ホテルの朝はブッフェだった。前日は日本旅館だったので、これはこれで嬉しい。
最終日の予定はしっかりと立てていなかった。四国巡礼、空海ゆかりのお寺を1ヵ所でも巡れたら、なんて話してはいたけれど、なにしろ遠いことがわかり、断念した。そして、『栗林公園』という名所を訪れることにした。忘れてはならない父の大好きだったうどんの製麺所が近くにあることもチェックした。
ホテルのフロントで地図をいただく。そして
「栗林公園へは、歩いて行かれますか?」
と尋ねた。私は歩くこと、結構好き。ただ、日常はなかなか時間が取れないから、こんな機会にはここぞとばかりに歩きたい。さらに妹は毎日歩き、平均歩数は11,000だって。
すると若い女性フロントスタッフさん、両手を胸の辺りで広げて横に振り、
「とても歩ける距離じゃないです。電車かバスですね」
って。もうね、10kmくらいのイメージでした。が、地図を見ると、歩けなくもないかな?って距離。完歩しました。実際は2,5kmですって。四国ってお遍路さんの文化とかで、みんな歩くイメージなんですけど、実際は違うのかしら?
きれいな公園だった。松の手入れがお見事で、ここぞ庭園といった感じで、心癒された。国の特別名勝に指定されているそうだ。秋の紅葉時期は美しいだろうなぁ。
そしてお目当てのうどん屋さん。狭い店内にほんのいくつかの椅子。恐る恐る入ったよ。立ち食いしていた男性全員にギョロッと見られた気がする。
おそらく地元で仕事をしている男性ばっかり。私たちみたいな、いかにも観光って人もいなくて、おどおどしているのが恥ずかしい。キョロキョロして、列に並ぶ。注文の仕方を真似る。セルフのネギと揚げ玉を見つけ、少しばっかり乗せる。真っ黒に日焼けした男性、ネクタイを締めた男性がドバッと乗せているのを横目で見る。
駅で母へのおみやげを買った。
「楽しかったよ。お土産は2人からだからね。おかあちゃん、妹を生んでくれてありがとう」
とでも言って渡そうと思う。
つづく



