義父は手術を無事に終えた。1泊の入院で、1週間後には抜糸、今後は定期的な通院だけだ。



 ところが、やっぱり認知症を発症してしまったのではないかと思う。以前から、怪しいことはあった。でも認めたくないのか、本人も周りの私たちも「年相応の物忘れ」としてきてしまった。

「どうも最近忘れっぽくて、嫌になっちゃうよ。認知症かなあ?」

「自覚しているうちは問題ないよ」

義父と夫の会話だ。

 

 先日、近所のかかりつけ医に夫が付き添った。いつもの血圧の他にもお薬を処方されて、2週間様子を見ることになった。

 

「女の拝み屋が何人も来て、白い壁を汚していく。また来るらしい。夜も眠れない」

拝み屋?初めて耳にした。祈祷師みたいなこと?

「押し入れに置いておいたお金がなくなった」

えっ?いくら?いくら?

義父の顔はなんとなく目がうつろで覇気がない。夕食を届けた時、つまりは中途半端な時間に(17時半頃)寝ていることが多い。同じことを何度も聞く。

 

 これは私としては早く介護認定を受けて、何かあった時のために備えたい。それを夫に伝えてみたが、素早く動く気配はない。険悪なムードになりかけたので、私は今後、指示されたことだけ動こうと思った。

 

 それでも朝晩と飲まなくてはいけない薬を飲ませるために夫は義父の家に毎日2回行っている。今後、どうなっていくのだろう?

 

 背筋もシャキンと伸びて、歩くのも問題なく、自転車も問題ない。だからこそ、私はとても心配だ。遠くまで出かけてしまって戻れない、なんてことがおきやしないかとヒヤヒヤしている。