長いこと引っぱってきましたが、やっとトラブル編です。

その前に・・・、もしここからご覧の方がいらっしゃいましたら、長文で申し訳ありませんが

下記のケニア旅行記をご覧になってから読んでいただけるとわかりやすいと思うのですが。

インドムンバイからナイロビへ

・アンボセリ国立公園

・ツリートップスとボートサファリ

・マサイマラ国立公園

・マサイマラ最終日


もうなんとなく想像できていると思いますが、トラブルとは
ツアーメンバーのことです。

今回の登場人物は

・私達夫婦

・関西のハネムーンカップル

・関東の若夫婦

・怪しいカップル

・大学生の娘とその父母のファミリー3人組

でした。

問題人物は・・・・ファミリーの母親です。


メンバー同士まだ打ち溶け合っていない最初の頃は、このオバチャンも普通でしたが徐々に本性が出てきます。

「ちょっと変わったオバサン」に「それを見守る内気なオジサン」、そして「冷ややかな態度で両親と接するオタクっぽい娘」って感じです。

最初に変貌したのがツリートップスでした。

各部屋にブザーがあって、動物が来たら教えてくれるのですが、ブザーのon offは各自で調節できます。

それを知らずかファミリーはブザーをoffにいていたようです。

翌日、「ブザーで教えてくれなかった」とオバサンは怒り出しました。

スイッチの存在を説明しましたが、「そんなの聞いていない!」と・・・。

私達他のメンバーに八つ当たりをしましたが、たいした動物が現れなかったと聞いて少し落ち着いた様子。

その間もそばでオロオロしているオジサンです。


2台のサファリカーは

・私達、ハネームーナー、若夫婦の3ペアの6人+ドライバー

・ファミリー、怪しいカップル、ガイドの6人+ドライバー

って言う乗り合わせでした。

アンボセリで怪しいカップルがリタイアした後も、特に入れ替わることもなく移動の際もゲームドライブの際もこのままでした。

なんとなくみんなファミリーを避け始めたって感じです。


マサイマラのゲームドライブで、私達の車がライオンやヒョウなどに出会えて帰ってきた時、

またこのオバサンが恥ずかしげもなく

「私達は見れなかったいかり」と激怒。

そして、また八つ当たり。

ゲームドライブは、ドライバーの腕もありますが運の世界ですから・・。

もうこの頃からは、夕食もこのファミリーは私達とは一緒のテーブルにつかなくなりました。


そしてバルーンサファリでは・・・旅行記でも書きましたとおり、

日本で申し込んでいたこの親子は一人4万円を既に払い込んでいました。

現地で急遽申し込んだ私達はひとり3万円位。

オバサンの怒りは相当なもんです。

怒りを抑えきれずに、
日本の旅行会社に抗議の電話を入れまくったそうです。

しかし、時差があり、なかなか繋がらなかったとか。

結局オバサンひとりバルーンサファリをキャンセルして、私達が上空にいる間もずっと電話してたらしい。

ケニアからの国際電話です。

チェックアウト時、電話料金で2万円請求されたみたい・・・アホだ。

確かに怒りはわからなくはないですが、予約していない私達は空きがなければ参加できないわけだし、

現地で申し込んだほうが安いのはよくあること。

そしてその怒りは直に私達へ。

「アンタ達はいつもズルイ、インドからケニアにくる飛行機だってアンタたちは座席を移動して一人で2席分使ってたし、動物だってアンタたちのサファリカーばかりいつもいい動物を見るし、バルーンサファリだってアンタたちだけそんな安い値段でズルイズルイ」

と腰をクネクネさせて今にも泣きそうに叫びまくっている。

反論するのもバカバカしいので無視しましたが、その横でまたしてもオッサンはオロオロしたりペコペコしたり・・・。

娘は「お母さんはいつもツアーでこうなんだ」ってシラーっとしている。


そんなことがあった日の夜に、例のチップの取りまとめですよ。

ガイドとドライバー2名の3名のチップ(?)代として、一人およそ100ドルずつの計900ドルを集める時がやってきたわけです。

(本当は怪しいカップルの2名分で全部で1100ドルですが、さすがにそれはね~)

夫が夕食時にオッサンのとこにチップの件を話しにいきました。

するとオバサン、またもや、テーブルでも倒さん勢いで


「私達はそんなの絶対に払いませんからね!!」


困りました~。

本来のチップの意味での支払いなら拒否でもかまいませんが、今回の場合、あきらかにチップとは意味合いが違うのは皆承知しています。

日本の旅行社は「チップ」という名前をつけていますが、事前の旅のしおりに金額明記で払うように指示しています。

これは彼らの給料なんでしょう。

私達、ハネムーナー、若夫婦の6人で悩みました。

本当なら11人分ですが、リタイアの2人分は諦めてもらうとしてもファミリーの3人分300ドルは痛いでしょう。

相談の結果、私達だって夫婦で200ドル払うのだって腑に落ちないとこではありますが、親子3人分をそれぞれ負担することに。

ですから、夫婦で300ドルの出費になりました。


その夜、各ロッジにオッサンが現れて

「妻には内緒に」って言って100ドルずつ返してまわっていました。

結局は親子分の負担分は戻ってきましたが、「妻には内緒」ってとこがなんとも情けない。

自分が妻を説得しろよ!

いい年して、若いものに感情丸出しのおかしな八つ当たりばかりして・・・、せっかくの旅もメチャクチャにしてさぁ。


完璧に対親子との関係はこじれたままナイロビへ。

入院中の怪しいカップルが一緒に帰国することになり、親子を乗せた車はカップルをピックアップするために病院へ。

私達はその間、市内のスーパーマーケットへ。

スーパーといってもコンビニに毛の生えたようなもんですが、コーヒーなどを買いました。

ハネームーナーはさすがにいろんなとこに配るお土産が必要でしたでしょうから、けっこう買っていましたっけ。

空港で合流し、ハネムーナーは先ほどスーパーで買ったお土産をスーツケースに入れなおしたりしていました。

それを見たオバサン、またもや発狂です。


「私も、スーパーに行きたかったのにぃsei、ズルイズルイ」


子供か!!

しかも泣いているし・・・。


私達は見てはいけないものを見たような気がして、唖然としながらも一同無視。

親子3人を残したまま、ガイドさんにお別れと感謝を言い、出国審査に向かうため中へ。

その間も後ろで、

「スーパーに行きたい、スーパーに行きたい」とか、

ガイドに向かって

「絶対に許さない!、日本に帰ったら旅行会社に言いつけて(何をだ?)仕事できないようにしてやる!」などと、ヒステリックに泣き叫んでいます。

空港内では誰もが(なんなの?)って感じで見ていますが、おかまいなしです。

同じ団体と思われるのも迷惑なので、さっさと中へ入ろうとしたその時です!


バシーンという音がして、オッサンの声が。

どうやらオバサンに往復ビンタをしたようです。


「いい加減にしろ!そんなにスーパーに行きたいなら、お前はここに残れ!もう日本に帰らなくていい!!」


ほっぺたを手で押さえたオバサンは急に静かになりウウウゥと泣き崩れています。


私達もあまりの唐突な行動にびっくりして一瞬立ち止まりました。

ことの次第を見ていましたが、

(オッサン、今頃かい?しかもこんなとこで・・・)と思いながら、もうかかわりたくないので出国審査に進みました。

最後の最後にオッサンの堪忍袋の緒が切れたのでしょう。

でも、ある時娘が(お母さんはいつもそう、前の旅行でもこうだった)って言ってたのを聞くと慣れっこなんじゃないのでしょうか。

それとも今回は想定外だった?

いづれにしても、こういう方はツアー旅行をしてはいけません。

自分達も楽しめないだろうし、運悪くツアーが一緒になった人たちは大迷惑です。

そして、現地の人たちに日本人を嫌いにさせます。

私達もこの旅行を最後に団体ツアーは止めにしました。


結局、親子は予定の飛行機に乗り一緒に帰国しましたが、私たちとは口を聞くことはありませんでした。

私達は、ハネームーナーと若夫婦と成田で連絡先を交換し別れました。

その後、ハネムーナーが北海道に来た時に再会し、彼らとは今も年賀状のやり取りをしています。

再会した時も、このファミリーの話題が中心で、なんだか旅の思い出がおかしな具合になっています。

野生動物の宝庫ケニアで見た一番の珍獣はあのオバサンでした。