底抜けに明るいというかめちゃくちゃなというか、あっけらかんとした精神科医、ドクター伊良部一郎が主人公の小説です。
ぐふふふと笑って、行こう、行こう!とどこにでも興味ある場所にすぐに行く、いやなことにはやだもーんですます。
とにかくたまらなく痛快な37歳のドクター伊良部です。
ドクター伊良部はおじさんの着ぐるみに身を包んだ5歳児のようなんですが、最終的には患者が自ら治っていくんですね。
他人の評価を気にしない5歳児の人格って、実は誰にも備わっているんじゃないかと思います。5歳児がほんとうにそうなのか、は置いておいて。
わあ、たのしそうだなあ、やってみたい!と思っても、いやいや子供じゃないんだしとブレーキがかかります。
そのブレーキをかけなければ人生はバラ色になるかもしれません。
うらやましいなあとひとりごちながら、ドクター伊良部三部作を読むわたしでした。