義父、90歳、認知症あり。日々、夫、義弟、ヘルパーさん、私、長女(私の娘)というメンバーの誰かしらが訪れ、何かしらの作業をしてくる。それぞれに大きく回数の差はあれど。
ここのところ、困るのが、水回りのお掃除だ。義父は以前から料理はしないが、果物の皮くらいは生ごみとして出る。その他、お弁当や冷凍食品の容器など。洗い物も丁寧ではないし、ため込む。ごみ処理もできないから、この時期コバエが飛び始める。
コバエ対策として、生ごみを貯めないことが第一だが、発生したら、何かに頼るしかない。スプレーは、効果がなかった。ハエとりリボンは、しっかりとれるけれど、邪魔だ。自分がくっついちゃったらとんでもない。すると、『電気のコバエとり』というのをドラッグストアで見つけた。ダメもとで買ってみた。
これはちょっと厄介だが、充電が必要。ってことで、設置した翌日に私が行ってみた。
「あれ?どこにもない」
昨日、娘に置いてきて欲しいと頼んだが、どこに置いたのだろう?さすがに主婦となった娘がコバエ取りグッズを寝室に置くはずはない。キッチンをザッと見たけれど、見つからなかった。
「お義父さん、サトミがこれくらいの大きさの置物、うっすらと電気が付いている物を昨日置きにきたと思うけれど、どこかに移動しましたか?」
大声で色々聞くも
「オレは知らない」
の一点張り。
娘が言うには
「『おじいちゃん、これ、ハエをとるために置いておくね』って言ったら、何度もありがとうを言っていたよ」
と。
今までも、掃除機の紙パックや浄水カートリッジなどがなくなった。聞いてみるも
「オレは知らない」
と言われる。ついには
「財布を盗まれた。家の中にない」
と大騒ぎ。私も捜すけれど、見つからない。物も多くて、ひっくり返すことも私にはできない。義理、がそうさせているのか、捜している間中義父は私のあとを付いてくる。
初めての時はみんなで大慌て。どこかに置き忘れてきたのではないかと、義父が行くようなお店に電話で尋ね、実際に出向き、交番にも届け出た。結局、家の中から見つかった。預金通帳の時もあった。 印鑑の時もあった。その時々で夫が銀行を駆け回り、すべて手続きをした。印鑑も新しくした。
それがいつの間にか出てくる。
「お義父さん、どこにあったの?」
と聞くも
「???」
と首をかしげる。なくしたと大騒ぎしたことさえ忘れちゃった模様。夫は文句タラタラ。そこから、大事な物の管理は夫になった。
最近は「おおかみ少年」のごとし。お義父さん、嘘ついてるわけじゃないのに、かわいそうに。誰も彼もが平然としている。どこかから見つかるだろうと、みなが聞き流し、相手にしていない。私は
「おじいちゃん、みんなにかまって欲しいのかな。寂しいんじゃないのかな」
と思う。
先日は
「100万円入れておいた袋がない」
と言われたけれど、誰も探そうともしない。そんなへそくりあったの?
「どうせオヤジが自分で隠して、またどこかから見つかるよ。怪しいもんだ」
と夫。そして義父に向かって
「アレもないコレもなくなったって、それらに足でも付いていて逃げたのか?!」
なんて言っちゃう。でも、金額が金額だ。(これだって義父の自己申告だけれどね)
私は義父の留守を狙って探したくてうずうずしている。その後?ここは私の懐でもいいかしら?
あ~あ、電気のコバエとりの効果も立証できなかったか……。どこかからいつの間にか出てくるのを期待しよう。
