先日、美容院でスタッフさんの1人に

「beachanって、欲がないヒトなんですね」

と言われた。

 

 「欲がないヒトかぁ」

でも私は、そう言われてそんなにいやな気分にはならなかった。そう言われたのは初めてのことだったが、ぼんやりと納得した。話の流れがそうさせたかもしれない。最後には

「欲のないヒトに、幸せがやってくるんですね」

って言われたし。自分自身がそんなに幸せを意識したことはないが、幸せそうに見えてるらしい。悪いことじゃない、喜んでいい。私は日々有り難いと思って生活している。

 

 ここから、普通だったら驚くような話題に飛びます。美容院での話題とは別です。「欲がないヒト」に結び付くかどうかはさておき、自分の

「人に求めない、人をなんとかして自分の望むように変えようとしない」

「戻せない時間とモノはそのまま」

というようなところが繋がる気がした。

 

 そう、他人を動かすって難しい。「人に求めない」なんて言うとかっこいいけれど、私にはその力がなく、大変そうだからこちらが折れてしまおう、ってなところ。そして戻せない時間とモノはあきらめが早い。ただ、今後のために反省はする。なぜ、そうなってしまったのか。

 

 「結婚指輪を必ず相手につけていてもらいたいかどうか」

って、それほど話題にはならないけれど、私は案外これは極端に分かれると思っている。

「絶対につけてほしい」

「どちらでもいい」

 

 私はもちろん「どちらでもいい派」です。それで相手の愛情のあるなしを測れるわけでもないし。さらに、我が夫、今は当然のこと、若い頃もモテるタイプではない。ルックスも残念。私も人のこといえる立場ではないのは承知している。

 

 彼は自ら

「おれは子どもと老人だけには好かれるタイプ」

と公言している。だから、若い女性と飲みに行ったりして、結婚指輪をつけていなくても決してお相手女性から

「あら、この方、未婚だわ」

なんてチェックは入らない……はず。モテる男性の奥様はその辺りが気がかりで

「指輪は外さないでね!」

となるのだろう。

 

 もう20年以上も前の話だ。結婚したころの指輪のサイズと20年主婦してきたころのサイズに変化があり、指輪がきつくなってきた。手がごつくなった感じ。サイズのお直しをした。そこで店員さんに

「傷も目立つので、新品仕上げいたしますね」

と言われた。私は何の疑いもなく

「お願いします」

と応えていた。

 

 そして仕上がった自分の指輪を見てびっくり。オリジナルは、ツヤ消しとでも言いましょうか、(専門用語わからずごめんなさい)細工が入っているのですが、それがすべてピカピカに輝いていた。「新品仕上げ」ってこういうこと?

 

上が夫、下のものが私のもの
これは、どこからみても別物だわねえーん

 指摘したが、お直しができないと言われた。店員と実際に加工をする職人さんとのコミュニケーションが上手くいっていなかったようで、完全に店側のミスだ。もちろん、謝罪の言葉はあったが、元に戻せないのなら、仕方がない。粘れば金額提示でもあったかな?私は

「わかりました」

と言って、その店を後にした。

 

 その後、私は、自分で気に入ったデザインのプラチナリングを購入した。そこが私っぽくて、

「20年よく頑張りました!新たな気持ちで前に進みましょう」

と言い聞かせ、ご褒美とした。一方で

「この20年、あなたは妻としての頑張りが足りなかったので、こういう評価になりました。今後はもう少し努力してください」

と神様に言われたとか。貴金属が好きな私の勝手な購入理由だな。夫に飽きたわけではありませんよ。指輪のデザインに飽きた、ってことね。

 

 彼に報告したけれど、何も言われなかった。今は、それすら忘れていると思われる。

 

 夫が結婚指輪をしていたのは、新婚旅行中の数日間だけだ。私たち夫婦にとって、結婚指輪の意味は何だろう?