次男は現在自宅を出て、他県の会社の寮で生活をしている。里帰りは少なく、特にコロナ禍以降は年に1回のペースになってしまった。しかも1泊かせいぜい2泊。お互いの誕生日にラインはするものの、家族グループ(私たち夫婦・長男夫婦・長女夫婦・次男)での参加は滅多になく、それでも既読になっているから、見てはいるらしい。
その次男がこの度帰省した。なるべくみんなで集まりたかったが、今回は長女家族が子どもの行事で不参加だった。彼の希望で焼肉だ。
その次男の結婚を誰よりも強く願っているのが夫だ。ラインなどでそれとなく探りを入れているようだが、それに勘づいた彼は
「浮いた話は一切ございません」
だと。私は爆笑する。
私だって、彼が結婚したら、それは嬉しい。母として喜ぶに決まっている。でも彼の人生は彼のもの。夫のように「結婚こそが幸せ」なんて思ってはいない。もちろん、それによって幸せに思う人もいる。私も結婚は人生に彩りをもたらす、とも思う。家族が増えることには喜びを感じてきた。いや、華やかな良い意味だけではないから、色どりかな?良くも悪くも様々な色の出来事がやってくる。
以前は私も彼の結婚を望んでいた。
「年齢を重ね、高齢になった時1人では寂しいのではないか。パートナーと呼べる誰かがそばにいたら落ち着くのではないか」
「彼に何かあって、長男長女家族に迷惑をかけることになったら‥‥‥」
が、最近はシェアハウスもあるし、高齢者用の施設も増えた。他人同士であっても楽しく暮らせる場所がある。それなら安心じゃないの。子育てするには相当な金銭が必要なんだから、その分くらいの貯えがあれば、彼だって施設に入れるし‥‥‥。
な-んて考えていて、1人で笑った。その頃には私たち夫婦はとっくにあの世に旅立っているだろうに。まずはそれ、今の自分たちのことですよ!彼が高齢者施設に入るかどうかなんて、私の悩むことではない。やあねぇ、母ってのは、死んでも母するのかしらねぇ。
さて、彼の日々はもちろん仕事をし、休日には旅をしたり、ゴルフをしたり、先日はフルマラソン完走したらしい。そこに相撲が加わった。お相撲さんを目指しているのではありません。
「最近相撲にはまってる。この前は巡業観てきたよ」
そんな様子を話してくれたので、楽しんでいる様子が伝わってきて、私は嬉しかった。
が、最後に言われた言葉に衝撃を受けた。
「赤の他人の男女が何十年も共に生活するなんて信じられない。おとうさん、おかあさんはすごい」
まいりましたね。子どもらがみんな独立し、夫婦2人だけとなり、何かと
「あぁ、やっぱりこの人は他人だわ」
と、夫のことを客観視する私は、大いに納得した。子どもの言葉に……。
いや、彼はそんなことを口にしながら、実はこっそり彼女がいたりして?な~んてことはないだろうなぁ……。
