私ってやっぱり理屈っぽいと自覚している。単純なおしゃべりと笑いは大好きなのに、読み物やドラマなどには
「これを通して作者は何を伝えたかったのか」
なんて考えちゃう。
妹のひと言で『Tシャツが乾くまで』を知り、見始めた。1週間も前に終わったのにアレコレ考えていたら、時間が経っちゃった。
おもしろかった。新聞には大学教授やコラムニストがこのドラマについて語り、なんたってこの私が最後には『T乾』なんて呼んじゃって、流行りの波に乗ってた感じ。話題のドラマであったことは間違いない。
最初から驚きの設定だった。既婚男女がコインランドリーで出会うことはある。そこから不倫関係ではないが、それぞれの配偶者に話せないことを話す。それはアリなのかなあ?古希に手が届く私だって、若い頃
「男女の友情は成立するのか」
みたいな話を仲間同士でしていたな。これは永遠のテーマかな。
今の私、夫に話せない話、ないもんなぁ。敢えて話さないことはあっても聞かれれば話しても構わないしなぁ。
それからも衝撃の展開は続く。
「えっ?どうなるの?」
と、まさかばかりがやってきて、毎週いいところで終わる。10回見て、最近のドラマの面白さの1つってこれなんだな、という思いが残った。
怒って頭にきて、ちゃぶ台をひっくり返す一家の主を周りのみんながアタフタしながらもなだめる昭和のテレビドラマ。ふらっと日本中を旅してそこで出会った女性を好きになるが、結局ふられる昭和の映画。笑って、ちょっとほんわかして
「ああ、今回も面白かった」
で終わる。そこに個性的な人物は登場するが、一方で必ず「いい人」もいる。「いい人」の定義もよくわからないけどね。
だが、今回、「いい人」はいない。さらに、個性のレベルが違う気がする。誰だって、1人になりたいときはあると思う。でも結婚して、1年間も行方知らずの失踪なんてしない。
個性が大事と言われるようになり、それぞれが強く主張して構わなくなった。個性は良いものと認められるようになった。でも悪くはないが、強すぎると人間関係において生きづらさが出てくる。
結婚においては特に大きな問題が生じる。男女の1対1が死ぬまで続くのだから。グループならば誰かが間を繋いだり、緩和させたり、時間が解決するってことがあるかもしれないが。そうして個性をもった人同士が生きていく術というか、「それもありなんだね」という着地点を見つけた。それが最終回。
紙一枚の婚姻届に、こだわらない。そして男女の友情は女友達同士に変換しちゃえばいい。
絶世の美女が三枚目の男性の実直な思いに次第に心を動かされるとか、キャリアを持った女性がしがないサラリーマンの強い思いに応え始めるなんて、そんなドラマは過去のものになった。
動画を2倍速で見る時代には、心温まる話よりも、もっと刺激や情報が必要だ。毎回信じられないことが起こる。その出来事は日常ではないけれど、どこかありそうな話。どうなるの?どうなっていくの?がウケる世の中なのだろう。
もちろん今の人たちがみんなみんな咲子と充ではないけど、ちょっとだけそんな要素を持っている人々を、大げさに描いたらこんなこともありうる。
その昔好まれた、やきもきしながら結局丸く収まる恋愛じゃなくて、あったか家族を描くのでもなくて、恋愛にもせめてコメディを盛り込み、もっと言えばミステリー満載のハラハラドキドキが必要なのだ。
「今の時代に合わせたドラマ」
何も考えずに10話楽しんだ私が最後にまとめたのが以上です。まったく……まとめなくていいのにさ!
そんな中、私のツボは中島歩さんのあの声と時々発する言葉だった。これはもう、心つかまれました。笑いました。特に
「ん゛~ん゛~ん゛~、めんどくさ!」
って、最終回のアレ、いつかどこかで使わせてもらおうっと。真似しながらね!