このふた月、孫の運動会があり、3校に出向いた。私は無類の運動会好きだ。子どもたちの懸命な姿を見るのが好きなのだ。我が子、我が孫がいなくたって、よその学校の運動会を覗きたいくらい。
競技最中に周りから聞こえてくる観客の声にも耳を傾ける。
「ねえねえ、あの、前から3番目の男の子、踊りにキレがある」
と聞こえてくれば、すぐさまその子を捜す。
「さすがに最終レースは速いメンバーだけあって、走りが違う」
「走り方が速い」
「足が長くない?」
よそさまの夫婦の会話だが、「走り方が速い」って、おかしな表現だと思いつつ、
「わかるわぁ~」
と頷きたくなる。
レースごとに最初のコーナー辺りで走り方を見てどの子が1位か当てようとしている人たちもいる。
「インコースの白の男の子」
とか
「赤帽子の女の子」
などなど。私の目はレースに釘付け、耳は会話を拾おうと必死だ。
玉入れでは1個づつ拾って投げるのではなくて、しゃがんでごっそりと玉を両手に抱え、投げている子もいる。7歳、知恵、絞るなあと感心する。
私が残念に思うのは、せっかく紅白に組み分けしているのに、小学校では勝敗を付けないところ。リレーのない学校。たくさんあった種目がどんどん減らされ、それは午前中で終わりだ。そうなると、なんとなく盛り上がりに欠ける。「個性が大事」と言いながら、勝ち負け、順位、は今の時代にNGなのかなぁ?ただの体育発表会のようだ。
が、さすがに中学校はこれでもかと走らせる。選抜リレーもあるし、各学年、全員リレーもある。 部活対抗リレーなんて、面白いよ~。ユニフォーム着て走るから、剣道部かわいそう。じゃあ水泳部がお得かといえば、さすがに海パン一丁は、ダメですので、上下ジャージ。
遅い、速い、じゃなくて、私は、顔を真っ赤にして汗を流して走る子供たちの真剣な姿がたまらない。どう見てもインドア派の男子、スポーツが苦手な女子、見ればわかるけれど、それでもかっこいい。
時折バトンを待つ男子の中で、手のひらを上に向けて肘や手首を曲げ伸ばしして
「がんばれ!次はオレに任せろ!少しでも早くバトンを渡してくれ!」
というような仕草をする子がいたりする。それを見て67歳のばあちゃんは惚れる。
次男が中学生だった20年以上前、担任は文科系の男性の割に、クラスの順位にこだわる熱い先生だった。運動会前には全員リレーで優勝したいと、先生自ら作戦を立てていた。それが
「バトンゾーンがそれなりの距離があるから速い子がなるべく手前でバトンをもらい、ゾーンのギリギリまで走って次の走者に渡せばいいのではないか」
ってもの。生徒からは、大ブーイングで、1度はそうして練習してみたものの、結局うまくいかず、
「そんなややこしいことしてないで、全員が全力で走ろうぜ」
になったらしい。そうして、彼らは優勝した。子どもたちはもちろん、親たちも歓喜の声をあげた。
そうそう、すっごく足の速い陸上部の宇佐美くん、みんなから「ウサミン・ボルト」って呼ばれているらしい。こういう話も私は好きなんだよなあ‥‥‥。