春になったら | 頭ん中へようこそ

春になったら

とても好きなドラマです。



木梨憲武さんが主演されると知って、とんねるずをみて育った世代としては見ないという選択はなかった。



死を扱うので話としては重いけど、そんな雰囲気もなくて感動の涙涙と笑いの温かいドラマです。






父親と娘を中心としたドラマって、というより、ドラマの中の父親と娘ってたいてい不仲というか、娘が父親を毛嫌いしてたり、父親は家の中に居場所がなくて、家族からも邪険にされてたりするだよね。



私にはその描き方が全く共感できなかった。



うちは両親と娘3人の5人家族で、猫も女の子ばっかりの女だらけの家族。



だけど、父親が邪険にされることも、娘が父親を毛嫌いすることも全くなかった。



母親はアレとして笑、娘はみんな父が大好きだから。



ドラマでよく父親が日曜日に家でゴロゴロして家族から邪魔者扱いされていたりするのを見てたけど、私はそれはドラマの中だけの話だと思ってた。



私の父はどんなに疲れていても、毎週日曜日は絶対に遊びに連れていってくれたから。



近所の公園やその辺の空き地、昔は学校の校庭に普通に入れたからそこでバスケットしたり。



父と出かけるならなんでもよくて、ただ買い物にいくのも、商業施設の小さな遊技コーナーで遊ぶのも、それも娘には楽しい楽しいお出かけだった。



父はケーキ屋で日曜日に仕込みをすることもあったから、その時も娘らも着いていって、終わるまで近所の公園で遊んだり、夏は市営プールで遊んで、仕事を終えた父が迎えに来て、マック寄ってかえるとか、マックに行く前にちょっとだけ買い物したり、そういうのも全て娘には父と遊ぶようなもんだった。



毎週何かしら父と遊んだり出かけたりすることは、娘らが高校卒業するまで続いた。



いとこや友達に「うちの父親はどこにも連れていってくれないから、トン子ちゃんのお父さん羨ましい」とよく言われた。



まぁ、そんなんだから、ドラマで描かれる邪念にされて毛嫌いされる父親像はドラマの中の話だと思うよね。実在すると知ったときは、 びっくりしたし、ますます父親が好きになったよね。






そういう家庭環境だから、全然ドラマの父娘関係に共感できなかったし、父親をそう描くことも、娘をそう描くこともすごく嫌だった。



仲良しの父娘だって世の中にはたくさんいるのに、なんでいつもワンパターンな描き方するんだよ!って。



だから、「春になったら」のノリさんと奈緒さんの父娘関係の描き方は、なんてゆうか共感しかないし、よくぞこういう父娘を描いてくれましたと感謝の気持ち。



お父さんと瞳さんはお互い支え合い、想い合い、助け合い、よい関係を築き、仲良し父娘。



瞳さんがお父さんを嫌ったり邪険にすることもないし、お父さんが娘に嫌われるような何もしない人でもないし、本当にいい父娘。



それだけでも見ていて感動するし、私もお父さん、ノリさんのこと好きになってるし、娘の瞳さん、奈緒さんの気持ちもわかって辛い。



お母さんが亡くなって、今までずっと二人で手を取り合って生きてきて、お互いとても大切で大きな存在だから、きっとお父さんのこともよくわかってて、余命宣告されたあとの決断を尊重したい反面、絶対に死んで欲しくない、離れたくない、なんとか一日でも長く生きて欲しいと思ったよね。



お父さんの決断を理解して受け入れて尊重するのは本当に辛かったと思うけど、でも大好きだから、お父さんにお父さんらしく生きて欲しいとも思って、尊重して、娘としてお父さんに出来ることをずっとやってあげている。



この時間がもう二度と帰ってこないとわかってるし、お父さんがいない人生が目の前に迫ってきていることもわかってる。



瞳さんがそういうのを受け入れるのは本当に辛くて大変だったと思う。



昨日の放送で、お父さんは入院中で、仕事から帰った瞳さんが誰もいない家を見渡して、何かを思うシーンがあった。



「お父さん入院中だった」というだけではなくて、いつかこういう日常がやってきてしまう、お父さんがいなくなった生活をより現実的に想像してしまって悲しくなったのかな?と思いました。





お父さんの「よしの(妻)と瞳がそこにいるなら生まれかわってもまた同じ人生を送りたい」というセリフも、

瞳さんの「お父さんとお母さんの子供に生まれてよかった」

というセリフも、



どっちのセリフにも大大共感。



生まれかわりたくないけど、もし生まれかわるなら、また両親の子供に生まれたいし、姉と妹と猫たちもいてほしい。



二人の子供に生まれて本当によかったと思ってる。



二人が両親じゃないのは嫌です。



本当に大好きなので、父親が亡くなったときはとても辛かったし、生きている意味がわからなくて死にたかった。



父がなくなって今年でもう14年経つけど(そんなに経つんかい)、未だに寂しいし辛いし父に会いたい。



瞳さんは今もきっと必死で辛いのも悲しいのも堪えながら、お父さんのために出来ること、娘としてしてあげられること、自分が後悔しないように限られたお父さんとの日々を過ごしているんだと思う。



あんなに明るくて元気なお父さんが病魔に冒されて弱っていくのを見るのも、いなくなってしまうのも、本当はとても受け入れがたいことだよ!泣