブルのレンタル代)は私が負担いたします。

もしご興味ありましたらTwitterのメッセージでご連絡いただきたく思います。

 

 


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