ココ・シャネル / 2008年米伊仏 | TDR&MOVIE

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ココ・シャネル / COCO CHANEL

世界中でその名を知らぬ女性は居ない…トップブランド『シャネル』の創始者ココ・シャネル。
第二次世界大戦後、15年の空白を経てファッション界に舞い戻ったココ。
しかし、そのコレクションは残念ながら、新鮮さに欠け、不評に終わる。
愕然とするビジネス・パートナーのボウシエをよそに、自分のペースを貫こうとする。
そして、ココはこれまでの自分の半生を振り返る…

類まれな、才能を持って生まれたガブリエル・シャネルがデザイナーとしての地位を
確たるものにするまでを回想録的に描く。
流石の貫禄で、晩年のココ・シャネルを演じるはシャーリー・マクレーン。
シャーリーの醸し出す、今まで培ってきた人生の重みや深みのようなものが、
シャネルの苦難の人生と重なり合います。
若かりしココ…本名ガブリエルの頃を演じるのは、バルボラ・ボブローヴァ。
魅力溢れる、好奇心旺盛なガブリエルを、等身大に見事に演じていました。
特に、『ココ』という愛称となるエピソードでは、素敵歌声と笑顔そして、その魅力を披露♪
この作品、かなり長いのですけど、その長さを感じないのは、
キャスティングが素晴らしいからでしょう。

幼くして母を亡くしたガブリエル。
父親にも捨てられ、妹と共に幼少期を孤児院で暮らす。
引っ込み思案な妹を修道院に残し、成長したガブリエルは洋品店で働き、
自立した女性を目指す姿は、今の女性たちにも大きな希望を与えます。
類まれな発想と、その好奇心で、見る見るうちに作り手としての才能を花咲かせていくガブリエル。
本当に生き生きとしていて素敵です。
ここぞという時のチャンスを逃さない、その研ぎ澄まされた感覚は素晴らしいもの。

そんな彼女がひょんなきっかけで出会った将校エチエンヌ。
運命的な出会いを果たすも、身分違いの恋に心破れる。
涙に暮れる暇もなく、独りパリの街で成功を夢見る彼女のそばに、
いつもそっといてくれたのは、エチエンヌの親友アーサー・カペル。
また、このアーサーが素敵な人なのですよねぇ
彼と出会ったことも、ココの素晴らしき財産となったのだと思います。
彼とは長い間、愛情を育み、そして友情関係を結ぶも、時は彼らを悲しくも引き裂くのです。

天性の才能で、その時代に生きる女性たちのためにデザインを工夫した服を作るガブリエル。
なかなかそのデザインは受け入れられることは時代的に難しかったのでしょうけど、
その努力は報われるのですねぇ
同じような服装の人たちが並ぶ時代、着る人の個性を生かすデザインは今までになく、
突出し光るものがあったのでしょうね。
それでも、色々なコレクションを発表するたびに、
ザイナーとして認められ地位を確立していく彼女はいつも孤独と背中合わせでした。

今の功績への道のりは容易いものではなかったでしょうけど、
彼女を理解し支えてくれる大切な人に囲まれながら、
ココ・シャネルは自分の信念を忘れずに、本当に強く生きていたようです。

『シャネル語録』には、多くの素晴らしい可能性が隠されています。
その彼女の発する言葉は、彼女の財産であり、彼女そのものだったのでしょう。
素敵な言葉の裏側に起こっていた事実をこの作品で知ることが出来ます。
香水<No.5>が生まれたエピもちらりと登場します。

ココ・シャネルというきらびやかな世界に生きていた人の光ると影。
亡き母の残した、指貫から始まる彼女の物語。
何か、とても勇気をもらえる、そんな素敵な作品でした。

来週末には、オドレイ・トトゥ主演で『ココ・アヴァン・シャネル』が公開。
シャネルサロンの白い螺旋階段の登場はどちらも共通。
比較してみるのも面白いかも。

監督 クリスチャン・デュゲイ
製作総指揮 -
原作 -
音楽 アンドレア・グエラ
脚本 エンリコ・メディオーリ
出演 シャーリー・マクレーン、バルボラ・ボブローヴァ、マルコム・マクダウェル、サガモア・ステヴナン、オリヴィエ・シトリュク
上映時間 138分
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id333635/