この時期になると決まって話題になるのが

「そうめんと冷や麦の違い」

ってことだが、これは単に太さの違いらしい。

 

 私が小さい頃は、その違いは

「冷や麦は色のついたものがちょっとだけ交じっているけれど、そうめんは白だけ」

だと思っていた。そして、必ず弟と取り合いになった。ピンクとか青とか緑色があったっけ?弟と私は年子なので、そんなことも起こりがち。

 

 さらに食べ物のケンカは他にもあった。3月3日のお節句のひなあられだ。小さいひなあられの粒の中に、まあるい大き目な、そうねえ、直径が1センチ近くもあるあられが少しだけ交じっている。母親がお皿にザーッと出すと、最初にそれを奪い合うように食べる。口にどんどんと放り込む。

「お行儀が悪い」

と両親に叱られる。

「女の子のお祭りだ」

と、この時ばかりは私も主張する。いつも

「お姉さんなんだから我慢しなさい」

と言われてきた。ここで恨みを晴らさでおくべきか。

「こいのぼりの日に、こういうお菓子はない」

と弟も反論してくる。最後は母が平等に分けていたかな。


 もう1つ、これは『サクマのドロップ』だ。いろいろなフルーツの味がカンに入っている。これは父の大好物で、母が買ってきて、必ずと言っていいほど、家に置いてあった。


 と言いながら、それらは大体、私たちの口に入ってしまうが。私と弟はカンをガラガラと振りながら、手のひらにドロップをいくつか出し、好きな味?色?を選んで、残りを戻す。ここでもよく弟と取り合いしたな。2人ともハッカ味は嫌いだった。結構汚い手で1回出したものを戻す。昭和ならでは?私と弟だけ?


 で、最後の方になると、ハッカばかりが出てきて、なかなか食べたいドロップが出てこない。何度も出す、戻す、を繰り返す。けんかが始まる。

「早くして!」

になるから、1回ずつ、なんてルールを決めたりして、今思うと、大吉が出るまでおみくじを何回も振ってた感じに似ている。あ、おみくじで実際にそんなことはできませんし、もちろんしてません。最後に残るあの白い「ハッカ味」を

「これだっておいしい」

と言いながら、結局父が口に放り込む。

 

 夫は妹や弟と年が離れているからなのか、単に記憶がないのか、そんなケンカは覚えていないという。あ、第一子長男のお坊ちゃまアルアルかもしれないと、私はいつも思う。そして、今ではケンカといえどもそんな思い出がある私の方が、人として豊かなのではないかと密かに誇らしく思っている。

 

 そういえば、31アイスなどで「チョコミント」味が孫たちに人気なんだけど、私にとっては絶対に選ばない味だ。ケーキにちょこんとミントの葉が添えられているのは好きだけれど、ずっとあの味の中に少しだけチョコの粒が入っているってことでしょ?ハッカとミントは別物らしいけれど、どちらもシソ科ハッカ属のハーブですって。小さい時のトラウマかしら?


 そして、今の子どもたち、ミントが好きなんて、ずいぶんとハイカラさんね。