最近は、海水浴に行く人が減っているらしい。私は陸上、水泳、体操など、身1つで勝負する運動が苦手だ。道具を使うものはまあまあ得意な方なのだが。ということで、昔から海水浴もそれほど好きではなかった。ただ、小さい頃は父親が海の近くの親戚の家に連れて行ってくれたし、若い時は勢いで、みんなで海に繰り出していたっけ。

 

 コパトーンという強烈な匂いのクリームを塗りたくり、砂浜に寝そべっていた。海の家で食べるラーメンやカレーがおいしかった。でも上がった後にちっぽけな作りのシャワーを使っても砂は完全に落ちないし、身体がべとべとしているし、髪も砂まみれで、今、海水浴が人気がない理由がわかる気がする。

 

 先日買い物に出た時、小学校のプールの横を通った。もちろん、金網だけでなく、しっかりと目隠しされていて、その様子を見ることはできない。が、音楽が流れていた。

「夏が始まった合図がした‥‥‥映画じゃない僕らの番だ♫」

そして、子どもたちのはじけるような歓声とバシャバシャと水しぶきの音が聞こえた。

「えっ?今どきの水泳ってどんなことやってるの?」

楽しそうではあるが、泳ぎを習うって様子ではなかった。

 

 私は小学校6年生の時のプールの時間に、女の担任に

「こんなにいい身体してるのに、もったいない!!」

って言われて、肩をベシッと叩かれた。155センチ、40キロという12歳女子はなかなかいるもんじゃない。

「だったらアンタが教えてよ!」

って私は心の中で毒づいた。


 水泳が苦手といっても私は息継ぎせず、クロールで25メートルを泳ぐとか平泳ぎで顔を上げて泳ぐ、その程度はなんとかできた。つまりは息継ぎができないのだ。そんなレベルの子は放っておかれる。誰も教えてくれない。私はその先生が嫌いになった。

 

 先日、実母のもとへ従姉妹から手紙が届いた。彼女がやっぱり海水浴や水泳のことに触れていた。水泳が苦手だったらしい。すると高校の体育の教師が水泳の不得手な生徒だけを集めて特訓をしてくれたそうだ。

「君たちが泳げないのは君たちのせいではない。泳ぎ方を教えてもらえなかったからだ!!」

と言って。それにとっても感動したと。私もそれを読んで感動した。私もその先生に習いたかったな。

 

 コロナ禍以降、水泳の授業も縮小傾向にあるようだ。夏休みのプールもそれほど回数が多くないらしい。泳ぎはスイミングスクールで習う時代なのだ。


 学校では今、泳ぎを教えるより、水の事故のことも考慮して、海、川、湖、には近づかないって指導がなされるのだろう。それじゃあ、尚更のこと、海水浴は敬遠されるはずだわね。あの「海の家」がなくなるのがちょっと悲しい。