本日は最近読んだ面白かった本の紹介です。
原田ひ香 著
「母親からの小包はなぜこんなにダサいのか」
昭和・平成・令和・・・と、時代は変わっても実家から送られてくる小包の中身は変わらない!?
をテーマに、実家からの小包を題材にした6編のストーリーが収められています。
どれも優しさがいっぱい詰まった温かい気持ちになる物語です。
ということで!私の、「母親からの小包ストーリー」ってわけじゃないんですが・・・
私も結婚当初はよく実家の母から<びっくり箱>みたいな荷物が届いてました。
ほとんどが野菜や果物、菓子などの食べ物でしたが、実家が農家っていうのならわかるけどこっちでも買えるものをわざわざ送料をかけて送ってくる荷物に困惑しつつ、
何が入っているかわからない「お楽しみ箱」みたいな荷物が楽しみでもあり。
で、いつも必ず入っているのがROYCEの詰め合わせ。


当時乗っていた車はハイルーフの大きなRV車でして、それ用のスノーブラシが必須だったんですね。
お値段も高かったので買い直すのも勿体ないってことで、義母に電話して送ってもらうことにしたんですよ。
伸縮するといっても立体的かつ複雑な形のスノーブラシ。
普通なら、これがすっぽり入るダンボールに入れて送るよね?
で、これだけ入れるにはあまりにスカスカだから他にも何か入れて送ると思うでしょ?
私も、初めての義母セレクトの荷物の中身を楽しみにしてたんですけどね~。
どうだったと思います?
なんと!このブラシを茶紙で包んでその茶紙に宛先を書いて届きました(笑)
確かに頼まれたとおりにスノーブラシを送ってくれたんですけどね、その思考に正直びっくりしましたよ。
こっちは胸がジーン・・じゃなくて、頭がキーンとなった 思い出の義母からの小包、あはは。
もうひとつ、母の認知症を理解したくて読んだ本。
「認知症 世界の歩き方」
この本の表紙を見て、あれ?っと思う方もいますよね?
そう、この本、ネットが普及する前のバックパッカーや個人旅行者のバイブル的存在だった
「地球の歩き方」を模倣してます。
黄色い表紙がお馴染みのコレね。
私も国ごとに何冊も持ってたなぁ~。
今はネットで検索できるから買うこともなくなったけど。
本の情報に間違いが多くて、私なんか「地球のだまし方」って呼んでたけど(笑)
タイムリーにも今日の北海道新聞でも紹介されてましたが、
患者側からみた認知症の世界を書いた本なんですね。
地球の歩き方のパロディってわけではないんだけど、「トキシラズ宮殿」とか「顔無し族の村」とか
認知症の症状を旅行ガイドに見立てて解説してるの。
様々な症状ごとに患者側の立場ではどう見えてるか?みたいな感じなんだけど
母の症状と重ね合わせて、なるほどなぁと思わされました。
例えば、お風呂に入りたがらなくなった母、
理由は個人差があるみたいなんですが認知症の症状のひとつです。
・着替えが億劫になる場合
・前回お風呂に入ったのがいつなのかがわからず、「入ったばかり」だと思い込む。
・お風呂の水がヌルヌルしてる感覚にとらわれ恐怖に感じる
などがあるようなんですが、母の場合は2番目の「昨日入ったから」←実際は何日も入ってない。
冷蔵庫の中がすごいことになっているのも認知症ならではであることもわかりました。
冷蔵庫に入れて扉を閉めてしまうと、もうそこにはモノは存在していないという認識なんですね。
妹がよく嘆いているのですが、夜ご飯を作って冷蔵庫にいれておき「冷蔵庫に入っているからね」と言っても
食べた形跡はなし。
テーブルに出しておけばちゃんと食べてるようなので、冷蔵庫から出すということができなくなっているみたい。
なのに、冷蔵庫にしまうことはするので、冷蔵庫の中は腐ったモノでいっぱい。
冷蔵庫やパントリーに入ってしまったものは「無」の存在なので、在庫があることをわからずにどんどん買ってしまうから
大変なことになっておりました。
少しは理解したくて読んだ本ではありますが、どうしてそういう行動をするのかは多少はわかったものの
対処法は「軽い」認知症の人の場合であって、母には通用しないことも多く・・・。
それでも患者側の視点からみる認知症の世界を知るのも参考にはなりました。