先日、夫と映画に行ってきた。2人とも映画通でもないから、話題ものならば何を見ても大体

「良かった」

って感想になりがち。『プラダを着た悪魔2』を観てきた。

 

 前作から20年が経ったとは思えない。ミランダ、パンプス履いてる!アンディ、かっこいい。私はナイジェル、結構好きかも。でも前作のミランダの独裁者ぶりにツボっていた私は今回少し物足りなさを感じた。今、あれは完全にハラスメントになる。だからそんな変化には20年という年月の長さを思い知らされる。つまりは……物足りなさ、というより私は寂しかったのかもしれない。決してハラスメントを肯定しているわけではないが、時が流れるって、当たり前だけど

「あんな時代あったな」

を知らされるってことなんだ。

 

 たまたま前日に私は美容院へ行った。そして驚いたのが、雑誌がすべてなくなっていたこと。その代わりにひと席に1台ずつタブレットが置かれていた。スタッフさんが説明をしてくれた。

「タブレットの、ここのボタンを押して、123456789と数字を入れてください。そうすると雑誌がすべて見られます。今までだと、他のお客様がご覧になっていて、手に取ることができない、などの問題もあったけれど、それは大丈夫になりました。拡大もできるから細かい文字も読みやすくて、好評なんです」

 

 いつもはスタッフさんが『STORY』やら『VERY』などのファッション誌、旅雑誌やタウン誌などを私の前に置いてくれていた。

 

 タブレット、ちょっと触ってみた。

「わぁ、こんなにたくさんの雑誌があるんだ」

と驚いた。でも今後、私は、おそらくこれを手にすることはなさそう。


 私は『パラパラ漫画』をめくる時のようなアレが好きだ。紙の雑誌が好きだ。パラパラした後、もう一度、気になったファッション、お店やスイーツや遠い街の様子、観光地が載っていたページを開く。

 

 タブレットでスクロールしても頭に残ったページをすぐに探し当てることはできない。もう一度同じように何度も中指を上下左右に動かす。ページが流れていかない……かと思うと、ビューンと飛んでしまう。お目当てのページ、どこ?

 

 今回の映画、働く女性とファッションが注目ポイントのようだ。が、私の目に焼き付いたのが最後の方でアンディが「紙の原稿」をミランダに渡す場面だ(私の記憶と理解が合っていれば)。NYの摩天楼よりも、華やかで多彩なファッションよりも、スピーディな女性の動きよりも、ガガ様よりも。


 その時のアンディの笑顔が最高だ。ワンクリックで送信できるものをわざわざ紙にしていたところが、私に刺さった。今のこの時代に残したアナログの仕事シーン、面倒な紙の作業だからこその「my job」の誇りのようなものを感じた。

 

 今回、「ファッション誌」と「時の流れによる世の中の変化」そんな共通項があった映画と美容院。続編があるとしたら、原稿はさすがにデジタルになっているだろう。私が元気に生きていられたら、の話だが。ミランダは心配なさそうね。